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火山山岳・ボルカノット・ロック
コリスの上司と再び連絡を取る
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「そんなことを言われても、証拠なんてないんだろう? 精霊はそれじゃ動けないよ。」
「起こってからじゃ遅いんです。」
「検証しないで動くなと私は言っているんだよ。判断するにも材料が足りない。」
次の日の朝、ワープ魔法でコリスさんの上司の所に向かい、今回は伝承上の生物が魔王化したかもしれないため、俺たちが鏡を入手する必要もあるが、俺たちも何らかの形で魔王と戦うようなことが行えないか、相談することとなった。
「……コリス。君は少し段取りというのを知った方がいい。まずはそこからだ。」
「それは知っています。」
「君が動けるようになれるための証拠集めをもっとしておきなさいって事だ。
今、許可が出せるのはそこまで。」
「……はい。」
「その後の判断は、証拠を見てからこっちで出す。くれぐれも独断で動くんじゃないよ。
私はコリスに冷静になって欲しくて言っているんだからね。
私たちがそうなれない理由は、私たちは人間ではなく精霊だからだ。
それに、私たちはこの国の精霊ではないんだよ。
制約に更に制約を重ねる状態なのは宗教で他国と争いなんて起こせないからなんだよ。
向こうの精霊が何かしそうなのだとしたら……それはまず、向こうの精霊がする事だ。
君だって帝国に報告はしたんだろう? なら今する事はやっている。」
「はい。」
最後はコリスさんも了承したようだ。コリスさんの上司は浮世離れしている印象だし、そういう見た目だが。こんな状況になってもコリスさんのストッパーになれるんだなと思っていた。
俺もブロッサムミストではコリスさんは行動が早いと思っていたし、こんな簡単に(でもない)止められるんだって思ってしまった。
(確かに今、確認したのって、カーバンクルが行方不明になったところまでだもんな。)
(俺もそれを聞いて、血相を変えたけど。)
(鏡だ近くに魔族の居城があるだで、飛躍した発想に自然となっていたかもしれない。)
俺もちょっと頭が冷えてきたが、しかし予断を許さない状況なのは確かだ。
「まあそれに、向こうの精霊も……何もしていない訳じゃないようだよ。」
「勇者がいますからね。」
再びコリスさんの上司が口を開き、コリスさんと会話を再開したようだ。
「勇者……そうだね、勇者がいる。でも、それだけじゃないようだよ。」
「はあ……。」
「これは秘匿情報だから君には内緒。向こうの動きに制約が出ちゃうんだ。」
「……秘密裏に、何かしているから、こっちで慌てる訳にはいかないってことですか?」
「そういう事。」
ここで話は大体、終了となった。
・・・・・・。
「ステラ、とりあえずドラゴンの爺さんの所に行って、もう一度、確認しよう。」
「そうですね。情報が他にもないか調べたいのもありますし。」
ワープ魔法で宿まで戻ると。話し方が冷静になったコリスさんから提案される。
働く前から随分と消耗してしまったが、ドラゴンの世話に向かうと。
「やあ、話は聞いたよ。緊急事態だからね。ちょっと打ち合わせと行こうか。」
世話をするための管理事務所に向かうと。そこには宰相のドランさんが俺たちを待っていた。
「起こってからじゃ遅いんです。」
「検証しないで動くなと私は言っているんだよ。判断するにも材料が足りない。」
次の日の朝、ワープ魔法でコリスさんの上司の所に向かい、今回は伝承上の生物が魔王化したかもしれないため、俺たちが鏡を入手する必要もあるが、俺たちも何らかの形で魔王と戦うようなことが行えないか、相談することとなった。
「……コリス。君は少し段取りというのを知った方がいい。まずはそこからだ。」
「それは知っています。」
「君が動けるようになれるための証拠集めをもっとしておきなさいって事だ。
今、許可が出せるのはそこまで。」
「……はい。」
「その後の判断は、証拠を見てからこっちで出す。くれぐれも独断で動くんじゃないよ。
私はコリスに冷静になって欲しくて言っているんだからね。
私たちがそうなれない理由は、私たちは人間ではなく精霊だからだ。
それに、私たちはこの国の精霊ではないんだよ。
制約に更に制約を重ねる状態なのは宗教で他国と争いなんて起こせないからなんだよ。
向こうの精霊が何かしそうなのだとしたら……それはまず、向こうの精霊がする事だ。
君だって帝国に報告はしたんだろう? なら今する事はやっている。」
「はい。」
最後はコリスさんも了承したようだ。コリスさんの上司は浮世離れしている印象だし、そういう見た目だが。こんな状況になってもコリスさんのストッパーになれるんだなと思っていた。
俺もブロッサムミストではコリスさんは行動が早いと思っていたし、こんな簡単に(でもない)止められるんだって思ってしまった。
(確かに今、確認したのって、カーバンクルが行方不明になったところまでだもんな。)
(俺もそれを聞いて、血相を変えたけど。)
(鏡だ近くに魔族の居城があるだで、飛躍した発想に自然となっていたかもしれない。)
俺もちょっと頭が冷えてきたが、しかし予断を許さない状況なのは確かだ。
「まあそれに、向こうの精霊も……何もしていない訳じゃないようだよ。」
「勇者がいますからね。」
再びコリスさんの上司が口を開き、コリスさんと会話を再開したようだ。
「勇者……そうだね、勇者がいる。でも、それだけじゃないようだよ。」
「はあ……。」
「これは秘匿情報だから君には内緒。向こうの動きに制約が出ちゃうんだ。」
「……秘密裏に、何かしているから、こっちで慌てる訳にはいかないってことですか?」
「そういう事。」
ここで話は大体、終了となった。
・・・・・・。
「ステラ、とりあえずドラゴンの爺さんの所に行って、もう一度、確認しよう。」
「そうですね。情報が他にもないか調べたいのもありますし。」
ワープ魔法で宿まで戻ると。話し方が冷静になったコリスさんから提案される。
働く前から随分と消耗してしまったが、ドラゴンの世話に向かうと。
「やあ、話は聞いたよ。緊急事態だからね。ちょっと打ち合わせと行こうか。」
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