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水林孤島、グリーンウッドオーシャン
東の地の精霊祭に参加することになる
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「今度は東の地に来たわけだが。」
「こっちはこっちで、市街地……と言ってもこの国の礼拝堂と商家と城と、農地がある城下町。
みたいなところですね。」
「ああ、それは五穀豊穣の精霊を祀っている分霊体を祀っているところで。
礼拝堂とはちょっと違うんだが……意味合いとしては同じかな。」
オアシスと森に囲まれたコリスさんのいた霊殿とは違うところに今度もワープ魔法でたどり着き、街並みをぐるりとクオンタムロッドに二人乗りをして眺めていた。
「俺たちはどこに行けばいいんです?」
「とりあえず礼拝堂……こっちではお社かな。そこでどこまで進んでいるか話を聞こう。」
「了解です。調伏はそこで話を聞くんですね。」
「そういう事だ。」
ひとまず俺たちはお社とコリスさんが言っていた場所に行くことにした。
・・・・・・。
「俺たちはここで何をするんですか?」
神社にたどり着いたのだが。そこには大きな霊殿とその奥にある小さな建物、その脇にある家のような造りの場所と、俺が異国民だからしょうがないのだが、どこに行ったらいいのかコリスさんに聞かないと全く分からない状況になっていた。
「今回も同じだ。精霊の壁を越えていくんだが……。その前に、社の関係者に話を聞こう。」
「聞かないと何もできないですからね。」
「うむ。」
コリスさんは勝手知ったるかのように霊殿の脇にある家のような造りの場所に進んでいった。
・・・・・・。
「お待たせ。待ったかな?」
「いえ、随分とスムーズに意見が通ったんですね。」
それから、俺を外で待たせてコリスさんがコチラの霊殿の人たちと話を付けてきたようで、待っていた俺はコリスさんの進行を確認する。
「ああ。精霊担当の討伐をしているのは……こっちでは人間もしているんだ。
その人たちと話を付けてきた。」
「そういうところもあるんですね。」
宗教だからよそではしきたりが違うのだろう。こっちの国のことはサッパリだから、そういうものだと流してしまう俺。
「それとだね。こっちでもその……苦労しそうな事があって。
話がややこしくなるからざっくりで説明すると。手に余る精霊だから。
討伐や調伏が不可能なため封印という形をとるらしい。
それで、そのために必要な封印を手伝う事になった。」
「ええと、それは何をするんです?」
「ここの都市全体で封印するだけだ。」
「ほうほう。どういうのです?」
「付喪霊という概念がこっちにはあって。物や動物に霊が宿るのだが……。
それを、この都市、全体で行う。
だから、この都市そのものがまつろわぬ霊を封印する結界と。
霊威の影響を受ける霊場(れいば)になる。
だからここの住民には影響は受けるだろうが……背に腹は代えられないところだな。」
「え、え。それはいいんですか? 俺みたいな人たちが増えるって事でしょう?」
「君の宿る精霊が規格外なのと封印具は今の所石一つだし恩恵を受けるのは君一人だから。
こっちは街全体で厳重に封印するしそこまでの事じゃないが……。
精霊と繋がれる人間は出てくるだろうな。それは勿論、精霊の監視が必要になる。」
「へ、へええ……。」
どんな精霊をここに封印するんだろう。コリスさんの言い方では特例でそうなるみたいだけど。
「俺たちが協力するのは何なんです?」
「君から霊威を貰う事かな。封印するのに必要な。君の精霊ととても相性がいいんだ。
それ自体はいつものドレインと変わらないから気にしなくていい。」
「ほうほう。」
「あとはもうすぐ、ここでもお祭りがある。それにも参加しよう。」
「え、いいんですか?」
「いいも何も……お祭りと言っても精霊を祀ったり静めたりするためのお祭りだから。」
「そうなんですね。」
俺の所の精霊祭みたいなものかな。どこでもそういうのはあるんだな。
「という訳だ。また着物に着替えてお祭りを回ろう!」
「了解です。」
今回は大分、話に理解が追い付いていないがそういうものだと流して俺もお祭りをコリスさんと巡ることになった。
「こっちはこっちで、市街地……と言ってもこの国の礼拝堂と商家と城と、農地がある城下町。
みたいなところですね。」
「ああ、それは五穀豊穣の精霊を祀っている分霊体を祀っているところで。
礼拝堂とはちょっと違うんだが……意味合いとしては同じかな。」
オアシスと森に囲まれたコリスさんのいた霊殿とは違うところに今度もワープ魔法でたどり着き、街並みをぐるりとクオンタムロッドに二人乗りをして眺めていた。
「俺たちはどこに行けばいいんです?」
「とりあえず礼拝堂……こっちではお社かな。そこでどこまで進んでいるか話を聞こう。」
「了解です。調伏はそこで話を聞くんですね。」
「そういう事だ。」
ひとまず俺たちはお社とコリスさんが言っていた場所に行くことにした。
・・・・・・。
「俺たちはここで何をするんですか?」
神社にたどり着いたのだが。そこには大きな霊殿とその奥にある小さな建物、その脇にある家のような造りの場所と、俺が異国民だからしょうがないのだが、どこに行ったらいいのかコリスさんに聞かないと全く分からない状況になっていた。
「今回も同じだ。精霊の壁を越えていくんだが……。その前に、社の関係者に話を聞こう。」
「聞かないと何もできないですからね。」
「うむ。」
コリスさんは勝手知ったるかのように霊殿の脇にある家のような造りの場所に進んでいった。
・・・・・・。
「お待たせ。待ったかな?」
「いえ、随分とスムーズに意見が通ったんですね。」
それから、俺を外で待たせてコリスさんがコチラの霊殿の人たちと話を付けてきたようで、待っていた俺はコリスさんの進行を確認する。
「ああ。精霊担当の討伐をしているのは……こっちでは人間もしているんだ。
その人たちと話を付けてきた。」
「そういうところもあるんですね。」
宗教だからよそではしきたりが違うのだろう。こっちの国のことはサッパリだから、そういうものだと流してしまう俺。
「それとだね。こっちでもその……苦労しそうな事があって。
話がややこしくなるからざっくりで説明すると。手に余る精霊だから。
討伐や調伏が不可能なため封印という形をとるらしい。
それで、そのために必要な封印を手伝う事になった。」
「ええと、それは何をするんです?」
「ここの都市全体で封印するだけだ。」
「ほうほう。どういうのです?」
「付喪霊という概念がこっちにはあって。物や動物に霊が宿るのだが……。
それを、この都市、全体で行う。
だから、この都市そのものがまつろわぬ霊を封印する結界と。
霊威の影響を受ける霊場(れいば)になる。
だからここの住民には影響は受けるだろうが……背に腹は代えられないところだな。」
「え、え。それはいいんですか? 俺みたいな人たちが増えるって事でしょう?」
「君の宿る精霊が規格外なのと封印具は今の所石一つだし恩恵を受けるのは君一人だから。
こっちは街全体で厳重に封印するしそこまでの事じゃないが……。
精霊と繋がれる人間は出てくるだろうな。それは勿論、精霊の監視が必要になる。」
「へ、へええ……。」
どんな精霊をここに封印するんだろう。コリスさんの言い方では特例でそうなるみたいだけど。
「俺たちが協力するのは何なんです?」
「君から霊威を貰う事かな。封印するのに必要な。君の精霊ととても相性がいいんだ。
それ自体はいつものドレインと変わらないから気にしなくていい。」
「ほうほう。」
「あとはもうすぐ、ここでもお祭りがある。それにも参加しよう。」
「え、いいんですか?」
「いいも何も……お祭りと言っても精霊を祀ったり静めたりするためのお祭りだから。」
「そうなんですね。」
俺の所の精霊祭みたいなものかな。どこでもそういうのはあるんだな。
「という訳だ。また着物に着替えてお祭りを回ろう!」
「了解です。」
今回は大分、話に理解が追い付いていないがそういうものだと流して俺もお祭りをコリスさんと巡ることになった。
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