桜の散る頃に

白石華

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青葉の茂る頃に

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「そんなに声を上げるなよ。取って食ったり食われたりするだけだろ?」

「いや。オオゴトですし!俺、食われますし!」

「チョット精を貰うだけさ。その分、コッチもね。藤さん、ホノカ。」

「分かった。山さん。」

「はいっ。」

 山の神様が声を掛けるだけで何をするか分かったのか、藤さんとホノカちゃんが目配せをすると。

「拘束します。」

「ひっ?」

 藤さんが手を前に突き出すと指先が伸び、蔦になってコチラに来る。

「うわっ、わわわ……。」

 俺に絡み付いて持ち上げられ、岩場の腰掛け位置に着地させられてしまう。何というか、全く怪我しない辺り、丁寧には扱われているようだ。

「では、用意も出来たことだし。藤さんとホノカは貰いな。
 私は……コッチ。」

「え……。」

 山の神様の顔が俺に寄ってくる。

「お、俺にはホノカちゃんが。」

 そういう目的ではないと分かっていても抵抗のための声が出てしまう。

「へえ……。」 

「へっ?」

 逆に山の神様に火が付いたように眼を細める。

「大丈夫。先にホノカが貰いなさい。私たちにとっては、ご馳走。」

 藤さんとホノカちゃんがいつの間にか俺の腰辺りにいる。

「さっきも言ったけど、私たちは茂さんに身を以て体験して貰うだけさ。
 それに、私と藤さんに取って食われただけで茂さんとホノカの関係が崩れると
 思っているのかい?ホノカだって加わっているだろ?」

「え、ええと……。」

 一応、筋が通っている神様と妖精の観念に俺の方に自信が無くなってくる。

「まあでも、茂さんのホノカへの気持ちはよく分かった。これなら安心かな。」

 山の神様が顔を緩めて。

「へ?……むぶっ。むぐぐ……。」 

「んっ……んん……んっ、んっ。」

 気を抜いた隙に山の神様に唇を付けられてしまう。

「ホノカ、私が後にするからホノカは先で。」

 藤さんは藤さんで俺に気を回しているのかホノカちゃんに先を譲っている。 

「むむむむっ、むーっ、むーっ。」

「はい……すみません、藤さん。」

「いいの。別に茂さんをホノカからどうこうしたい訳じゃない。
 茂さんとホノカの関係を確認した後で、それはしない。」

「藤さん……。」

「むぐっ。むうう……。」

 何だかいい話をしている雰囲気なのに俺には山の神様から濃厚なディープキスをねじ込まれている。

「ホラ、藤さんもこう言っているし、口開けて舌出して。」

「ひょんなっ。るぶっ!?」

 俺が声を上げた途端に間髪入れず、舌を入れてきた。

「うぶっ、うう……うっ?」

 口に入ってくるのは肺いっぱいに山の空気を吸い込んだ時のような爽やかで清々しい気分になってくる……くる……唾液のはずなのにどうして鼻に抜けるような清々しさがあるんだろうか。

「ちゅぷ……るるっ。んんっ。え……るっ。どうだい?山の気は。」

「え、ええと。」

「人間が山にも信仰心を持つために山に登って神聖な気持ちになったりスッキリしたりといった
 気分にさせる、山の気だよ。大分、薄めているんだけど。」

「そんなのをいきなり飲ませないでください。」

「身をもって知ってもらうって言っただろ。山の気。ホノカに近い存在にさせるって。」

「あ、ああ~、ああ。」

 言われてみればそういう話だった。

「私もちょーっと、酒に混ぜて飲んだりしているんだよね。いい気分になれるんだ。」

「は、はあ。食事……ですか。」

「そう。人間には強すぎると耐えられなくなるから、チョットだけ、ね。」

「……。」

 話を聞いていると、ぞっと寒気がした。そんなのを飲ませたのか。


「んっ……ちゅっ、ずちゅうううううっ。」

 俺に悪寒が走っている隙にホノカちゃんに喉奥までガッチリ咥え込まれてバキュームフェラチオを仕掛けられた。

「はひっ、あ……ああああああっ!?」

 ビュッ、ビュッビュッ。

 相変わらずの情緒もへったくれもない捕食行為にアッサリ放出する俺。

「んっ……んっ、んっ。んぐっ。ごきゅっ、んっ。
 はあぁ……神様の精を飲んだ後だから、一段と濃くなっています。」

「へ?そ、そうなの?」

「ん~多分、微量でも霊威がついて、ホノカが供物として取り込みやすくなったんだ。」

「はあ……。」

 俺には実感がないから、よく分からないがそうなんだろう。

「分かりやすく説明するとだな、今、妖精であるホノカに近い物質に変わったんだ。
 その方が、ホノカが取り込みやすくなっている。」

「茂さんさえ厭じゃなければ私や藤さんからも霊威を受け取ると、ホノカと茂さんが
 同じ存在になりやすくなるかもな。」

「そうなんですか?」

「ああ。同じ神の管轄だから、霊威も近いし、複数の方が茂さんが授かるスピードは速くなる。」

「……。」

 その後、ホノカちゃんとだってするんだから、実質、俺の負担は三倍だよな。

「茂さんには精のつくものでも作ってやるよ。」

 思っていることが出ていたのか、俺を見ながら山の神様に言われてしまった。
 
「あはは……。」

「いかがでしたか。私がホノカに教えたバキュームフェラは。」

「へ?」

 山の神様と話しているのが終わったのを見計らって、藤さんが俺に尋ねてくる。

「ホノカに教えたのは私と言ったでしょう?」

「バキューム……をですか?」

「標的を定めたら口を締めて、蜘蛛のように仕留めると。」

「仕留めたらまずいでしょ!というかそんな無茶なアドバイスであのフェラが生まれたのか!」

「無茶じゃないですよ。私たち妖精には、それが可能なんです。ホノカ。」

 藤さんがホノカちゃんに目配せすると。

「はい。」

 アッサリ頷くホノカちゃん。

「へっ……あっ、あ”----!」

 二人の謎の行動にポカンとしている内に藤さんに袋を舐められたのだが無数の触手で満遍なくくるみ、絡みついて締め付けるような袋舐めとホノカちゃんのバキュームフェラの合わせ技。再び搾取される側に回る俺。藤さんの口の中は見えないから普通に咥えているように見え、恐怖を感じる間もなく吐精した。

「んっ……ふ。ぺちゃっ。こっちにも垂れてきた。」

 こっちは藤さん

「ちゅうっ、ちゅうっ。んん……。美味しい。……。」

 こっちはホノカちゃん。残すまいと樹液をすすり続ける妖精さんたち。

「ホノカ。次は私もいい?」

「いいですよ。藤さんもどうぞ。」

「うん。みんなが食べられるように……一回で終わりにする。」

 やっぱり藤さんたちにとっては食事なんだな。

「それと、茂さんに自身を与えたり茂さんを食べたりするのはホノカが一番多い方がいいと思う。
 子を生すために、お互いの種族の差をより近くするための行為だし。
 子作りの目的がまず合わせること。」

 藤さんから俺たちの行為の目的を改めて説明され。

「「藤さん……。」」

 俺とホノカちゃんがお互いジーンとなると。

「それはそれとして、頂きます。」

 余韻に浸る間もなく藤さんに竿をパクつかれた。藤さんの喉奥まで、一気に。

「じゅるじゅる。じゅるっ。チュプチュッ。」

「あっあっ。ぐはっ!?」

「ジュルルッ、ジュブッ、ヂューブッ、ヂュブッ!」

 絡みつく舌と咥内と唇が吸いついて蠢くのが同時にやってくる。繰り返すが藤さんの口の中で不思議現象が起こっているため見た目は普通に咥えられているだけである。

「絡みつくのがお好きなら舌を細くして、何本も増やして密着力を上げるのも可能です。一つ一つに吸盤を付けたりも。」

「戻れなくなるのが怖いからそれはいいです。」

 本当にやりかねない言葉に俺は辞退した。

「戻れなくてもいいじゃないですか。まだ人間との生活に……未練があるんですか?」

「もうちょっと俺のステータスが増してから……ぬおおっ!?」

「ジュルッ、ジュルジュルジュルッ!ジュブチュッ!ジュブブブッ!
 プチプチプチ。プチュルッ!」

 根本まで深く呑み込み、何かが吸いついては離れていく感触。

「ちょ、ちょっと!しないで大丈夫だってさっき!」

「論より証拠と言う事で。やってみれば良さが分かるかと。経験値を得てステータスを増やしましょう。」

 ステータスって通じたんだな。横文字というかゲーム文化が根付いたジャパニーズイングリッシュが通じる日本の妖精さん。

「う、ううっ。ああ、くっ。」

 ホノカちゃんのバキュームとはまた変わった、ネットリした絡みつきでやはり人間離れした快感を感じる。というか俺、着々と人間には戻れない身体にされていっている。

「一度しか頂けないから、次々に行きますよ。今度は。」

 今度はプチプチした柔らかい塊の粒に表面が擦られる。

「ふはっ……う、ぐううっ。」

 さっきまで吸いつかれていたからか、プチプチした無数の突起の摩擦に増して刺激を感じてしまう。

「ぐっ……くっ、ああっ、あぐっ。」

 とにかく絡みつくようで密着感があり、あちこちを擦られているため、性感帯を余すことなく探られているようだ。それだけじゃなくて。

「ジュルッ、ジュルジュルジュルジュルッ!ジュルジュルッ!ジュルッ!」

 たっぷりの粘膜で覆われ、吸う動きもあるから、摩擦が甘い快感になって吸う動きで吐精へと導かれていってしまう。

「あぐっ、ああっ。お、お、おぐっ。うううっ。」

 腰の中心へ集まっていく、むずがゆい心地よさ。鈴口の先がムズムズして、ホノカちゃんのバキュームとは違う快感を身体が覚えてしまう。

「出したいのなら、どうぞ私の口の中へ。ちゅうう……っ。チュルチュルチュルッ!」

 ホノカちゃんほどの強烈なバキュームはないものの。突起が絡みつくように密着して擦り、更には強い力で吸い上げられていく。

「はくっ、あ、ぐあああっ。」

 出したばかりでも耐えきれるはずもなく、アッサリと藤さんに放ってしまう。

 ドプッ……ビシュッ!

「ん……。」

 藤さんに吐精を吸われ。出している間も絡みつき、出し残りがなくなるまで扱かれていく。

「んんっ。ちゅる、ちゅるるっ。」

「うう……あっ。」

 袋まで揉まれて、本当に何もでなくなるまで俺は藤さんに吸われていた。

「ふう……ちゅるんっ。どうでしたか?」

「気持ちよかったけど……脱力感がものすごいです。」

「それだと、山さんに補給をお願いした方がよさそうですね。」

「補給?」

「もう一度、山の気を送り込んで貰って、一休み。」

「は、はあ……。」

「その後、皆で茂さんと。」

「まだやるんですか!?」

 確かにホノカちゃんとは何度でもしていた記憶もあるが。

「いえ。せっかくですからホノカと茂さんで交わって貰って。私と山さんはそのサポートで。」

「……。」

 軽くなれたと思っていいのだろうか。 
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