ポインセチアの咲く頃に

繰り返しと、チャレンジと

　ぐじゅううぅ……ぅ。

　ミズキの中は相変わらず収縮に富んでいた。濡れた状態だからかヌルヌルした蜜が挿入の度にあふれて粘ついた音を立てる。

「んあっ！」

　ミズキの最奥を突くとミズキが声を出した。

「はあ……っ。いいですね、正さんのおちんちん。」
「そ、そうなの？」

　入れただけなのにミズキに気に入られてしまい、ちょっと驚いた俺。

「ええ……ふふ。思うまま突いていいんですよ。私は妖精なんですから。」
「う、ううん……それに慣れちゃうと良くないと思うからやめとく。」
「ふふ……それなら正さん、私を感じさせてください。」
「う、うん。」

　ミズキは嬉しそうに俺を誘っている。毎回のことだが普段の真面目そうでポヤポヤした感じとのギャップが大きい。ぐぽっと奥まで入ってしまうと、戸を閉められたように先端が締まりに引っかかってしまうから奥で突き続けることになるけど。ミズキと体……というか恥骨を擦り合わせるように突いていく。

「んあっ、ああっ、あうっ！」

　ミズキは声を出し続けるままだ。クチュクチュと入り口を回して花弁と肉芽を擦っていくとそこからじんじんと充血して膨らんでいくようだった。

「ミズキ……はぷっ。」
「んあっ！」

　花弁をかき回しながら尖っていた乳房の頂に吸い付く。大きな乳房は吸いつきがいもあって、唇でぷにゅんぷにゅんと回し転がしたりもしていた。

「あっ、あっ、あうっ、きゃあんっ！」
「ちゅぱ、ちゅぱちゅぱちゅぱっ。」
「きゃうっ、あうっ、きゃふっ。ああ……っ。」

　ミズキが体をぶるぶると震わせ、痙攣していく。

「ミズキ……っ。」

　俺は小刻みにミズキの中を突いていった。

「きゃうっ、あっあっ。きゃうっ！」

　くちゅ、くちゅくちゅっ、にちゅにちゅっ、ちゅくちゅっ。

「あああ……っ、いっちゃう、いっちゃう、いっちゃううっ！」

　果てた後の連続的な刺激にミズキが絶頂を繰り返しているようだ。

「はあっああっ、あっ……くうううっ。ああっ！」

　そうしているうちにミズキの体から大きな波がざわめいてくるようだ。

「あああ……っ。」

　ミズキの体がカクンと力が抜け、全身が痙攣していく。

「うう……うううっ、うぐうっ。」

　びゅくんっ、びゅっびゅびゅっ！

　締まりにとうとう耐え切れず、放出してしまったが、残さず吸い取るように中がざわめいている。

「んう……っ。」

　ミズキは再び、狐のように目を細めて受け止めていた。

　・・・・・・。

「ん……お疲れさまでした、正さん。」
「うん。お疲れ、ミズキ。」

　行為が終わった後、二人でまた布団に入って横になっていた。

「今年もクリスマスが無事、終わったかー。」
「そうですね、正さん。」
「ポインセチアの育て方も調べて大体、把握したけど。
　まだ綺麗な赤と緑の分け方は分からないね。」

　こうしてミズキと行為をして、二人でベッドに入っていても依り代はポインセチアなのだから不思議である。

「今年もミズキは結構ミーハーだったんだね。」
「何の話です？」
「人間の世界に対して。」
「それ、褒めてます？」
「いやいや。愛嬌があっていいと思うよ。妖精さんって興味あったんだなって。」
「それもありますが、正さんのところが変わっていて興味を惹かれるのもあります。」
「例えばどんな？」
「ええと、街の真ん中に稲荷神社があったり商店街もあったり。」
「ふんふん。よそじゃ本当に畑と田んぼしかない、ど田舎だったりするもんね。」

　俺がまだ、この街を出ようと思わないのは商店街の人たちが街を活気づけようとしているからというのはある。

「そうだな……一旦、違う街を見てみるというのもいいかもしれないね。」
「どこかに行かれるんですか？　正さん。」
「例えだよ。他のところに言ったら気構えも変わるかなって。」
「正さん、その時は私は留守番を。」
「え？　せっかくだからミズキも行こうよ。知らない街とか見てみたくない？」
「ええと……私といては結局、同じなのでは。」
「そんなことないって。その時はミズキに鉢植えに入っていて貰うし。」
「……。」

　ミズキは何か思っていたようだが、そわそわしているのを隠しているだけなのかもしれない。

「お邪魔じゃないんでしょうか、私。」
「それは去年も話したでしょ、ミズキと。入っていてくれればいいって。」
「……。」

　ミズキは目を丸くしていた。

「あの、正さん。」
「うん、何？」
「私、ここを出て行くわけじゃありませんが。
　一旦、稲荷神社の方も様子を見に行ってみます。」
「ああ、確か大変なことになっていたんだっけ。」
「はい。もしここを離れることになったら挨拶もしておかないとですし。」
「一応、ここの神様だもんね。稲荷神社は。」
「ですです。」
「それじゃあ、梅園市（うめぞのし）にでも行ってみるかな。
　さすがに二日目じゃ、もうクリスマスは終わっちゃったかもしれないけど。
　正月か忘年会とかに何かあるかもしれないし。他にもあちこち、散策してみて。
　ついでに潮砂町で海でも見てくるかな。」
「……。」

　ミズキはぽかんとした表情になり。

「正さん、そこに私も連れて行ってもらえるんですか？」
「もちろん。ミズキさえよければいいよ。」
「そこまでとなると、電車にも乗れるんですか？」
「そうだね、なんならバスにも乗ろうか。周回で名所まで連れて行ってくれるの。」
「……。」

　ミズキは表情が固まってしまった。

「ミズキ？」
「はっ、すみません。あまりのことに気が動転して。」
「うん。ちょっとミズキを乗せようと思ったのはあった。」
「人（妖精）で遊ばないでください、正さん。」
「ごめんね。」

　というわけで、二年目のクリスマスも無事終わり、これからの俺たちの春もいつも通りなのか、いつも通りにしつつ違う事にもチャレンジしていくのか、ちょっとずつではあるが変わってきていたのだった。