ぼくらの同居生活(仮)

白石華

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俺と楓の同居生活

俺たちの旅行当日その2、旅館にて

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「……着いちゃったか。」
「うん。そうだね。お兄ちゃん。」

 旅館に着き、チェックアウトを済ませると。部屋には俺と楓の二人きりだが隣の部屋は常吉と京子さんがいるという、形容しがたい二人きりの雰囲気になっていた。

「聞こえたら言い訳できないから静かにしようか、楓。」
「うん。」
「今日は旅館の人が何でもしてくれるから二人きりで羽を伸ばそうね。」
「……ねえ、お兄ちゃん。」
「何だい?」

 持ち込んだ荷物と上着を整理して、楓と座って話そうとしたら楓に話し掛けられた。

「話の続きをしよう。」
「だから何の。」
「私はもう、お兄ちゃんを支えてあげられるって話。」
「え?」
「本気だったのにアッサリ流すなんてひどいよ。
 このままだったら二人してどうにかなっちゃうかもしれないから声を掛けたのに。」
「楓。それは――」
「うん。」

 どうやら楓はこの前から切り出していた話の続きを俺としたかったようだ。俺が答えようとしたら待っていてくれている。

(俺は、写真撮影が趣味だけど。)
(それで飯を食おうとは思っていなくて。)
(楓は楓の人生が送れるようになって欲しいとは思っている。)
(だけどこう、生活力と楓の普段の生活とどっちを遅らせるかと言うと。)
(楓が今、送っている時間とそこで過ごすことは。今しか経験できない事なんだ。)
(後でだって俺の手伝いをするようになってもいいと思っていたけど。)

 俺は俺で楓の保護者として、この子が送れる時間を自分優先で送って欲しいと思っていた。

「うん。楓。俺の話を聞いて。」
「いいけど。お兄ちゃんだけで決めないで。私の意志も入れてよ。
 それで傷ついているって言っているんじゃん。
 私の幸せって私が決めたらいけないの?
 二人で決めるならどうしてお兄ちゃんの意見しか聞いちゃいけないの?
 どうして二人が協力して、二人の時間を送れるようにしようって。
 私が提案したらいけないの?」
「か、楓。ちょっと……まだ楓は今、楓が送っている時間が。
 今が終わったらもう経験できない事だってまだ実感していないだけだよ。
 俺はそれをキチンと過ごしてから決めて欲しいって言っているんだ。」
「それは知ってる。でも私がしたいと思った事だってさせてよ。」
「楓。」

 俺はどうするのがいいんだろう。本来だったら保護者の両親に確認を取る事なんだろうけど。俺も話していいのか分からなくなっている。
 きっと、俺以上に、この子の人生について決められなくなるだろう。楓ぐらいの年齢の子が抱えている問題の解決の仕方はそういう家庭じゃないところもあるかもしれないが、楓の所はそういうものになっている。
 だったら、俺が決める事になるのだが。俺だって楓をここまで思い詰めさせているとは思わなかったし、今になって常吉の言葉が耳に響いて来る。
 あいつの言っていることは俺をからかって言うためじゃなかったのだ。あいつの場合、普段が普段なだけに、こういうことになっていると気づきにくいのか俺が認める気が無かったのか。

「うん。楓。」
「なあに、お兄ちゃん。」
「楓は、どうしたいと思っているの?」
「お兄ちゃん……。」
 
 俺は楓と話すことにした。俺も、楓の話を聞いていなかったと、ようやく気付けたのだった。

 ・・・・・・。

「お夕飯をお持ちしました。」
「ありがとうございます。」
「ありがとうございます。」

 旅館の中居さんが夕食も持って来てくれて、俺は思い出したように写真を撮る。
 今日の夕飯は蝋燭で煮るすき焼きと、刺身と、果物をくりぬいて器にして、器まで食べられる白和えと、ぬか漬けか。汁物もお吸い物があるな。
 見栄え良く撮れる様に、何枚か、角度やズームを変えて撮影していく。

「お兄ちゃんの趣味だもんね。」
「ああ。でも楓はなるべく撮らないように。」
「私に言わなかった理由がそれって言われないと分からないよ。」
「だよね。でも言ったら最後って思っていたんだよ。」
「くすくす。ねえ、お兄ちゃん。」
「何だい?」
「二人がしたいことをするように段々、変えていこうね。」
「そうだね。」

 楓との日々は、これでひとまず、一つの区切りを迎えそうだったが。

「ねえ、お兄ちゃん。」
「何?」
「この後は、二人でお風呂に入る?」
「えっ。」

 風呂は内風呂と露天風呂が用意されていて。

「内風呂の後、露天風呂もいいな。」
「うん、そうだね。」

 楓と二人で風呂に入るのは特に抵抗もなく、スンナリ入ってしまおうとすると。

「お兄ちゃんの身体、洗ってあげるね。」
「ありがとう、楓。」

 この時、俺は、まだ知らなかったのだ。楓が一体、何を企んでいるのかを……。

 ・・・・・・。

「あっ、あっ、ああっ! よ、汚しちゃう、汚しちゃううっ!」
「お兄ちゃん、出すときにすぐそうなっちゃうから。
 私がお兄ちゃんに違う事とかも言えるようにしてあげるね。」
「か、楓……一体何を。」

 内風呂に入ると、案の定、身体を洗って貰っている内に勃起した俺は楓に手淫をされてしまっていた。

「お兄ちゃん。おちんちんが生えていて、ごめんなさいって言って。」
「か、楓?」
「言うの。お兄ちゃんにおちんちんが生えているから汚しちゃうって思うんでしょ?
 それなら謝りなさい。お兄ちゃんの身体に、おちんちんが生えていることに。」

 楓が俺の肉棒を掴みながらドスの利いた言葉で威圧した。

「は、はいっ! おちんちんが生えていて、ごめんなさい!」
「妹におちんちん、しこしこされたら勃起してごめんなさいって次は言いなさい。
 返事ははいだけよ。」
「はいっ! おちんちん、しこしこされたら勃起してごめんなさい!」
「妹にが抜けてる。」
「妹に、おちんちん、しこしこされたら勃起してごめんなさい!」
「今度は精液を貯めて吐き出す生き物に生まれてきてごめんなさい。」
「精液を貯めて吐き出す生き物に生まれてきてごめんなさい!」
「これから精液を出しちゃうけど、それで妹を汚してごめんなさい。」
「これから……ああっ、精液を出しちゃうけど……っ。ぐううっ。」

 俺の感度がどんどん昂り、妹の手に出したいと切羽詰まるようになってくる。

「ほら……お兄ちゃん、本当は。
 妹に射精管理されながらしこしこされるのが好きなんでしょう?
 だからエッチの時に自分から出しちゃうと汚している気分になるんだ。
 変態のお兄ちゃん。
 お兄ちゃんのおちんちんをしこしこする時は、変態、変態って言いながら。
 しこしこしてあげるね。」
「か、楓、一体どうなった?」
「うん。私がお兄ちゃんの射精管理もしてあげる。ほら……変態のお兄ちゃんは。
 妹に手淫されて出したくなっちゃうんだよね?」
「あっ、あっ、あ……っ。精液を出して、汚しちゃってごめんなさいいっ!」

 俺が叫ぶと、それで決壊したように楓の手に放っていく。

 ずぐびゅっ! びゅずぐびゅっ! びゅぶっずびゅぶっ!

「ん……っ。」

 言葉とは裏腹に楓が優しい手つきで俺の肉棒の先端を包んでいくが。お互いの合意と性癖の一致じゃなかったら。一歩性別を間違えたらDVした後に優しくする人のようだった。

「ちゅぱ。ぺろっ。ふふ……濃いの、いっぱい出したね、お兄ちゃん……。」

 楓が俺の出したのを綺麗になるまで肉棒を舐めていた。

「あのさ、楓。」
「なあに、お兄ちゃん。」
「ひょっとして、怒っていた? 今までの事。」
「ううん。これはこれだよ。お兄ちゃんは妹に威圧されて本当はおちんちんを。
 勃起させちゃう人だったんでしょ?」
「楓だからかな。」
「……ちゅぱ、ちゅぱ。」

 楓は一瞬だけ、言葉をつぐんだようになり、慌てて肉棒を舐めるのに変えた。何だかんだでなり切れていないなと思っていた。
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