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俺と楓の同居生活
俺たちの旅行前日
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―それは常吉の部屋に俺がいつものように飲みに来ていた時の事―
「唐突だが、旅行を計画する!」
「何だよいきなり。」
「ああ。ツネ君のいつもの突発的な企画だから気にしないで。」
「京子さん。それは俺も聞いて思ったけど。」
京子さん……常吉の彼女で同棲相手だがたまに常吉が強固ってやじって怒られるパターンを持つ相手だな。変な名前だったらあんたの方がでしょ、とかよくやっている相手である。それは置いておいて。
「旅行ってどこに行くんだよ。」
「あるだろ、山とか海とか。」
「山とか海ねえ。」
「あと神社に寺だろ。行こうと思えば結構いけるぜ。」
「ふーん。」
「それでだな。撮影係をお前に任命する。」
「えっ。」
「費用とか現像代とかはデジカメでみんなでグループSNSで共有すればいいだろ?」
「お前……マメだな。」
この前の飲み会で俺が常吉にカミングアウトしたから計画立ててくれたのか。
「ふっ。遊ぶ事だったらな。京子にもバラしたけど京子ならいいだろ。」
「うん。いいけどさ。タガが外れたら洒落にならないから楓には言うなよ。」
「おうまかしとけ。」
俺だって写真ぐらい撮りたいが。洒落にならない人になりたくなくて周りに言わないのである。俺は洒落にならない人になる方だから言わないように我慢しているのである。特に楓にはな。それはこの間、常吉にも言ったのだが。
「それで、どこに行くんだよ。」
「うーん、そうだな。寺でいいんじゃね?」
「寺か……近くにあったかな。」
「あるだろ。海に山に、階段登ったところに寺が。」
「あそこか。」
俺たちが住んでいるところで、海があって山もあって神社仏閣もでかいのがあるところと言ったら、大体絞られるが。俺たちの住んでいるところで近場だと隣の隣町になるだろう。
「だからさ、楓ちゃんにも言っとけよ。」
「ああ。多分反対はしないと思うけど。」
と言う訳で部屋に戻って楓にも聞いてみると。
「うん。みんなで旅行でしょ、いいよ。」
「いいんだ。」
アッサリ了解を貰えた。
「でも部屋割りはどうするの?」
「二部屋借りて、好きに集まるでいい気がするけど、楓は?」
「それが聞きたかったんだけど。それでいいならいいよ。」
「同棲しているし、隣の部屋に友人がいるとねー。」
「うん。ウチでしているのとあんまり変わらないかなって。」
「楓は京子さんとだって仲良かったし、それでもいいかな。」
京子さんは一人っ子だが俺や常吉と同年齢で、大学時代からの付き合いだった。ワイワイやっている内に楓も仲良くなって、大学卒業と同時に常吉の部屋に転がり込んで、といった関係である。
「いいよ。常吉さんの邪魔はしないし。」
「俺もそこは気を付けようって思っているけど。」
「その時は……お兄ちゃん。」
「うん。そうだね。」
俺は万が一にもカメラの趣味を楓に知られないようにして。旅行の準備をしていくのだった。
「唐突だが、旅行を計画する!」
「何だよいきなり。」
「ああ。ツネ君のいつもの突発的な企画だから気にしないで。」
「京子さん。それは俺も聞いて思ったけど。」
京子さん……常吉の彼女で同棲相手だがたまに常吉が強固ってやじって怒られるパターンを持つ相手だな。変な名前だったらあんたの方がでしょ、とかよくやっている相手である。それは置いておいて。
「旅行ってどこに行くんだよ。」
「あるだろ、山とか海とか。」
「山とか海ねえ。」
「あと神社に寺だろ。行こうと思えば結構いけるぜ。」
「ふーん。」
「それでだな。撮影係をお前に任命する。」
「えっ。」
「費用とか現像代とかはデジカメでみんなでグループSNSで共有すればいいだろ?」
「お前……マメだな。」
この前の飲み会で俺が常吉にカミングアウトしたから計画立ててくれたのか。
「ふっ。遊ぶ事だったらな。京子にもバラしたけど京子ならいいだろ。」
「うん。いいけどさ。タガが外れたら洒落にならないから楓には言うなよ。」
「おうまかしとけ。」
俺だって写真ぐらい撮りたいが。洒落にならない人になりたくなくて周りに言わないのである。俺は洒落にならない人になる方だから言わないように我慢しているのである。特に楓にはな。それはこの間、常吉にも言ったのだが。
「それで、どこに行くんだよ。」
「うーん、そうだな。寺でいいんじゃね?」
「寺か……近くにあったかな。」
「あるだろ。海に山に、階段登ったところに寺が。」
「あそこか。」
俺たちが住んでいるところで、海があって山もあって神社仏閣もでかいのがあるところと言ったら、大体絞られるが。俺たちの住んでいるところで近場だと隣の隣町になるだろう。
「だからさ、楓ちゃんにも言っとけよ。」
「ああ。多分反対はしないと思うけど。」
と言う訳で部屋に戻って楓にも聞いてみると。
「うん。みんなで旅行でしょ、いいよ。」
「いいんだ。」
アッサリ了解を貰えた。
「でも部屋割りはどうするの?」
「二部屋借りて、好きに集まるでいい気がするけど、楓は?」
「それが聞きたかったんだけど。それでいいならいいよ。」
「同棲しているし、隣の部屋に友人がいるとねー。」
「うん。ウチでしているのとあんまり変わらないかなって。」
「楓は京子さんとだって仲良かったし、それでもいいかな。」
京子さんは一人っ子だが俺や常吉と同年齢で、大学時代からの付き合いだった。ワイワイやっている内に楓も仲良くなって、大学卒業と同時に常吉の部屋に転がり込んで、といった関係である。
「いいよ。常吉さんの邪魔はしないし。」
「俺もそこは気を付けようって思っているけど。」
「その時は……お兄ちゃん。」
「うん。そうだね。」
俺は万が一にもカメラの趣味を楓に知られないようにして。旅行の準備をしていくのだった。
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