狐の嫁入り

白石華

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狐のお屋敷

うまいものを食べた後は

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「ふう……と言う訳でまたうまいものを探して食べたり買ってきたりしたわけだが。」
「この季節だとイチゴのお菓子がいっぱいあったぞ、正宗。」
「お菓子もうまいが食べるものも牛串を始めとして豚と焼き鳥と盛大に買ってしまった。」
「お店も酒屋ですしお酒で頂きますか?」
「ああ。俺たちは店番係だから他の麹を貰ってきても問題ないし、飲み食いでもするか。」

 と言う訳でうまいものを食べて来て夕飯の買い物もしてきた俺たちは飲み会を開くことにした。

「まあ、何のかんので豊さんとの勝負にも買ってしまったが……続きはあるのだろうか。」
「分かりませんが、あと二回、何があるんでしょうか。」
「俺としてはこの前のような力を発揮するのは御免被るから修行はするが。
 まだ戦うのだろうか。」
「また戦うかどうかは聞けばいいだろう。」
「そうだな。とは言え、決着をつける必要はもうない気もするが。」
「戦わせた理由が……正宗さんの力を見るためだとしたら、もう見てしまいましたし。
 豊さんも能力が増えましたしで、後継者を見るというのは建前で。
 もう目的は果たされているような気もしますが。」
「これからはその監視と鍛錬、と言ったところか。勝負もないと張り合いが出ないのだろう。」
「しかし、監視と鍛錬だけのためにそこまでするのだろうか。」

 俺と山桜桃さんの会話に胡桃が疑問を挟む。

「悪い神の調伏はほとんど済ませてしまったと言っているし。
 ここに封印している神は調伏出来ないから封印している訳だし。」
「ああ。もしもの話なんだが。正宗は早い内に見つけられただろう。」
「手遅れだった人間の調伏、もしくは憑き物退治と言う可能性もあるのか。」
「その可能性もありそうですね。もしくは付喪神でそうなった者の除霊もありそうです。」
「うーむ。それは隠す必要もないだろうし、爺さんに聞いた方がいいな。」
「そうですねえ。」
「だな。」

 俺たちは串焼きをつまみながら酒を飲んで話をしていた。

「とりあえず、俺たちのすることは大体終わったし、あとは宴会の時間に切り替えようか。
 どうしても難しい話に入ってしまう。」
「そうだな、正宗。正宗は今後も修行、していくのだろう?」
「ああ。今の所、無事なんだし。修行をすれば浄化もされるんだろう、多分。」
「それじゃあ、かんぱいだ、正宗。勝利もおめでとうだ。」
「私からもおめでとうございます。」
「ありがとう。みんなで取った勝利だ。かんぱい。」

 ようやく俺たちは勝利を実感する、休息を得られる事となった……。

 ・・・・・・。

「ふふふ、正宗~。」

 急に胡桃が俺の膝に乗ってゴロゴロし始める。

「なんだ。酒に酔うと胡桃は甘えん坊になるのか。」
「ははは。モフっていいぞ。」
「うむ。言葉に甘えよう。」

 俺はたっぷり胡桃をモフる事にした。

「ぐるぐるぐる。」
「ネコみたいだな、胡桃は。」
「うむ。今日は……正宗にこうしたい気分だ。」
「なるほど。モフっていいか?」
「いいぞ。」

 また俺は胡桃をたっぷりモフった。

「正宗~。」
「ははは。もしかして。」

 まだ俺の膝にスリスリしてくる胡桃を見て。胡桃は酔うとこうなるのだろうかと思った。

「発情期が来たようだ。」
「発情期か。この時期にしてしまうと子供が作られやすくなるのか?」
「平たく言うとそうだ。」
「なんと。俺は作っていいのか?」
「いいぞ。コンちゃんの子供だ。」
「おお……。」

 どういう子供が生まれてくるのかは分からないが、コンちゃんの子供となると、それはとても可愛いし、俺の子になるのか。

「可愛がってやらないとな。」
「ああ。するか? 正宗。」
「そうだな、するか。」

 俺は特に何の疑問も感じず、胡桃と子作りをする事にした。
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