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狐のお屋敷
本日も夜のおつとめ
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「正宗さん、今後はどうされます?」
「うむ、ひとまず稽古は続けていくが、例え俺たちが勝ったとしても。
目的を持って行動する集団のリーダーいうのは。
そういう事に慣れていて、周りにも顔が利くのが。
最終的には周りとの調和も図れると思うのだが。
俺なんて能力はあったとしても長所はそれだけで扱いに手がかかる鼻つまみ者だろう。」
「そうですね……正宗さんは私たちと霊威を介して力の影響を受けている方ですが。
それだけを理由にリーダーとして抜擢するのはいささか強引だと思います。」
「ああ。しかしそれは雷蔵爺さんだってリーダーなんだから重々、承知だろう。
知っててそういうことをするというのは、そうする理由があると思う。
そして今は豊さんしか知らないが。
それを不満に思うものがいるのを知ってて話を進めていて言わないというのは。」
「言えない事情か、まだ何か隠しているという事ですね……。」
自分の部屋に戻って山桜桃さんと胡桃と会話をしていたのだが、大体の推論としてはこうだった。爺さんのことだからなんか隠しているけど言わないというのは確証はないがあり得る話だ。
「正宗、母さん。話は大体、そんなところか?」
「そうだな胡桃。」
「うむ。私としては強いものが集団の長になるというのはそういうものだと思ってしまう。」
「ああ。そうかもしれないが、まつろわぬ神というのはそんなに強いのか?」
「邪神の封印でしたら最も強い相手がイザナミ神で日本の神産み神の片割れですね。」
「なるほど強いな。倒す気にもならない。黄泉の国の住民で手出しも不可か。」
「ええ。ですから胡桃の言う通り、力のある者を優遇するという行為かもしれませんが。」
「今回の説明だけだとこっちで推論ばかり飛びかってしまうということか。」
「そういうことですね。という訳で、この話はこれより進まないと思いますが。」
「とりあえずかいつまんでいくと。俺を神社に呼んで後継者候補にしたのは。
爺さんが他に何か理由を隠しているのかもしれないのか。
言った通り本当に強いものがリーダーになるというしきたりなのか。
のどっちかか、他に何かあるのかだな。」
「どちらにしろ、続ける他ないということです。」
「面倒なことになってしまったが霊威を持つ者と結婚するのだから致し方ない。」
「神社が……そういう決まりならば。」
「山桜桃さんと胡桃もいいのか、それで?」
「いいも悪いも、神社がそういう管理をされているならば。
私たちは天津神に協力する側ですから。」
「そう言えばそうだったな。従わないならまつろわぬ側になってしまうという事か。」
「不本意ではないとは言いませんが。従わない訳にはいかないでしょう。」
「うむ。その代わり、山桜桃さんも信仰対象が増えれば霊威も強くなるのではないか?」
「それもありますね。山に籠っていた時は霊威はあっても野生の狐でしたから。」
「母さんの力が増して、私もそれを受け継ぐという利点もあるのか。」
「神社の陰陽師として霊威を発揮するのも、そこまで悪い話ではありませんからね。」
「俺が後継者として抜擢されたのも、そうする理由が向こうにはあるのだろうからな。」
「まあ、信仰対象が増えれば霊威が増す土着の神が付いていれば。霊威を見せて。
リーダーにすればもっと強くなるというシンプルな理由かもしれませんね。」
「それだけを思えば山桜桃さんと胡桃にはそんなに悪い話でもないという事か。」
問題は俺にまつろわぬ神の管理と調伏をさせることだが、それは最悪、最初は山桜桃さんと胡桃に何とかして貰えばいいという事か。
「はい。ですから。」
「うむ。」
山桜桃さんがポンと手を叩く。
「今日もお勤め、よろしくお願いしますね。」
「あ、う、うむ……。」
山桜桃さんが色気のある声に変わり。行為の時間になったのだった。
「うむ、ひとまず稽古は続けていくが、例え俺たちが勝ったとしても。
目的を持って行動する集団のリーダーいうのは。
そういう事に慣れていて、周りにも顔が利くのが。
最終的には周りとの調和も図れると思うのだが。
俺なんて能力はあったとしても長所はそれだけで扱いに手がかかる鼻つまみ者だろう。」
「そうですね……正宗さんは私たちと霊威を介して力の影響を受けている方ですが。
それだけを理由にリーダーとして抜擢するのはいささか強引だと思います。」
「ああ。しかしそれは雷蔵爺さんだってリーダーなんだから重々、承知だろう。
知っててそういうことをするというのは、そうする理由があると思う。
そして今は豊さんしか知らないが。
それを不満に思うものがいるのを知ってて話を進めていて言わないというのは。」
「言えない事情か、まだ何か隠しているという事ですね……。」
自分の部屋に戻って山桜桃さんと胡桃と会話をしていたのだが、大体の推論としてはこうだった。爺さんのことだからなんか隠しているけど言わないというのは確証はないがあり得る話だ。
「正宗、母さん。話は大体、そんなところか?」
「そうだな胡桃。」
「うむ。私としては強いものが集団の長になるというのはそういうものだと思ってしまう。」
「ああ。そうかもしれないが、まつろわぬ神というのはそんなに強いのか?」
「邪神の封印でしたら最も強い相手がイザナミ神で日本の神産み神の片割れですね。」
「なるほど強いな。倒す気にもならない。黄泉の国の住民で手出しも不可か。」
「ええ。ですから胡桃の言う通り、力のある者を優遇するという行為かもしれませんが。」
「今回の説明だけだとこっちで推論ばかり飛びかってしまうということか。」
「そういうことですね。という訳で、この話はこれより進まないと思いますが。」
「とりあえずかいつまんでいくと。俺を神社に呼んで後継者候補にしたのは。
爺さんが他に何か理由を隠しているのかもしれないのか。
言った通り本当に強いものがリーダーになるというしきたりなのか。
のどっちかか、他に何かあるのかだな。」
「どちらにしろ、続ける他ないということです。」
「面倒なことになってしまったが霊威を持つ者と結婚するのだから致し方ない。」
「神社が……そういう決まりならば。」
「山桜桃さんと胡桃もいいのか、それで?」
「いいも悪いも、神社がそういう管理をされているならば。
私たちは天津神に協力する側ですから。」
「そう言えばそうだったな。従わないならまつろわぬ側になってしまうという事か。」
「不本意ではないとは言いませんが。従わない訳にはいかないでしょう。」
「うむ。その代わり、山桜桃さんも信仰対象が増えれば霊威も強くなるのではないか?」
「それもありますね。山に籠っていた時は霊威はあっても野生の狐でしたから。」
「母さんの力が増して、私もそれを受け継ぐという利点もあるのか。」
「神社の陰陽師として霊威を発揮するのも、そこまで悪い話ではありませんからね。」
「俺が後継者として抜擢されたのも、そうする理由が向こうにはあるのだろうからな。」
「まあ、信仰対象が増えれば霊威が増す土着の神が付いていれば。霊威を見せて。
リーダーにすればもっと強くなるというシンプルな理由かもしれませんね。」
「それだけを思えば山桜桃さんと胡桃にはそんなに悪い話でもないという事か。」
問題は俺にまつろわぬ神の管理と調伏をさせることだが、それは最悪、最初は山桜桃さんと胡桃に何とかして貰えばいいという事か。
「はい。ですから。」
「うむ。」
山桜桃さんがポンと手を叩く。
「今日もお勤め、よろしくお願いしますね。」
「あ、う、うむ……。」
山桜桃さんが色気のある声に変わり。行為の時間になったのだった。
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