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目撃
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家に入る途中、私はぎょっとした。女と男が、ブロック塀に囲まれた、細い庭に座り込んでいたのだ。注意しようかと思ったのだが、何をしているのか興味を持ってしまった。とりあえずいつものように家の中に入り、その男と女の見える窓の隙間から覗き見た。
女の肌は小麦色をして、顔が小さい。それなのに体がでかいものだからひょうたんのような体型だ。男はというと、顔も体も細い。しかし、バランスよく筋肉がついていて男前だ。
ひょうたん女と男前は何か話し合うと、男前が一人でどこかへ行ってしまった。ひょうたん女はそのまま居座っている。
時々人目を気にして、辺りを見回している。何をしでかすつもりなのだろうか?
男前がビニール袋を提げて戻ってきた。ビニール袋の中から小さいビンとコピー用紙、サラダ油を出し、ビンの中に油を注ぎ始めた。
これは……火炎ビンを作っているのだろうか。何てことをやっているのだ。止めなければ。
窓を開けようとした瞬間、火炎ビンが窓を突き破ってきた。私は本能的に違う部屋へ逃げ込む。爆発する音が聞こえる中で、私は冷静にタンスから貯金通帳、宝石を取り出して外に逃げた。公衆電話を見つけて、警察に連絡する。
「男と女が家に爆発物を投げました。すぐに来てください!」
その日、男前もひょうたん女も捕まった。テレビのニュースによると、恨みを持っての犯行だった。
あのときに盗んで来た宝石を手に思う。
火炎ビンを放り込む前に止めていたら、私が捕まっていたかもしれない。
さて、次はどの家を狙おうか。
女の肌は小麦色をして、顔が小さい。それなのに体がでかいものだからひょうたんのような体型だ。男はというと、顔も体も細い。しかし、バランスよく筋肉がついていて男前だ。
ひょうたん女と男前は何か話し合うと、男前が一人でどこかへ行ってしまった。ひょうたん女はそのまま居座っている。
時々人目を気にして、辺りを見回している。何をしでかすつもりなのだろうか?
男前がビニール袋を提げて戻ってきた。ビニール袋の中から小さいビンとコピー用紙、サラダ油を出し、ビンの中に油を注ぎ始めた。
これは……火炎ビンを作っているのだろうか。何てことをやっているのだ。止めなければ。
窓を開けようとした瞬間、火炎ビンが窓を突き破ってきた。私は本能的に違う部屋へ逃げ込む。爆発する音が聞こえる中で、私は冷静にタンスから貯金通帳、宝石を取り出して外に逃げた。公衆電話を見つけて、警察に連絡する。
「男と女が家に爆発物を投げました。すぐに来てください!」
その日、男前もひょうたん女も捕まった。テレビのニュースによると、恨みを持っての犯行だった。
あのときに盗んで来た宝石を手に思う。
火炎ビンを放り込む前に止めていたら、私が捕まっていたかもしれない。
さて、次はどの家を狙おうか。
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