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「どちらに行かれますか?今バラが咲き乱れて綺麗ですし、噴水もいいですね。」
侍女のアンが行き先を確認する。
「えっと、騎士団や軍の訓練などを見たいわ。私を守ってくれている者たちを見ておきたいの。」
ミルアージュは花などに全く興味はなかった。
どちらか言えば、食べられない物の何が良いのかもよくわからない。
綺麗な物を愛でるという感覚はミルアージュにはないのだ。
「えっ…それは危険ではないでしょうか。」
アンも護衛騎士も戸惑っている。
皆、元々王女であり、現王太子妃が軍の訓練を見たいなどいうとは思っていなかった。
ミルアージュとしてはせっかく外に出たのだ、興味のあるものを見に行きたい。
「大丈夫よ。遠くから見ているから。」
アンは怪我の心配をしているだけだが、護衛騎士たちは違う。
ミルアージュを軍の訓練に連れて行って良いものか判断がつかなかった。
王太子妃といえど、他国の元王女であるミルアージュに見せたくない軍事秘密もあるかもしれない。
下手に軍の訓練に連れて行って後から大目玉を食らうのは嫌だと思っていた。
ミルアージュだってそんな事はわかっているし、見せてくれる所だけでも良いと思っている。
また、クリストファーのところに確認が入る。
外に出たいと言ってから何度も確認が入る所をみるとかなりの要注意人物のようだと他人事のようにミルアージュはため息をつく。
クリストファーの返事は第三部隊の見学許可だった。
「どうして平民が多い第三部隊に?」
護衛騎士たちは首をひねる。
見られても問題がないと判断されたのか、ほかに理由があるのかわからないが、許可がおりたのだ。
堂々と見学ができる。
第三部隊だろうと軍の訓練を見ることができる事が嬉しくてミルアージュはウキウキしながら歩いていく。
キン、キンと剣を交える音がする。
ドレスやダンスよりミルアージュは剣の方が好きだった。
アンロックでは毎日のように剣を振るっていた。
懐かしいその響きにミルアージュは目を閉じる。
クリストファーからの許可も得ている。
邪魔にならない程度に近づいた。
平民が多いと言っていた。
荒削りな剣の使い方をしている。
それでも王城で仕える兵士達だ。
きちんと訓練を積めば十分に国を守る力を秘めている、そう思うとミルアージュはドキドキしていた。
この中で私も訓練したいわ。
部屋に閉じこもっていたミルアージュの願望はダダ漏れいる。
その中でも目を惹く若者がいた。
赤髪と強い意志を持つ黒色の瞳が印象的だ。
彼の振るう剣には隙がない。
「ねぇ、あの赤髪の若者の名は何というの?」
護衛騎士の一人に声をかける。
「あの者は‥アルトでございます。」
言っていいものか少し戸惑いながら答える。
クリストファーの妃であるミルアージュがウットリとした様子で他の者に興味を示すのは良くない兆候だと思ったから。
その場にいた者達は皆、ミルアージュの様子を見て…クリストファー様が忙しすぎてほっとかれたのが寂しくて他の者に目が向かったのではないかと勘ぐった。
ミルアージュはアルトに興味を持ったが、恋愛の意図などは全くない。
たまたま剣の腕が良い者が美男子だというだけだ。
そもそも美とかそんなものには全く興味も関心もないミルアージュだが、他の者達にはそんな事はわからない。
「そう、ありがとう。」
覚えた、アルトね。
いつか、彼と戦ってみたいわね。
ウットリとアルトをみるミルアージュの様子に護衛達はさらに焦る。
王太子にこんな事がバレれば…下手したら自分達も巻き込まれて首が飛ぶと。
ミルアージュの剣の腕は知るものこそ少ないが、相当なものだった。
元々お茶やダンスを楽しむタイプの王女ではない。
最近は剣も握っていない。
それもストレスになっている事をミルアージュ自身も自覚している。
クリスにお願いしてみようかしら。
あのアルトと勝負をしてみたいと。
クリストファーも強いが、ミルアージュ相手だと怪我をさせたくなくてすぐに手を抜くため、勝負にならない。
外に出た事でミルアージュは目覚めてしまった。
アルトに勝負を挑む前に剣を振る感覚を取り戻さないと。
ミルアージュは目標を定める。
ミルアージュは元々、大人しくできる王女ではない。
王太子妃となってもミルアージュは変わらない。
これからミルアージュは周囲を巻き込んでルーマン王国を変えていくのはまだ誰も知らない。
侍女のアンが行き先を確認する。
「えっと、騎士団や軍の訓練などを見たいわ。私を守ってくれている者たちを見ておきたいの。」
ミルアージュは花などに全く興味はなかった。
どちらか言えば、食べられない物の何が良いのかもよくわからない。
綺麗な物を愛でるという感覚はミルアージュにはないのだ。
「えっ…それは危険ではないでしょうか。」
アンも護衛騎士も戸惑っている。
皆、元々王女であり、現王太子妃が軍の訓練を見たいなどいうとは思っていなかった。
ミルアージュとしてはせっかく外に出たのだ、興味のあるものを見に行きたい。
「大丈夫よ。遠くから見ているから。」
アンは怪我の心配をしているだけだが、護衛騎士たちは違う。
ミルアージュを軍の訓練に連れて行って良いものか判断がつかなかった。
王太子妃といえど、他国の元王女であるミルアージュに見せたくない軍事秘密もあるかもしれない。
下手に軍の訓練に連れて行って後から大目玉を食らうのは嫌だと思っていた。
ミルアージュだってそんな事はわかっているし、見せてくれる所だけでも良いと思っている。
また、クリストファーのところに確認が入る。
外に出たいと言ってから何度も確認が入る所をみるとかなりの要注意人物のようだと他人事のようにミルアージュはため息をつく。
クリストファーの返事は第三部隊の見学許可だった。
「どうして平民が多い第三部隊に?」
護衛騎士たちは首をひねる。
見られても問題がないと判断されたのか、ほかに理由があるのかわからないが、許可がおりたのだ。
堂々と見学ができる。
第三部隊だろうと軍の訓練を見ることができる事が嬉しくてミルアージュはウキウキしながら歩いていく。
キン、キンと剣を交える音がする。
ドレスやダンスよりミルアージュは剣の方が好きだった。
アンロックでは毎日のように剣を振るっていた。
懐かしいその響きにミルアージュは目を閉じる。
クリストファーからの許可も得ている。
邪魔にならない程度に近づいた。
平民が多いと言っていた。
荒削りな剣の使い方をしている。
それでも王城で仕える兵士達だ。
きちんと訓練を積めば十分に国を守る力を秘めている、そう思うとミルアージュはドキドキしていた。
この中で私も訓練したいわ。
部屋に閉じこもっていたミルアージュの願望はダダ漏れいる。
その中でも目を惹く若者がいた。
赤髪と強い意志を持つ黒色の瞳が印象的だ。
彼の振るう剣には隙がない。
「ねぇ、あの赤髪の若者の名は何というの?」
護衛騎士の一人に声をかける。
「あの者は‥アルトでございます。」
言っていいものか少し戸惑いながら答える。
クリストファーの妃であるミルアージュがウットリとした様子で他の者に興味を示すのは良くない兆候だと思ったから。
その場にいた者達は皆、ミルアージュの様子を見て…クリストファー様が忙しすぎてほっとかれたのが寂しくて他の者に目が向かったのではないかと勘ぐった。
ミルアージュはアルトに興味を持ったが、恋愛の意図などは全くない。
たまたま剣の腕が良い者が美男子だというだけだ。
そもそも美とかそんなものには全く興味も関心もないミルアージュだが、他の者達にはそんな事はわからない。
「そう、ありがとう。」
覚えた、アルトね。
いつか、彼と戦ってみたいわね。
ウットリとアルトをみるミルアージュの様子に護衛達はさらに焦る。
王太子にこんな事がバレれば…下手したら自分達も巻き込まれて首が飛ぶと。
ミルアージュの剣の腕は知るものこそ少ないが、相当なものだった。
元々お茶やダンスを楽しむタイプの王女ではない。
最近は剣も握っていない。
それもストレスになっている事をミルアージュ自身も自覚している。
クリスにお願いしてみようかしら。
あのアルトと勝負をしてみたいと。
クリストファーも強いが、ミルアージュ相手だと怪我をさせたくなくてすぐに手を抜くため、勝負にならない。
外に出た事でミルアージュは目覚めてしまった。
アルトに勝負を挑む前に剣を振る感覚を取り戻さないと。
ミルアージュは目標を定める。
ミルアージュは元々、大人しくできる王女ではない。
王太子妃となってもミルアージュは変わらない。
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