66 / 87
第3章
希望の神の役割
しおりを挟む
「神様、ノルアの信頼をまず得ましょう。お互いに信頼関係がなければどうにもできません。」
リーナは神様と緊急会議を開く。
お父さんと仲が良かったマークバルダ様も呼んである。
「信頼関係‥どうすればできるのだ?」
神様は真剣に聞いている。
「えっと、話をしたり、一緒にご飯を食べたり一緒の時間を過ごしたりして心を開いてもらえたら‥いいなと。」
リーナも神様とノルアの関係性があまり良くないのはわかった。まずは仲良くならないといけない。
マークバルダ様はため息をつく。
「リーナ様、ヴォルティス様は神々とも必要がなければ自分から話しかけた事もない。今のノルアの状況でヴォルティス様から働きかけるのは無理だろう。」
「必要がなければ話しかける事がない?ではいつもどうやって過ごしていたのですか?」
一番古い神なら永い時間生きてきたはずなのに‥神々とも関わって来なかった?
「穢れで常に体調も悪かったしな、命の泉に浮かんでいたな。」
神様は当たり前のように答える。
「つまり、独りでずっと過ごしてきたと‥」
マークバルダ様を見た。
「ここ2年の方が数千年の会話量より多いと思うぞ?数年一言もしゃべらない事もあったな。私もこんなに話しているヴォルティス様を初めて見た。」
神様、今でも無口な方ですよね?
これでも数千年の間よりしゃべってるって。
もう声の出し方すら忘れそうですね、それ‥
「会話ってそもそも必要なのか?なくても困らないぞ。」
うん、神様ならそうかもしれないけど‥ノルアは違う。
今助けを求めているのだから、応えてあげないといけない。
「神様、マークバルダ様!ノルアと一緒に村や町を回りましょう。実際の人の様子を見たらもっと身近に考えられると思います。」
もう信頼関係を飛ばして希望の神の役割を一緒に考えていった方が良いと思った。
「で、こういうメンバーになりました!」
私と神様、お父さんの親友のマークバルダ様、人の情報に関してはルーマ様が詳しい。
ノルアは見るからに嫌そうな顔をしている。
「お前な、俺はお前に聞いただろう?何でこいつらが来るんだ?」
ノルアはため息をつく。
「何、こいつ。うまれたばかりの神のくせに‥」
ルーマ様がそこまでいうとマークバルダ様に止められた。
そのルーマ様の一言でノルアの表情が険しくなる。
「ノルア、確かにうまれたばっかりが悪いわけじゃない。でもノルアの態度にも問題がある。神様達はノルアよりずっと昔から生きているノルアの先輩達なんだよ。ちゃんと敬わないといけないの。敬語を使って。」
「何で俺が!」
ノルアは納得できないのだろう。リーナを睨みつけて怒鳴る。
「ノルアを助けてくれる神様達だから。ノルアはまだ独りでは生きていけないんだよ。誰かの助けが今はいる。きちんと挨拶をして。」
ノルアだってわかっている。独りで希望の神になる事などできないと‥
悔しそうにうつむいたまま、小さな声が出る。
「おはようございます‥」
ノルアは強がっているだけで根は真面目なんだろう。
「やればできるね!」
リーナはノルアの頭をグリグリ撫でた。
リーナの手を両手で握ったノルアは顔を真っ赤にしていた。
「やめろ、恥ずかしい!こんな事されたので初めてだ!」
「なら、抱きしめる方が良い?」
いい子ってギュッと抱きしめるのもありだ。そうするとネマはエヘヘと嬉しそうに笑っていた。
「はぁ?いや、それも無理だって。」
ノルアが慌てまくる様子が可愛かった。
その様子をヴォルティスは静かに見ている。
「ヴォルティス様、我慢です。相手は子どもです、警戒対象ではありません。」
「‥そんな事はわかっている。私もリーナにああいう事をされたいと思っただけだ。」
ヴォルティスはボソリという。
リーナ様に撫でられたいのか?
ヴォルティス様が頭を撫でられている姿を想像できない‥とマークバルダは思った。
「じゃあ、行こうか。」
神様が歩き出す。
「ルーマ、じゃあ打ち合わせ通りに頼む。」
神様はルーマに声をかけた。
そう前もって見せたい場所をピックアップしていたのだ。
「はい、承知しました!」
最初は活気のある街の市場、人々が希望に溢れていて活き活きと生活していた。
こういう場は穢れをうみにくい。
ノルアも人の世界が初めてであり、キョロキョロしながら楽しそうに見ていた。
次はある王国に向かった。王家の散財がひどく人々は持っていかれる税に疲れ果てていた。
耐えきれなくなり、クーデターを起こし王城に向かっている。
王達の贅沢ぶりもルーマ様の映像で見えている。
「どちらが悪いと思う?王に逆らう民?国民をかえりみない王?」
神様は静かに聞く。
その次に行ったのは日照りで作物が枯れ人々が倒れている村。
今日食べる物もない、後は死んでいくしかない状態だ。
誰の目も絶望の色をしていた。
「こんな事が‥」
ノルアは初めて人々の様子をみてショックを受けていた。
希望の神としての力を発揮できていないから世界に絶望が増えているらしい。
それによる死者や穢れの増加など問題となっている。
神々がいう神の役割と生態系の変化はそれが絡んでいるのだろう。
「絶望している人々に希望を与え導く。それは希望の神にしかできない大切な役割だ。」
神様はノルアに言う。
リーナだって目の前の光景が辛い。自分にできる事があればしたいと思う。
だけど、浄化しかできないリーナには穢れがうまれた後の対処しかできない。
希望の神はそうなる前に人々を救う。
「キースは言っていた。全ての者に希望を与える事などできないとな。」
マークバルダ様がお父さんの言葉を伝えてくれている。
「お前は選ばなければならない。誰に希望を与えるのかを。それにより他の誰かは不幸になる可能性がある。どうしたい?それを考えるのが希望の神の役割だ。」
ノルアは黙って真っ直ぐにマークバルダ様を見つめている。
「俺は‥」
ノルアは言葉が出てこない。
「正解なんてない。お前が人々の希望なんだから、お前が決めればいい。ヴォルティス様はお前にルーマをしばらく付けてくれるそうだ。もっと学べ、調べろ、誰の希望を叶えるのがお前の役割なのか考えろ。」
マークバルダ様の言葉は幼いノルアにはきついように聞こえるが、ノルアが神としてのやっていく為に必要な事なのだろう。
「キースもいつも悩んでいた。自分の出した結論が本当に正しかったのかと。そして、間違いに気づいた時の落ち込みもすごかった。」
マークバルダ様は昔の親友について昔を思い返しているように語る。
「だが、人々にはそんな顔を見せない。いつでも笑顔で任せておけと言っていた。キースは皆の希望の神なのだから、人々を明るく照らさなければならなかったんだ。」
「キースは強いのだな。」
ノルアはボソリと呟くように言う。
「お前も強いだろう。不安の中、誰かに助けを求めず、神になろうとする。わからない事だらけなのだろう?」
マークバルダ様はノルアを決して否定しない。優しく諭している。
「わからなければ皆に聞け。希望の神の役割は代われないが、一緒に考える事はできる。」
マークバルダ様は優しくノルアに言う。
「マークバルダ様はお父さんみたいですね。」
その様子を見ながら目に涙が浮かぶ。
「マークバルダがお父さんなのか?」
神様は驚きながら聞いてきた。
「そうですよ。厳しい事を言っているけど、ノルアの事を思って言っていますよね。ちゃんとフォローもしている。完璧なお父さんです。」
マークバルダ様を連れてきて正解だった。
「そんな‥リーナと私の深い絆が‥マークバルダに取られた。」
ブツブツと神様はつぶやいているが、ほっておこう。
リーナは神様と緊急会議を開く。
お父さんと仲が良かったマークバルダ様も呼んである。
「信頼関係‥どうすればできるのだ?」
神様は真剣に聞いている。
「えっと、話をしたり、一緒にご飯を食べたり一緒の時間を過ごしたりして心を開いてもらえたら‥いいなと。」
リーナも神様とノルアの関係性があまり良くないのはわかった。まずは仲良くならないといけない。
マークバルダ様はため息をつく。
「リーナ様、ヴォルティス様は神々とも必要がなければ自分から話しかけた事もない。今のノルアの状況でヴォルティス様から働きかけるのは無理だろう。」
「必要がなければ話しかける事がない?ではいつもどうやって過ごしていたのですか?」
一番古い神なら永い時間生きてきたはずなのに‥神々とも関わって来なかった?
「穢れで常に体調も悪かったしな、命の泉に浮かんでいたな。」
神様は当たり前のように答える。
「つまり、独りでずっと過ごしてきたと‥」
マークバルダ様を見た。
「ここ2年の方が数千年の会話量より多いと思うぞ?数年一言もしゃべらない事もあったな。私もこんなに話しているヴォルティス様を初めて見た。」
神様、今でも無口な方ですよね?
これでも数千年の間よりしゃべってるって。
もう声の出し方すら忘れそうですね、それ‥
「会話ってそもそも必要なのか?なくても困らないぞ。」
うん、神様ならそうかもしれないけど‥ノルアは違う。
今助けを求めているのだから、応えてあげないといけない。
「神様、マークバルダ様!ノルアと一緒に村や町を回りましょう。実際の人の様子を見たらもっと身近に考えられると思います。」
もう信頼関係を飛ばして希望の神の役割を一緒に考えていった方が良いと思った。
「で、こういうメンバーになりました!」
私と神様、お父さんの親友のマークバルダ様、人の情報に関してはルーマ様が詳しい。
ノルアは見るからに嫌そうな顔をしている。
「お前な、俺はお前に聞いただろう?何でこいつらが来るんだ?」
ノルアはため息をつく。
「何、こいつ。うまれたばかりの神のくせに‥」
ルーマ様がそこまでいうとマークバルダ様に止められた。
そのルーマ様の一言でノルアの表情が険しくなる。
「ノルア、確かにうまれたばっかりが悪いわけじゃない。でもノルアの態度にも問題がある。神様達はノルアよりずっと昔から生きているノルアの先輩達なんだよ。ちゃんと敬わないといけないの。敬語を使って。」
「何で俺が!」
ノルアは納得できないのだろう。リーナを睨みつけて怒鳴る。
「ノルアを助けてくれる神様達だから。ノルアはまだ独りでは生きていけないんだよ。誰かの助けが今はいる。きちんと挨拶をして。」
ノルアだってわかっている。独りで希望の神になる事などできないと‥
悔しそうにうつむいたまま、小さな声が出る。
「おはようございます‥」
ノルアは強がっているだけで根は真面目なんだろう。
「やればできるね!」
リーナはノルアの頭をグリグリ撫でた。
リーナの手を両手で握ったノルアは顔を真っ赤にしていた。
「やめろ、恥ずかしい!こんな事されたので初めてだ!」
「なら、抱きしめる方が良い?」
いい子ってギュッと抱きしめるのもありだ。そうするとネマはエヘヘと嬉しそうに笑っていた。
「はぁ?いや、それも無理だって。」
ノルアが慌てまくる様子が可愛かった。
その様子をヴォルティスは静かに見ている。
「ヴォルティス様、我慢です。相手は子どもです、警戒対象ではありません。」
「‥そんな事はわかっている。私もリーナにああいう事をされたいと思っただけだ。」
ヴォルティスはボソリという。
リーナ様に撫でられたいのか?
ヴォルティス様が頭を撫でられている姿を想像できない‥とマークバルダは思った。
「じゃあ、行こうか。」
神様が歩き出す。
「ルーマ、じゃあ打ち合わせ通りに頼む。」
神様はルーマに声をかけた。
そう前もって見せたい場所をピックアップしていたのだ。
「はい、承知しました!」
最初は活気のある街の市場、人々が希望に溢れていて活き活きと生活していた。
こういう場は穢れをうみにくい。
ノルアも人の世界が初めてであり、キョロキョロしながら楽しそうに見ていた。
次はある王国に向かった。王家の散財がひどく人々は持っていかれる税に疲れ果てていた。
耐えきれなくなり、クーデターを起こし王城に向かっている。
王達の贅沢ぶりもルーマ様の映像で見えている。
「どちらが悪いと思う?王に逆らう民?国民をかえりみない王?」
神様は静かに聞く。
その次に行ったのは日照りで作物が枯れ人々が倒れている村。
今日食べる物もない、後は死んでいくしかない状態だ。
誰の目も絶望の色をしていた。
「こんな事が‥」
ノルアは初めて人々の様子をみてショックを受けていた。
希望の神としての力を発揮できていないから世界に絶望が増えているらしい。
それによる死者や穢れの増加など問題となっている。
神々がいう神の役割と生態系の変化はそれが絡んでいるのだろう。
「絶望している人々に希望を与え導く。それは希望の神にしかできない大切な役割だ。」
神様はノルアに言う。
リーナだって目の前の光景が辛い。自分にできる事があればしたいと思う。
だけど、浄化しかできないリーナには穢れがうまれた後の対処しかできない。
希望の神はそうなる前に人々を救う。
「キースは言っていた。全ての者に希望を与える事などできないとな。」
マークバルダ様がお父さんの言葉を伝えてくれている。
「お前は選ばなければならない。誰に希望を与えるのかを。それにより他の誰かは不幸になる可能性がある。どうしたい?それを考えるのが希望の神の役割だ。」
ノルアは黙って真っ直ぐにマークバルダ様を見つめている。
「俺は‥」
ノルアは言葉が出てこない。
「正解なんてない。お前が人々の希望なんだから、お前が決めればいい。ヴォルティス様はお前にルーマをしばらく付けてくれるそうだ。もっと学べ、調べろ、誰の希望を叶えるのがお前の役割なのか考えろ。」
マークバルダ様の言葉は幼いノルアにはきついように聞こえるが、ノルアが神としてのやっていく為に必要な事なのだろう。
「キースもいつも悩んでいた。自分の出した結論が本当に正しかったのかと。そして、間違いに気づいた時の落ち込みもすごかった。」
マークバルダ様は昔の親友について昔を思い返しているように語る。
「だが、人々にはそんな顔を見せない。いつでも笑顔で任せておけと言っていた。キースは皆の希望の神なのだから、人々を明るく照らさなければならなかったんだ。」
「キースは強いのだな。」
ノルアはボソリと呟くように言う。
「お前も強いだろう。不安の中、誰かに助けを求めず、神になろうとする。わからない事だらけなのだろう?」
マークバルダ様はノルアを決して否定しない。優しく諭している。
「わからなければ皆に聞け。希望の神の役割は代われないが、一緒に考える事はできる。」
マークバルダ様は優しくノルアに言う。
「マークバルダ様はお父さんみたいですね。」
その様子を見ながら目に涙が浮かぶ。
「マークバルダがお父さんなのか?」
神様は驚きながら聞いてきた。
「そうですよ。厳しい事を言っているけど、ノルアの事を思って言っていますよね。ちゃんとフォローもしている。完璧なお父さんです。」
マークバルダ様を連れてきて正解だった。
「そんな‥リーナと私の深い絆が‥マークバルダに取られた。」
ブツブツと神様はつぶやいているが、ほっておこう。
0
お気に入りに追加
230
あなたにおすすめの小説
追放された偽物聖女は、辺境の村でひっそり暮らしている
黎
ファンタジー
辺境の村で人々のために薬を作って暮らすリサは“聖女”と呼ばれている。その噂を聞きつけた騎士団の数人が現れ、あらゆる疾病を治療する万能の力を持つ聖女を連れて行くべく強引な手段に出ようとする中、騎士団長が割って入る──どうせ聖女のようだと称えられているに過ぎないと。ぶっきらぼうながらも親切な騎士団長に惹かれていくリサは、しかし実は数年前に“偽物聖女”と帝都を追われたクラリッサであった。
将来を誓い合った王子様は聖女と結ばれるそうです
きぬがやあきら
恋愛
「聖女になれなかったなりそこない。こんなところまで追って来るとはな。そんなに俺を忘れられないなら、一度くらい抱いてやろうか?」
5歳のオリヴィエは、神殿で出会ったアルディアの皇太子、ルーカスと恋に落ちた。アルディア王国では、皇太子が代々聖女を妻に迎える慣わしだ。しかし、13歳の選別式を迎えたオリヴィエは、聖女を落選してしまった。
その上盲目の知恵者オルガノに、若くして命を落とすと予言されたオリヴィエは、せめてルーカスの傍にいたいと、ルーカスが団長を務める聖騎士への道へと足を踏み入れる。しかし、やっとの思いで再開したルーカスは、昔の約束を忘れてしまったのではと錯覚するほど冷たい対応で――?

【完結】婚約破棄寸前の悪役令嬢は7年前の姿をしている
五色ひわ
恋愛
ドラード王国の第二王女、クラウディア・ドラードは正体不明の相手に襲撃されて子供の姿に変えられてしまった。何とか逃げのびたクラウディアは、年齢を偽って孤児院に隠れて暮らしている。
初めて経験する貧しい暮らしに疲れ果てた頃、目の前に現れたのは婚約破棄寸前の婚約者アルフレートだった。
【完結】辺境伯令嬢は新聞で婚約破棄を知った
五色ひわ
恋愛
辺境伯令嬢としてのんびり領地で暮らしてきたアメリアは、カフェで見せられた新聞で自身の婚約破棄を知った。アメリアは真実を確かめるため、3年ぶりに王都へと旅立った。
※本編34話、番外編『皇太子殿下の苦悩』31+1話、おまけ4話
無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから――
※ 他サイトでも投稿中

この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが

私は幼い頃に死んだと思われていた侯爵令嬢でした
さこの
恋愛
幼い頃に誘拐されたマリアベル。保護してくれた男の人をお母さんと呼び、父でもあり兄でもあり家族として暮らしていた。
誘拐される以前の記憶は全くないが、ネックレスにマリアベルと名前が記されていた。
数年後にマリアベルの元に侯爵家の遣いがやってきて、自分は貴族の娘だと知る事になる。
お母さんと呼ぶ男の人と離れるのは嫌だが家に戻り家族と会う事になった。
片田舎で暮らしていたマリアベルは貴族の子女として学ぶ事になるが、不思議と読み書きは出来るし食事のマナーも悪くない。
お母さんと呼ばれていた男は何者だったのだろうか……? マリアベルは貴族社会に馴染めるのか……
っと言った感じのストーリーです。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる