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第3章
リーナは仕事がしたい
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聖女の儀が開かれ、リーナも当事者として式に参加している。ただリーナはもう聖女となっており、ヴォルティスの横に立っているのだが。
初めて最高神ヴォルティスが儀式に参加しており、神殿側も神々もピリピリした雰囲気を放っている。
ヴォルティスはリーナの晴れ舞台を見に来たのだ。
自分の聖女が儀式で衣装を着て頑張る姿を楽しみにしていたし、リーナを皆に見せびらかしたい気持ちでいっぱいだった。
終始、ご機嫌なヴォルティスをみて皆ホッとしていた。
裁きの神の怒りなどかえばどうなるのか‥それを考えれば皆が恐れるのは仕方がない。
「これで私も正式に聖女ですね。」
リーナはニコニコしながら言う。
今年は聖女となったのはリーナ1人だった。
名付けもすでに終わっており、皆の前に出て挨拶のみで終了予定だ。ヴォルティスも一緒に出ると言って聞かず、リーナを抱きしめている。
神々や人々へリーナは自分の聖女だとアピールできるこの機会を逃すはずがない。
「そうだな、おめでとう。」
ヴォルティスは優しく微笑んでくれた。
神々もそのヴォルティスの笑顔は初めて見るものであり、驚きが隠せない。
「これで聖女としての役目が果たせますね。」
「私の聖女だろう?」
ヴォルティスはよく意味がわからず、首を傾げた。
「神様の聖女ですけど、これからは穢れの浄化にいけるでしょう?何もせず、じっとしているのは辛かったんですよね。」
仕事があるのが嬉しい。
神様の聖女と言うだけで甘やかされて何もせず日々を過ごしていた。
リーナは元々ずっと家事や花売り、子守など頼まれた仕事もこなしていた。
働かざる者食うべからずをモットーにしているリーナにとって今の状況は少なからず、ストレスだったのだ。
「いや、だが‥穢れの浄化で何かあれば‥私はお前を助ける事もできない‥」
ヴォルティスは戸惑いをかくせない。
自分だけの聖女だ。自分だけを浄化するものだと思っていた。
いくらヴォルティスが最高神だろうと力を持っていようと穢れだけは手出しはできない。
リーナが目の前で危険が迫っても助ける事ができない。
「もう無理はしません。聖女の名に恥じたくないんです。」
リーナは強い目をして答えた。
全てを知った上で聖女として生きていく事を決めているのだ。
ヴォルティスはゴクリと唾を飲む。
リーナを否定したくない。だが、リーナを送り出す事もできない。
皆の前で2人は話している姿はとても微笑ましい‥と皆思っていた。
声は聞こえないので何を話しているかはわからない。だが、不穏な空気が流れ始めている。
「リーナ、私の穢れだけを浄化してくれ。心配なのだ。」
「神様は私が信用できないのでしょうか‥やらせてください。」
信用できない訳ではなく、不安が強すぎるとどう説明したら良いのだろうか。
リーナを失いたくない。
リーナもただ仕事がしたいだけではない。
皆を助けたくて聖女になったのだ。助けられる人々がいるのに何もしないというのはリーナにとって辛い事だった。
何より穢れが生まれ続ける限りヴォルティスにどうしても溜まっていく。そこで浄化してもヴォルティスへのダメージはどうしてもあるのだ。
それなら元の穢れからたてば闇落ちもせずヴォルティスまで来ないのではと考えた。
ヴォルティスもリーナも表情は険しくなっていく。周囲の者達はオロオロと眺めるだけだ。
リーナの望みは叶えたい。だが、穢れの浄化はして欲しくない‥
ヴォルティスはどうしたら良いのかわからなかった。
話し合いは平行線だった。
「神様なんてもう知りません!私は聖女としての役目を全うします!では失礼します。」
そういうとリーナはヴォルティスから離れて神官長のところに行こうとした。
今後の事を相談しようとしたのだ。
「リーナ!」
嫌われたと思ったヴォルティスは真っ青になった。自分の力を抑える事も忘れリーナを追いかける。
「‥わかったから話をしよう。離れないでくれ。お願いだから。」
リーナに懇願するヴォルティスは別れ話をされている彼氏のようだ。
「リーナが穢れを浄化するのは認めよう。」
ヴォルティスは渋々認める。いや、認めるしかなかった。
「神様、ありがとうございます。絶対に無理なんかしませんから。心配しなくても大丈夫です!」
「そのやる気が心配なのだが‥1つ条件がある。その浄化の際、私もついていく。わかったな。」
聖女の穢れの浄化に神様がついていくなど聞いた事がない。
「えっと‥神様はいけないと思うのですが‥」
穢れを嫌う神が穢れの発生する場にいくなど問題外だ。
「いや、行く。決定事項だ。」
ヴォルティスはもう譲らないと目で訴えている。
「神官長に相談してみます‥」
そこで周囲の者達が倒れているのにリーナ達は気づく。
ヴォルティスとリーナのやりとりをまともに見る事ができていたのはマークバルダくらいだった。
なぜならヴォルティスのダダ漏れした乱れた神気に慣れていない者達はその圧に耐えられなかったのだ。
神々ですら耐えきれていないのだから、人々はパタパタと倒れていた。
その中に神官長もおり、リーナ達と話ができるようになるのは数日経ってからだった。
初めて最高神ヴォルティスが儀式に参加しており、神殿側も神々もピリピリした雰囲気を放っている。
ヴォルティスはリーナの晴れ舞台を見に来たのだ。
自分の聖女が儀式で衣装を着て頑張る姿を楽しみにしていたし、リーナを皆に見せびらかしたい気持ちでいっぱいだった。
終始、ご機嫌なヴォルティスをみて皆ホッとしていた。
裁きの神の怒りなどかえばどうなるのか‥それを考えれば皆が恐れるのは仕方がない。
「これで私も正式に聖女ですね。」
リーナはニコニコしながら言う。
今年は聖女となったのはリーナ1人だった。
名付けもすでに終わっており、皆の前に出て挨拶のみで終了予定だ。ヴォルティスも一緒に出ると言って聞かず、リーナを抱きしめている。
神々や人々へリーナは自分の聖女だとアピールできるこの機会を逃すはずがない。
「そうだな、おめでとう。」
ヴォルティスは優しく微笑んでくれた。
神々もそのヴォルティスの笑顔は初めて見るものであり、驚きが隠せない。
「これで聖女としての役目が果たせますね。」
「私の聖女だろう?」
ヴォルティスはよく意味がわからず、首を傾げた。
「神様の聖女ですけど、これからは穢れの浄化にいけるでしょう?何もせず、じっとしているのは辛かったんですよね。」
仕事があるのが嬉しい。
神様の聖女と言うだけで甘やかされて何もせず日々を過ごしていた。
リーナは元々ずっと家事や花売り、子守など頼まれた仕事もこなしていた。
働かざる者食うべからずをモットーにしているリーナにとって今の状況は少なからず、ストレスだったのだ。
「いや、だが‥穢れの浄化で何かあれば‥私はお前を助ける事もできない‥」
ヴォルティスは戸惑いをかくせない。
自分だけの聖女だ。自分だけを浄化するものだと思っていた。
いくらヴォルティスが最高神だろうと力を持っていようと穢れだけは手出しはできない。
リーナが目の前で危険が迫っても助ける事ができない。
「もう無理はしません。聖女の名に恥じたくないんです。」
リーナは強い目をして答えた。
全てを知った上で聖女として生きていく事を決めているのだ。
ヴォルティスはゴクリと唾を飲む。
リーナを否定したくない。だが、リーナを送り出す事もできない。
皆の前で2人は話している姿はとても微笑ましい‥と皆思っていた。
声は聞こえないので何を話しているかはわからない。だが、不穏な空気が流れ始めている。
「リーナ、私の穢れだけを浄化してくれ。心配なのだ。」
「神様は私が信用できないのでしょうか‥やらせてください。」
信用できない訳ではなく、不安が強すぎるとどう説明したら良いのだろうか。
リーナを失いたくない。
リーナもただ仕事がしたいだけではない。
皆を助けたくて聖女になったのだ。助けられる人々がいるのに何もしないというのはリーナにとって辛い事だった。
何より穢れが生まれ続ける限りヴォルティスにどうしても溜まっていく。そこで浄化してもヴォルティスへのダメージはどうしてもあるのだ。
それなら元の穢れからたてば闇落ちもせずヴォルティスまで来ないのではと考えた。
ヴォルティスもリーナも表情は険しくなっていく。周囲の者達はオロオロと眺めるだけだ。
リーナの望みは叶えたい。だが、穢れの浄化はして欲しくない‥
ヴォルティスはどうしたら良いのかわからなかった。
話し合いは平行線だった。
「神様なんてもう知りません!私は聖女としての役目を全うします!では失礼します。」
そういうとリーナはヴォルティスから離れて神官長のところに行こうとした。
今後の事を相談しようとしたのだ。
「リーナ!」
嫌われたと思ったヴォルティスは真っ青になった。自分の力を抑える事も忘れリーナを追いかける。
「‥わかったから話をしよう。離れないでくれ。お願いだから。」
リーナに懇願するヴォルティスは別れ話をされている彼氏のようだ。
「リーナが穢れを浄化するのは認めよう。」
ヴォルティスは渋々認める。いや、認めるしかなかった。
「神様、ありがとうございます。絶対に無理なんかしませんから。心配しなくても大丈夫です!」
「そのやる気が心配なのだが‥1つ条件がある。その浄化の際、私もついていく。わかったな。」
聖女の穢れの浄化に神様がついていくなど聞いた事がない。
「えっと‥神様はいけないと思うのですが‥」
穢れを嫌う神が穢れの発生する場にいくなど問題外だ。
「いや、行く。決定事項だ。」
ヴォルティスはもう譲らないと目で訴えている。
「神官長に相談してみます‥」
そこで周囲の者達が倒れているのにリーナ達は気づく。
ヴォルティスとリーナのやりとりをまともに見る事ができていたのはマークバルダくらいだった。
なぜならヴォルティスのダダ漏れした乱れた神気に慣れていない者達はその圧に耐えられなかったのだ。
神々ですら耐えきれていないのだから、人々はパタパタと倒れていた。
その中に神官長もおり、リーナ達と話ができるようになるのは数日経ってからだった。
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