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第2章
キースとマリーが語る過去
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「もういいか?続きを知りたい。」
マークバルダ様は2人だけの世界を断ち切った。
「マークバルダ、空気読めよ!マリーとキスするの7年ぶりなんだぞ!」
お父さんは拗ねたように口を尖らせる。
「そんな事はあとでやれ。早く話を進めろ。」
そんなお父さんに慣れているのかマークバルダ様は全く気にする様子がない。
まだ口を尖られて文句を言おうとするお父さんをお母さんが止めて話を進めた。
「リーナは穢れを体の中に取り込んだけど、リーナ自身の浄化の力で消せると考えたの。だけど、穢れが多すぎて浄化が終わるまで体がもたない‥」
それが一番の問題だったのよとお母さんは眉間にしわをよせた。
「で、ヴォルティス様のブレスレットの力を使うことにしたのよ。その力をキースから受け取ってリーナの穢れの浄化を手伝ったの。外からラリーンが手伝ってくれていたし、内から私で何とか持ちこたえた。リーナの中に入った時、真っ黒な穢れを巻き込まれて死ぬかと思った。リーナに声をかける事もできなかったの。」
そう言ってから、もう死んでたわとお母さんは笑った。フゥとお母さんは息を吐いて優しい眼差しを向ける。
「よく頑張ったわ。」
「お母さん‥」涙がこぼれるのを神様が手で拭ってくれる。
「ラリーンもありがとうね。何も知らないはずなのに、相当無理してくれたでしょ。」
「マリーさん、私の力では何の役にも立てなかったです。」
ラリーン先生はうつむいて答える。少し震えているのがわかる。
お母さんはそんなラリーン先生に優しく声をかけた。
「ううん、もうリーナの体は限界だった。あなたがいなかったら正直やばかったわ。娘を助けてくれて本当にありがとう。」
「マリーさん‥」
少しホロリとした瞬間、またマークバルダ様がその空気を断ち切った。
「疑問が一つ。アリーティナ嬢の穢れを浄化するだけで倒れただろう?何で何十人もの穢れを抱える事ができたんだ?」
マークバルダ様は首を傾げている。
確かにそうだ‥まだうまれたばかりのアリーティナの穢れですら対応できていなかったのに。
お父さんがキレ気味に答える。
「だから、空気読めって!それはリーナがヴォルティス様の聖女だからだ。」
「はぁ?」
マークバルダ様が意味がわからないと言うように反応する。
「もうキースは黙ってて。」
お母さんに止められお父さんは黙った。
「リーナはあの時ヴォルティス様の聖女となる事を諦めたの。それに希望の力が反発して強制力を発揮した。リーナをヴォルティス様の聖女とするために。だから、リーナの浄化の力がものすごくパワーアップしたのよ。」
希望の力って‥力が強いのは知っていたが、望みを叶えるためならそんなあり得ない力を発揮するものなのかと皆が思った。
「その上、ブレスレットは元々ヴォルティス様によって作られたものだから私がリーナの中に入った事で反応してリーナの浄化の力をさらに高めてくれたの。運命ってすごいわよね?」
ニッコリとお母さんは笑う。
いやいや、すごいというか‥ここまで来ると希望の力の強制力が怖いと皆思う。
「あんなブレスレットについた小さなヴォルティス様の力で反応したんだ。ヴォルティス様の力が直に加われば浄化など一瞬だと考えた。」
お父さんがお母さんを抱きしめてお疲れ様とおでこにキスをする。
「マリー達が浄化を頑張っている間にヴォルティス様にリーナと結ばれるように言いに来たんだけど、霊体だからこの地から弾かれたんだ。ミラージュのところに行って実体化してもらってたから時間がかかったという訳だ。皆、よく頑張ったな。」
お父さんがが話をまとめた。
「つまりは最初から穢れを持つ聖女候補にヴォルティス様が触れても問題がなかった訳か?」
マークバルダ様が手をフルフルと震わせ低い声でお父さんに聞く。
「そうだろうな、ヴォルティス様に活性化されたリーナの力で一瞬で浄化できてたと思うぞ。実際、さっき見ただろう?」
お父さんはシレッという。
「さっさとそれを言え!!そうしたら、こんなに悩む事なかっただろうが!!!」
神殿内をマークバルダ様の声が響き渡った。
「だから、怒るなっていっただろ!」
お父さんもどなり返した。
「お前は昔からそうだ!重要なところで抜けているんだ!」
こんな風にマークバルダ様が怒鳴るのを初めて見たとラリーンは思った。
「そういうお前だってそうだろう!俺が何度も声かけたのに無視して!」
怒鳴り返すお父さんを見て‥リーナは思い出の中の優しい父のイメージが変わった。
「私は守りの神で霊体はみえないんだ!」
「なら偉そうにいうな!」
マークバルダ様とお父さんの言い争いが始まった。掴み合いそうな勢いで睨み合うその姿は、子どもの喧嘩そのものだった。
リーナの髪をクルクルと指に絡めて遊んでいる神様をみんなが見る。
止めろよという目で‥
「神様、止めなくてもいいんですか?」
リーナが皆を代表しておずおずと神様に聞く。
「ああ、あの2神は昔からあんな感じだ。仲が良いな。」
神様はニコニコしながらその様子を見ていた。あれを仲が良いの一言で終わらせる最高神はやはりすごいと皆が思った。
マークバルダ様は2人だけの世界を断ち切った。
「マークバルダ、空気読めよ!マリーとキスするの7年ぶりなんだぞ!」
お父さんは拗ねたように口を尖らせる。
「そんな事はあとでやれ。早く話を進めろ。」
そんなお父さんに慣れているのかマークバルダ様は全く気にする様子がない。
まだ口を尖られて文句を言おうとするお父さんをお母さんが止めて話を進めた。
「リーナは穢れを体の中に取り込んだけど、リーナ自身の浄化の力で消せると考えたの。だけど、穢れが多すぎて浄化が終わるまで体がもたない‥」
それが一番の問題だったのよとお母さんは眉間にしわをよせた。
「で、ヴォルティス様のブレスレットの力を使うことにしたのよ。その力をキースから受け取ってリーナの穢れの浄化を手伝ったの。外からラリーンが手伝ってくれていたし、内から私で何とか持ちこたえた。リーナの中に入った時、真っ黒な穢れを巻き込まれて死ぬかと思った。リーナに声をかける事もできなかったの。」
そう言ってから、もう死んでたわとお母さんは笑った。フゥとお母さんは息を吐いて優しい眼差しを向ける。
「よく頑張ったわ。」
「お母さん‥」涙がこぼれるのを神様が手で拭ってくれる。
「ラリーンもありがとうね。何も知らないはずなのに、相当無理してくれたでしょ。」
「マリーさん、私の力では何の役にも立てなかったです。」
ラリーン先生はうつむいて答える。少し震えているのがわかる。
お母さんはそんなラリーン先生に優しく声をかけた。
「ううん、もうリーナの体は限界だった。あなたがいなかったら正直やばかったわ。娘を助けてくれて本当にありがとう。」
「マリーさん‥」
少しホロリとした瞬間、またマークバルダ様がその空気を断ち切った。
「疑問が一つ。アリーティナ嬢の穢れを浄化するだけで倒れただろう?何で何十人もの穢れを抱える事ができたんだ?」
マークバルダ様は首を傾げている。
確かにそうだ‥まだうまれたばかりのアリーティナの穢れですら対応できていなかったのに。
お父さんがキレ気味に答える。
「だから、空気読めって!それはリーナがヴォルティス様の聖女だからだ。」
「はぁ?」
マークバルダ様が意味がわからないと言うように反応する。
「もうキースは黙ってて。」
お母さんに止められお父さんは黙った。
「リーナはあの時ヴォルティス様の聖女となる事を諦めたの。それに希望の力が反発して強制力を発揮した。リーナをヴォルティス様の聖女とするために。だから、リーナの浄化の力がものすごくパワーアップしたのよ。」
希望の力って‥力が強いのは知っていたが、望みを叶えるためならそんなあり得ない力を発揮するものなのかと皆が思った。
「その上、ブレスレットは元々ヴォルティス様によって作られたものだから私がリーナの中に入った事で反応してリーナの浄化の力をさらに高めてくれたの。運命ってすごいわよね?」
ニッコリとお母さんは笑う。
いやいや、すごいというか‥ここまで来ると希望の力の強制力が怖いと皆思う。
「あんなブレスレットについた小さなヴォルティス様の力で反応したんだ。ヴォルティス様の力が直に加われば浄化など一瞬だと考えた。」
お父さんがお母さんを抱きしめてお疲れ様とおでこにキスをする。
「マリー達が浄化を頑張っている間にヴォルティス様にリーナと結ばれるように言いに来たんだけど、霊体だからこの地から弾かれたんだ。ミラージュのところに行って実体化してもらってたから時間がかかったという訳だ。皆、よく頑張ったな。」
お父さんがが話をまとめた。
「つまりは最初から穢れを持つ聖女候補にヴォルティス様が触れても問題がなかった訳か?」
マークバルダ様が手をフルフルと震わせ低い声でお父さんに聞く。
「そうだろうな、ヴォルティス様に活性化されたリーナの力で一瞬で浄化できてたと思うぞ。実際、さっき見ただろう?」
お父さんはシレッという。
「さっさとそれを言え!!そうしたら、こんなに悩む事なかっただろうが!!!」
神殿内をマークバルダ様の声が響き渡った。
「だから、怒るなっていっただろ!」
お父さんもどなり返した。
「お前は昔からそうだ!重要なところで抜けているんだ!」
こんな風にマークバルダ様が怒鳴るのを初めて見たとラリーンは思った。
「そういうお前だってそうだろう!俺が何度も声かけたのに無視して!」
怒鳴り返すお父さんを見て‥リーナは思い出の中の優しい父のイメージが変わった。
「私は守りの神で霊体はみえないんだ!」
「なら偉そうにいうな!」
マークバルダ様とお父さんの言い争いが始まった。掴み合いそうな勢いで睨み合うその姿は、子どもの喧嘩そのものだった。
リーナの髪をクルクルと指に絡めて遊んでいる神様をみんなが見る。
止めろよという目で‥
「神様、止めなくてもいいんですか?」
リーナが皆を代表しておずおずと神様に聞く。
「ああ、あの2神は昔からあんな感じだ。仲が良いな。」
神様はニコニコしながらその様子を見ていた。あれを仲が良いの一言で終わらせる最高神はやはりすごいと皆が思った。
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