25 / 87
第1章
アリーティナの穢れ
しおりを挟む
聖女の儀がおわり、聖女になったのは9人中2人だけだった。
神様から名前を呼ばれて結ばれる名付けの儀を初めて見た。
神様と結ばれ、幸せそうに笑っている先輩達をみると私まで嬉しくなった。
私も来年には神様と‥想像するだけで顔がにやける。
そんな事を考えていると無性に神様に会いたくなった。
聖女の儀にはマークバルダ様や初めてみる神々もいたので神様を探してみたけど、見つけられなかった。
ベンチ以外で会えるかもと期待した分、ちょっと残念な気持ちになっているとマークバルダ様が近寄ってきた。
「ヴォルティス様はこういう式典には出たことがない。会いたければ呼ぶぞ。きっとすぐに来てくれるはずだ。ヴォルティス様は聖女候補を優先するからな。」
しかも、呼び出されたと浮かれまくるヴォルティス様が目に浮かび、マークバルダは苦笑した。
マークバルダ様に気づかれる程キョロキョロと神様を探していたかと思うと恥ずかしくなる。
「忙しい神様を呼び出すなんて、滅相もないですよ!」
私は首と手を横にブンブン振った。
「忙しくはないと思うが。(どうせ聖女候補の映像みているだけだろうし)じゃあ、いつも通りで良いな。」
そういって微笑むとマークバルダ様は離れていった。
いつも通りのやりとり過ぎて私は気づいていなかった。
この短いマークバルダ様とのやりとりが人側にどんな衝撃を与えていたかなど‥
人と関わる神で一番偉いマークバルダ様が自分から話しかけ、微笑むなど今までなかったなど知る訳もなかったのだから。
聖女候補が神様達と交流するのはその神の聖女となるためだ。
リーナはマークバルダ様の聖女となるのではないかとの噂が流れた。
ラリーン先生も聖女の儀が終わり落ち着いたため、久しぶりに補習が再開された。
アリーティナの件を相談したくてこの時を待ちに待っていたのだ。
「ラリーン先生、相談したいことがあります。授業の前に良いですか?」
私のあまりに真剣な顔にラリーン先生も何かを感じ取ったのかすぐに許可をくれた。
「実はアリーティナ様の様子が‥」
バーンと扉が開けられ話をすすめられなかった。
扉の方向をみるとアリーティナがすごい形相をして立っている。
アリーティナを見て私の対応が遅すぎた事がわかった。
もう、穢れをうもうとしている。
負の感情が渦巻いていた。
ラリー先生も気づいたらしく、ゴクリと唾をのんだ。
「アリーティナ嬢!すぐに呼吸を整えなさい。感情のコントロールを‥」
「うるさい!お前は黙っていなさい!」
アリーティナはラリーン先生を睨みつけ、私の方に近づいてきた。
「お前が神を使って神官長に言いつけたの?」
アリーティナは私に憎しみの視線を向けている。
「言いつける?何の事?」
私には何の話かさっぱりわからなかった。
確かに今からラリーン先生に相談しようとは思っていたけど。
アリーティナは鼻で笑う。
「お前でなければ私に危害を加えられていると誰がいうの!私はここで一番偉いのに!あの神官長、マークバルダ様から苦情がきたと私に注意してきて!」
アリーティナの体がフルフルと震え、全身から強い怒りを感じる。
「マークバルダ様?」
なぜ、マークバルダ様がそんな事を‥
そんな話なんてした事がない。
「あなたがマークバルダ様の聖女となるという、あの噂は本当だったのね!」
えっ?噂?
マークバルダ様の聖女になる?
何でそんな噂が流れているの?
何が起こっているのかわからない私は呆然と立ち尽くしていた。
「アリーティナ嬢!」
ラリーン先生の叫び声で我にかえると私に向かいアリーティナは右手を振り上げていた。
神様から名前を呼ばれて結ばれる名付けの儀を初めて見た。
神様と結ばれ、幸せそうに笑っている先輩達をみると私まで嬉しくなった。
私も来年には神様と‥想像するだけで顔がにやける。
そんな事を考えていると無性に神様に会いたくなった。
聖女の儀にはマークバルダ様や初めてみる神々もいたので神様を探してみたけど、見つけられなかった。
ベンチ以外で会えるかもと期待した分、ちょっと残念な気持ちになっているとマークバルダ様が近寄ってきた。
「ヴォルティス様はこういう式典には出たことがない。会いたければ呼ぶぞ。きっとすぐに来てくれるはずだ。ヴォルティス様は聖女候補を優先するからな。」
しかも、呼び出されたと浮かれまくるヴォルティス様が目に浮かび、マークバルダは苦笑した。
マークバルダ様に気づかれる程キョロキョロと神様を探していたかと思うと恥ずかしくなる。
「忙しい神様を呼び出すなんて、滅相もないですよ!」
私は首と手を横にブンブン振った。
「忙しくはないと思うが。(どうせ聖女候補の映像みているだけだろうし)じゃあ、いつも通りで良いな。」
そういって微笑むとマークバルダ様は離れていった。
いつも通りのやりとり過ぎて私は気づいていなかった。
この短いマークバルダ様とのやりとりが人側にどんな衝撃を与えていたかなど‥
人と関わる神で一番偉いマークバルダ様が自分から話しかけ、微笑むなど今までなかったなど知る訳もなかったのだから。
聖女候補が神様達と交流するのはその神の聖女となるためだ。
リーナはマークバルダ様の聖女となるのではないかとの噂が流れた。
ラリーン先生も聖女の儀が終わり落ち着いたため、久しぶりに補習が再開された。
アリーティナの件を相談したくてこの時を待ちに待っていたのだ。
「ラリーン先生、相談したいことがあります。授業の前に良いですか?」
私のあまりに真剣な顔にラリーン先生も何かを感じ取ったのかすぐに許可をくれた。
「実はアリーティナ様の様子が‥」
バーンと扉が開けられ話をすすめられなかった。
扉の方向をみるとアリーティナがすごい形相をして立っている。
アリーティナを見て私の対応が遅すぎた事がわかった。
もう、穢れをうもうとしている。
負の感情が渦巻いていた。
ラリー先生も気づいたらしく、ゴクリと唾をのんだ。
「アリーティナ嬢!すぐに呼吸を整えなさい。感情のコントロールを‥」
「うるさい!お前は黙っていなさい!」
アリーティナはラリーン先生を睨みつけ、私の方に近づいてきた。
「お前が神を使って神官長に言いつけたの?」
アリーティナは私に憎しみの視線を向けている。
「言いつける?何の事?」
私には何の話かさっぱりわからなかった。
確かに今からラリーン先生に相談しようとは思っていたけど。
アリーティナは鼻で笑う。
「お前でなければ私に危害を加えられていると誰がいうの!私はここで一番偉いのに!あの神官長、マークバルダ様から苦情がきたと私に注意してきて!」
アリーティナの体がフルフルと震え、全身から強い怒りを感じる。
「マークバルダ様?」
なぜ、マークバルダ様がそんな事を‥
そんな話なんてした事がない。
「あなたがマークバルダ様の聖女となるという、あの噂は本当だったのね!」
えっ?噂?
マークバルダ様の聖女になる?
何でそんな噂が流れているの?
何が起こっているのかわからない私は呆然と立ち尽くしていた。
「アリーティナ嬢!」
ラリーン先生の叫び声で我にかえると私に向かいアリーティナは右手を振り上げていた。
0
お気に入りに追加
230
あなたにおすすめの小説
追放された偽物聖女は、辺境の村でひっそり暮らしている
黎
ファンタジー
辺境の村で人々のために薬を作って暮らすリサは“聖女”と呼ばれている。その噂を聞きつけた騎士団の数人が現れ、あらゆる疾病を治療する万能の力を持つ聖女を連れて行くべく強引な手段に出ようとする中、騎士団長が割って入る──どうせ聖女のようだと称えられているに過ぎないと。ぶっきらぼうながらも親切な騎士団長に惹かれていくリサは、しかし実は数年前に“偽物聖女”と帝都を追われたクラリッサであった。
将来を誓い合った王子様は聖女と結ばれるそうです
きぬがやあきら
恋愛
「聖女になれなかったなりそこない。こんなところまで追って来るとはな。そんなに俺を忘れられないなら、一度くらい抱いてやろうか?」
5歳のオリヴィエは、神殿で出会ったアルディアの皇太子、ルーカスと恋に落ちた。アルディア王国では、皇太子が代々聖女を妻に迎える慣わしだ。しかし、13歳の選別式を迎えたオリヴィエは、聖女を落選してしまった。
その上盲目の知恵者オルガノに、若くして命を落とすと予言されたオリヴィエは、せめてルーカスの傍にいたいと、ルーカスが団長を務める聖騎士への道へと足を踏み入れる。しかし、やっとの思いで再開したルーカスは、昔の約束を忘れてしまったのではと錯覚するほど冷たい対応で――?

【完結】婚約破棄寸前の悪役令嬢は7年前の姿をしている
五色ひわ
恋愛
ドラード王国の第二王女、クラウディア・ドラードは正体不明の相手に襲撃されて子供の姿に変えられてしまった。何とか逃げのびたクラウディアは、年齢を偽って孤児院に隠れて暮らしている。
初めて経験する貧しい暮らしに疲れ果てた頃、目の前に現れたのは婚約破棄寸前の婚約者アルフレートだった。
無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから――
※ 他サイトでも投稿中

この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
【完結】追放された元聖女は、冒険者として自由に生活します!
蜜柑
ファンタジー
レイラは生まれた時から強力な魔力を持っていたため、キアーラ王国の大神殿で大司教に聖女として育てられ、毎日祈りを捧げてきた。大司教は国政を乗っ取ろうと王太子とレイラの婚約を決めたが、王子は身元不明のレイラとは結婚できないと婚約破棄し、彼女を国外追放してしまう。
――え、もうお肉も食べていいの? 白じゃない服着てもいいの?
追放される道中、偶然出会った冒険者――剣士ステファンと狼男のライガに同行することになったレイラは、冒険者ギルドに登録し、冒険者になる。もともと神殿での不自由な生活に飽き飽きしていたレイラは美味しいものを食べたり、可愛い服を着たり、冒険者として仕事をしたりと、外での自由な生活を楽しむ。
その一方、魔物が出るようになったキアーラでは大司教がレイラの回収を画策し、レイラの出自をめぐる真実がだんだんと明らかになる。
※序盤1話が短めです(1000字弱)
※複数視点多めです。
※小説家になろうにも掲載しています。
※表紙イラストはレイラを月塚彩様に描いてもらいました。

【完結】長い眠りのその後で
maruko
恋愛
伯爵令嬢のアディルは王宮魔術師団の副団長サンディル・メイナードと結婚しました。
でも婚約してから婚姻まで一度も会えず、婚姻式でも、新居に向かう馬車の中でも目も合わせない旦那様。
いくら政略結婚でも幸せになりたいって思ってもいいでしょう?
このまま幸せになれるのかしらと思ってたら⋯⋯アレッ?旦那様が2人!!
どうして旦那様はずっと眠ってるの?
唖然としたけど強制的に旦那様の為に動かないと行けないみたい。
しょうがないアディル頑張りまーす!!
複雑な家庭環境で育って、醒めた目で世間を見ているアディルが幸せになるまでの物語です
全50話(2話分は登場人物と時系列の整理含む)
※他サイトでも投稿しております
ご都合主義、誤字脱字、未熟者ですが優しい目線で読んで頂けますと幸いです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる