【完結】闇落ちした聖女候補は神様に溺愛される

みやちゃん

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第1章

神様からの贈りもの

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「神様、お待たせしました!」
いつも神様は微笑んで待っていてくれる。
ラリーン先生の補習の後の楽しみの時間。
この時間があるから日々頑張れているといっても言い過ぎじゃない。

「あぁ、かわいい子。今日も元気だな。」

「はい、それが取り柄なので!」
いつも通りの神様とのやりとりに安心する。
この時間が大好きだ。

「失礼します。」
一声かけて神様の隣に座る。
最初はあんなに緊張していたのに、今では当たり前のようになっている。

そんな私を微笑みながら見る神様もいつも通りだ。

だが、いつもと違う事が起こる。
「今日はかわいい子に渡したい物があるのだ。」
真剣な顔をした神様。
私も何のことかわからず、ジッと見つめ返す。

神様の手から青い石のペンダントが差し出される。

「これって‥」
私がつけているペンダントと似てる。

ラリーン先生にもらったのは雫みたいな形の石にチェーンがついていたが、これは丸い石の周りを光が包んでチェーンとつながっている。
どういう構造なのかはよくわからない。

だけど、同じ澄みとおる様な青は一緒だ。

「あれはマークバルダが人にあげたものだ。私のかわいい子には私の物をもっていてほしい‥」

なんで神様が知っているんだろう?
服の中にいれており、神様に見せた事はない。
マークバルダ様の物?
ラリーン先生がもらったの?

聞きたい事はあるけど、私の手にペンダントを渡されると‥
プレゼントを前に聞きたい事は全部吹っ飛んでしまった。

「ありがとうございます!」
嬉しい!
神様が私に贈り物をしてくれた。
こんな事があってもいいの⁉︎
頑張っているご褒美は、こうやって楽しい時間としてもらってる。
なんのプレゼント?

神様から手のひらにおかれたペンダントをみる。
「この青色、神様の瞳と同じ色で大好きです!いつも神様が一緒にいる様で心強いんですよ。ペンダントありがとうございます!一生の宝にします!」

この澄んでいる青‥
神様の優しい眼差しのようで、とても幸せな気持ちになる。

「大好き‥」
少し驚いた様に呟いた神様は、照れた様に笑った。

「それは命の泉と呼ばれる所で取れた石を使っている。泉自体がこんな青色をしていて、とても綺麗だ。いつかかわいい子にも見せたい。」

「そんな所があるんですね!いつか行ってみたいです。」

神様が綺麗と表現する場所なのだから本当に美しい場所なんだろう。
見てみたいなぁ。

「あぁ、必ず見せよう。約束だ。」

神様は微笑んでいて、私は浮かれていた。
だから、後ろに控えたマークバルダ様が辛そうな顔をしていたなんて気にもしてなかった。

ん?
そういえば‥
「このペンダントはマークバルダ様の物だったのですか?」

ベンチに座ったまま、振り返った。

普段は落ち着いていて感情の表出のないマークバルダ様なのに。
いきなり話しかけられて驚いたのが見える。

「っ‥あぁ、それは私がラリーンに聖女の記念にお守りとしてやったものだ。」

普段と違うマークバルダ様が少し気になるけど、それよりも!

「えっ、ラリーン先生の神様ってマークバルダ様なのですか?他の神様とも結ばれていたのですか?」

「そうだ。2年前まで結ばれていた。ラリーンの神は私だけだったな。」

ラリーン先生が言った大切な神様との約束はマークバルダ様との約束だったんだ。
滅多に笑わないラリーン先生が微笑んだのが印象的でよく覚えている。

先生は何も言わなかったけど‥

首にかかったラリーン先生のペンダントをぎゅっと握る。
簡単にもらったらいけない物だ。

私が神様からもらったペンダントが宝物である様にラリーン先生にとってもすごく大切な物なはず‥

すぐに返しに行かないと‥

「神様、ごめんなさい。用事を思い出したので、これで失礼します!また、明日この場所に来ますね。」

私は立ち上がって神様とマークバルダ様にお辞儀をしてから、ラリーン先生の所に向かった。

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