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第2章

リーナの夢の中?

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体がだんだん動かさなくなってきた‥
リーナは体を動かすこともできなくなりボンヤリと死期を悟った。

私もうだめかな。神様に最後、会いたかった‥
頭もぼんやりしてきたし、力が入らない。
もう死んじゃうんだね‥みんなごめんなさい。

目から涙が溢れる。

「‥り‥り‥」
声が聞こえる。もう聞くことはないと思っていた懐かしい声。

「リーナ!しっかりしなさい!」
ハッと目を開ける。

ここはどこ?真っ暗で何も見えない。
その中でお母さんの声が聞こえた。間違いない。

「お母さん、お母さん!どこ?どこにいるの?ごめんなさい、ごめんなさい。」
泣きながら叫ぶ。

真っ暗で何も見えないけど、誰かに抱きしめられた。

「あなたが謝らないといけない事なんて何もしていないわ。もう苦しまないで。」
抱きしめる力が強くなり、背中を撫でてくれる。
私が泣いている時、いつもお母さんが私にしてくれていたのと同じ。そのあたたかな胸の中で目を閉じる。
こうされたかった、お母さんの胸の中にずっと飛び込みたかった。

夢だろうか‥幸せな夢。死んじゃう前に会えてよかった。

「リーナ、あなたはお母さんの自慢の娘よ。強い子のはずよ。だから、穢れに負けないで。まだ、穢れは多いけど、必ず浄化できるから。諦めないで。」

「お母さん、何で知ってるの?」
私が穢れを抱え込んでいるって。

「わかるわよ、あなたの母親だもの。あなたが村を浄化をした時からずっとあなたの中にいたのよ。だからあなたと一緒に全部見てきたの。」
お母さんの声が悲しそうに震えていた。
あの処刑の場面も知っているのだろうか。

「穢れがちょっと減ったから出てこれたの。みんなを救ってくれてありがとう。」

「違う、救えてない!みんなを殺したようなものだよ。恨まれたって仕方ない。私みたいな奴が聖女なんか目指したのがいけなかったんだよ!」
自分が許せない。私がみんなを死に追いやった。私がもっとちゃんとしてたら、聖女なんか目指さなかったらこんな事にはなっていなかった。

「もう一度言うわ。あなたは何もしていないし、あなたが悪い訳ではない。あなたはなぜ聖女を目指したの?」
お母さんの口調が強くなる。怒られる時の口調‥

「みんなを助けたいから。」
そう、家族や村のみんなを助けたくて聖女になると決めたのだ。
だけど、聖女候補として勉強していてもっと大勢の人が助けられるかもと思っていた。

「そうね、ならあなたはそれを貫きなさい。いくら嘆いても過去は変えられない。でも、ここから先の未来は選べるわ。あなたはまだ救う事ができる。過去に囚われてそれも放棄するの?」

お母さんの言葉が胸に刺さる。
私が一番救いたいのは‥

「私は神様を救えるの?闇落ちしたのに‥」
救えるのなら救いたい。神様は幸せに笑っていてほしい。
神様の過去を聞いた時からずっと苦しかった。神様を独りにしてしまうのは嫌だ。

「神様だもの、救う何ておこがましいかもしれないけど、あなたにしかできないと思うわ。子どもだと思っていたのに、いつの間にそんなに大切な人を作ったの?‥違う、人じゃなくて神様ね。」
フフフと笑う声が聞こえた。そうやって笑って私をからかうのはお母さんの癖だ。

「あなたの中の穢れは必ず消滅する。あなた自身と周囲のみんなの力でね。だから、苦しくても諦めないで。」

優しく頭を撫でてくれる。

お母さん‥ありがとう。
その言葉を言う前に抱きしめられた感覚はなくなり、周囲が明るくなった。
目を開ければ、天井が見える。ベットで寝ていたようだ。

「目が覚めたのですね‥よかった。」
手を握りながらラリーン先生が泣いている。

私の願望がみせた夢だった?
不思議な感覚からまだ抜けだけなくてボーとする。

お母さんは途中で諦めてしまうのが大嫌いだった。今はできなくてもいい、頑張れば次はできるかもしれないと笑って言う人だった。

お母さん、もう少しだけ頑張ってみるね。



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