47 / 49
46
しおりを挟む
ノルディは頭を抱えていた。
レピアから面会は拒否され、彼女唯一の侍女からは意味のわからない事を言われてしまった。
どうしたらレピアと会うことができる?
アリアと何の関係があるのかいくら考えてもさっぱりわからなかった。
「どうしたらいいんだ?」
ノルディは頭を抱えていた。
自分はどうしたい?
レピアと結ばれたい。愛し合って自分の妃としたかった。
それはノルディの子供の頃からの夢見てきたこと。
レピアの横に自分がいて笑いかけられたらどれだけ嬉しいだろう。
今のレピアをどうしたいか?
もちろん、幸せになってもらいたい。
いつも笑顔で安らかな人生を歩んでもらいたい。
聖女である以上レピアの性格では難しいかもしれないが、そばで支えるのが自分であってくれれば尚更いい。
では今面会が叶わないのはなぜか。
私の事が嫌いになった?
アールへの罪悪感が増した?
このまま一生会えないのか?
ノルディは首をブンブンと横に振った。
「いくら考えてもわからないのなら、レピアに聞こう。本当に嫌われているのなら…これからもずっと会いたくないのなら…」
そのレピアの想いを優先するべきだ。
妃とし、皇都に連れてこられただけでもレピアへの危険は減っている。
この皇城内なら別居だってできる。
いや、今も部屋は別だし会えていないから別居の様なものだが、一切関わりたくないと言われると調整が必要となってくる。
レピアの本音が知りたい。
それがどんなものであっても受け止めよう。
ノルディはそう覚悟を決めてノアに会いに行った。
「ノルディ…どうしてここに…」
レピアが庭の散歩をしていると途中の休憩所でお茶の準備をして待ち構えているノルディを見つけた。
ノアが散歩に誘ってくれた。
そのコースと時間を把握しているのはノアしかいない。
レピアは後ろについてきていたノアを振り返ってみた。
「ノア…あなた…」
レピアがノルディとの面会を拒否している事を知っているノアがどうしてこんな騙し討ちの様な行動をするのかわからなかった。
「申し訳ありません。ですが、いつまでも逃げ回れないのですよ?それならば早めに話し合われた方が良いと思いました。」
ノアは悪びれる様子もなくレピアに言った。
レピアだってわかっている。
いつまでもノルディの面会を拒否などできない事を。
だけどまだ心の準備ができてない。
レピアは胸がドキドキと速くなるのを自覚した。
「レピア、ノアを責めないでくれ。私が時間を作ってくれないかと頼み込んだんだ。」
ノルディは嫌がるレピアの態度に心を痛めたが、表面には出さずレピアを休憩所の椅子に座らせた。
ノアがノルディの希望に沿ったようにみせてはいるが、このお茶会はノアがアリアと考えた計画だった。
ノルディとレピアが素直に話し合える場をどうすれば作り出せるのかを考えた上でお茶会がよいとの結論になった。
アールとレピアが出会うまで、レピアとノルディの思い出の場所だったのだから。
ノルディは自らレピアにお茶を入れる準備し始めた。
「ノルディ、あなたお茶を入れられるの?」
レピアは自分でお茶を入れた事もなかった。
いつもノアがいたし、入れ方もわからなかった。
それなのに皇子であるノルディがお茶をいれられる事に驚いた。
「ああ、レピアがよく飲んでくれる物を探していたからな。レピアの好みなら任せておけ。」
ノルディは優しく笑った。
レピアが大怪我を負った後反応がなかった頃の事を言っているのだろう。
感情を失い生きる気力さえなかったレピアにとって辛い辛い時間。
レピアは手がプルプルと震えているのがわかった。
あの時の辛い記憶が戻ってきていた。
そんな中、ノルディがカップにお茶を注ぐととても良い香りが一気に広がった。
「このお茶は…」
レピアの記憶の中でもこのお茶の香りと共に優しい言葉や体温に包まれて安心した事を思い出した。
「レピアは好きだろう?このお茶のお陰でレピアはこちらに戻ってきてくれた。」
ノルディは嬉しそうにカップをレピアの前に出した。
ノルディにとってはとても大切な思い出のお茶だった。
レピアが生きたいと思わせてくれたのだと信じていた。
だからこそ、そのお茶を飲めばレピアがまた元気になってくれると考えたのだ。
目の前のレピアに目を向けるとお茶を飲む様子もなく固まっているのがノルディの目に入った。
会いにきてはいけなかったか…
ノルディは今回の行動もレピアは嫌だったのかもしれないと顔は青ざめた。
「レピア?」
レピアの目から涙がポロリとこぼれたのを見たノルディは余計に焦った。
レピアから面会は拒否され、彼女唯一の侍女からは意味のわからない事を言われてしまった。
どうしたらレピアと会うことができる?
アリアと何の関係があるのかいくら考えてもさっぱりわからなかった。
「どうしたらいいんだ?」
ノルディは頭を抱えていた。
自分はどうしたい?
レピアと結ばれたい。愛し合って自分の妃としたかった。
それはノルディの子供の頃からの夢見てきたこと。
レピアの横に自分がいて笑いかけられたらどれだけ嬉しいだろう。
今のレピアをどうしたいか?
もちろん、幸せになってもらいたい。
いつも笑顔で安らかな人生を歩んでもらいたい。
聖女である以上レピアの性格では難しいかもしれないが、そばで支えるのが自分であってくれれば尚更いい。
では今面会が叶わないのはなぜか。
私の事が嫌いになった?
アールへの罪悪感が増した?
このまま一生会えないのか?
ノルディは首をブンブンと横に振った。
「いくら考えてもわからないのなら、レピアに聞こう。本当に嫌われているのなら…これからもずっと会いたくないのなら…」
そのレピアの想いを優先するべきだ。
妃とし、皇都に連れてこられただけでもレピアへの危険は減っている。
この皇城内なら別居だってできる。
いや、今も部屋は別だし会えていないから別居の様なものだが、一切関わりたくないと言われると調整が必要となってくる。
レピアの本音が知りたい。
それがどんなものであっても受け止めよう。
ノルディはそう覚悟を決めてノアに会いに行った。
「ノルディ…どうしてここに…」
レピアが庭の散歩をしていると途中の休憩所でお茶の準備をして待ち構えているノルディを見つけた。
ノアが散歩に誘ってくれた。
そのコースと時間を把握しているのはノアしかいない。
レピアは後ろについてきていたノアを振り返ってみた。
「ノア…あなた…」
レピアがノルディとの面会を拒否している事を知っているノアがどうしてこんな騙し討ちの様な行動をするのかわからなかった。
「申し訳ありません。ですが、いつまでも逃げ回れないのですよ?それならば早めに話し合われた方が良いと思いました。」
ノアは悪びれる様子もなくレピアに言った。
レピアだってわかっている。
いつまでもノルディの面会を拒否などできない事を。
だけどまだ心の準備ができてない。
レピアは胸がドキドキと速くなるのを自覚した。
「レピア、ノアを責めないでくれ。私が時間を作ってくれないかと頼み込んだんだ。」
ノルディは嫌がるレピアの態度に心を痛めたが、表面には出さずレピアを休憩所の椅子に座らせた。
ノアがノルディの希望に沿ったようにみせてはいるが、このお茶会はノアがアリアと考えた計画だった。
ノルディとレピアが素直に話し合える場をどうすれば作り出せるのかを考えた上でお茶会がよいとの結論になった。
アールとレピアが出会うまで、レピアとノルディの思い出の場所だったのだから。
ノルディは自らレピアにお茶を入れる準備し始めた。
「ノルディ、あなたお茶を入れられるの?」
レピアは自分でお茶を入れた事もなかった。
いつもノアがいたし、入れ方もわからなかった。
それなのに皇子であるノルディがお茶をいれられる事に驚いた。
「ああ、レピアがよく飲んでくれる物を探していたからな。レピアの好みなら任せておけ。」
ノルディは優しく笑った。
レピアが大怪我を負った後反応がなかった頃の事を言っているのだろう。
感情を失い生きる気力さえなかったレピアにとって辛い辛い時間。
レピアは手がプルプルと震えているのがわかった。
あの時の辛い記憶が戻ってきていた。
そんな中、ノルディがカップにお茶を注ぐととても良い香りが一気に広がった。
「このお茶は…」
レピアの記憶の中でもこのお茶の香りと共に優しい言葉や体温に包まれて安心した事を思い出した。
「レピアは好きだろう?このお茶のお陰でレピアはこちらに戻ってきてくれた。」
ノルディは嬉しそうにカップをレピアの前に出した。
ノルディにとってはとても大切な思い出のお茶だった。
レピアが生きたいと思わせてくれたのだと信じていた。
だからこそ、そのお茶を飲めばレピアがまた元気になってくれると考えたのだ。
目の前のレピアに目を向けるとお茶を飲む様子もなく固まっているのがノルディの目に入った。
会いにきてはいけなかったか…
ノルディは今回の行動もレピアは嫌だったのかもしれないと顔は青ざめた。
「レピア?」
レピアの目から涙がポロリとこぼれたのを見たノルディは余計に焦った。
0
お気に入りに追加
89
あなたにおすすめの小説
【完結】聖女召喚に巻き込まれたバリキャリですが、追い出されそうになったのでお金と魔獣をもらって出て行きます!
チャららA12・山もり
恋愛
二十七歳バリバリキャリアウーマンの鎌本博美(かまもとひろみ)が、交差点で後ろから背中を押された。死んだと思った博美だが、突如、異世界へ召喚される。召喚された博美が発した言葉を誤解したハロルド王子の前に、もうひとりの女性が現れた。博美の方が、聖女召喚に巻き込まれた一般人だと決めつけ、追い出されそうになる。しかし、バリキャリの博美は、そのまま追い出されることを拒否し、彼らに慰謝料を要求する。
お金を受け取るまで、博美は屋敷で暮らすことになり、数々の騒動に巻き込まれながら地下で暮らす魔獣と交流を深めていく。
召喚聖女に嫌われた召喚娘
ざっく
恋愛
闇に引きずり込まれてやってきた異世界。しかし、一緒に来た見覚えのない女の子が聖女だと言われ、亜優は放置される。それに文句を言えば、聖女に悲しげにされて、その場の全員に嫌われてしまう。
どうにか、仕事を探し出したものの、聖女に嫌われた娘として、亜優は魔物が闊歩するという森に捨てられてしまった。そこで出会った人に助けられて、亜優は安全な場所に帰る。
無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました
結城芙由奈
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから――
※ 他サイトでも投稿中
聖女を騙った少女は、二度目の生を自由に生きる
夕立悠理
恋愛
ある日、聖女として異世界に召喚された美香。その国は、魔物と戦っているらしく、兵士たちを励まして欲しいと頼まれた。しかし、徐々に戦況もよくなってきたところで、魔法の力をもった本物の『聖女』様が現れてしまい、美香は、聖女を騙った罪で、処刑される。
しかし、ギロチンの刃が落とされた瞬間、時間が巻き戻り、美香が召喚された時に戻り、美香は二度目の生を得る。美香は今度は魔物の元へ行き、自由に生きることにすると、かつては敵だったはずの魔王に溺愛される。
しかし、なぜか、美香を見捨てたはずの護衛も執着してきて――。
※小説家になろう様にも投稿しています
※感想をいただけると、とても嬉しいです
※著作権は放棄してません
王宮医務室にお休みはありません。~休日出勤に疲れていたら、結婚前提のお付き合いを希望していたらしい騎士さまとデートをすることになりました。~
石河 翠
恋愛
王宮の医務室に勤める主人公。彼女は、連続する遅番と休日出勤に疲れはてていた。そんなある日、彼女はひそかに片思いをしていた騎士ウィリアムから夕食に誘われる。
食事に向かう途中、彼女は憧れていたお菓子「マリトッツォ」をウィリアムと美味しく食べるのだった。
そして休日出勤の当日。なぜか、彼女は怒り心頭の男になぐりこまれる。なんと、彼女に仕事を押しつけている先輩は、父親には自分が仕事を押しつけられていると話していたらしい。
しかし、そんな先輩にも実は誰にも相談できない事情があったのだ。ピンチに陥る彼女を救ったのは、やはりウィリアム。ふたりの距離は急速に近づいて……。
何事にも真面目で一生懸命な主人公と、誠実な騎士との恋物語。
扉絵は管澤捻さまに描いていただきました。
小説家になろう及びエブリスタにも投稿しております。
「聖女は2人もいらない」と追放された聖女、王国最強のイケメン騎士と偽装結婚して溺愛される
沙寺絃
恋愛
女子高生のエリカは異世界に召喚された。聖女と呼ばれるエリカだが、王子の本命は一緒に召喚されたもう一人の女の子だった。「 聖女は二人もいらない」と城を追放され、魔族に命を狙われたエリカを助けたのは、銀髪のイケメン騎士フレイ。 圧倒的な強さで魔王の手下を倒したフレイは言う。
「あなたこそが聖女です」
「あなたは俺の領地で保護します」
「身柄を預かるにあたり、俺の婚約者ということにしましょう」
こうしてエリカの偽装結婚異世界ライフが始まった。
やがてエリカはイケメン騎士に溺愛されながら、秘められていた聖女の力を開花させていく。
※この作品は「小説家になろう」でも掲載しています。
私が美女??美醜逆転世界に転移した私
鍋
恋愛
私の名前は如月美夕。
27才入浴剤のメーカーの商品開発室に勤める会社員。
私は都内で独り暮らし。
風邪を拗らせ自宅で寝ていたら異世界転移したらしい。
転移した世界は美醜逆転??
こんな地味な丸顔が絶世の美女。
私の好みど真ん中のイケメンが、醜男らしい。
このお話は転生した女性が優秀な宰相補佐官(醜男/イケメン)に囲い込まれるお話です。
※ゆるゆるな設定です
※ご都合主義
※感想欄はほとんど公開してます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる