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ノルディはレピアを強く抱きしめたまま動かない。
「レピア様、後からいくらでも罰は受ける。だが、今はこのままでいてくれ。もうこれ以上自分を責めるな。幸せになる権利は民だけではなく、レピア様にだってあるのだから。」
抱きしめながらノルディはレピアの耳元で囁いた。
その言葉にもレピアは首を横に振る。
「結局、私達の言葉はレピア様に届かないのだな…」
抱きしめられて顔は見れないが、ノルディの悲しそうな声が聞こえる。
「だが、もうあなたを一人にはできない。私の妃とし見張らせてもらう。これは命令だ。アールを罪人にしたくはないだろう?真実が皆に知られるとこの街にいる幼馴染はどうなるだろうな。」
レピアは抱きしめられながらも無理やり上を向いてノルディを見た。
「やっと目があった。私の妃になる?アールを罪人にする?好きな方を選んでいい。」
ノルディはレピアの涙を指で拭った。
その時のノルディの悪魔のような笑みにレピアはゾクリとした。
「どうしてそんな事を言うの?ノルディ…様はいつだって優しくて…」
「レピア様に危険がないならいくらでも優しくしよう。だが、今のレピア様は自分を傷つけたがっている。あなたを失うわけにはいかない。今の私ならあなたを全てのものから守れる。」
「聖女だからそんなに必要としているの?」
「どう思われてもいい。どうせ私の言葉などレピア様には届かないのだから。で、どうする?私の妃になる?あなたを絶対に守るよ。ちなみに自分で傷付けるのもなしだから。」
レピアの目からハラハラと涙がこぼれる。
「あなたの妃になれば、このままアールを静かに眠らせてくれるの?」
アールの遺骨は神殿からこの地の家族の元に返されている。
だが、罪人となれば別だ。
死んでいる本人だけではなく家族も罰を受ける。幼馴染もアールの行いの原因となったのだから罰は避けられない。
アールの名は聖女に害を加えた大罪人として永遠に受け継がれてしまう。
それほどの大きな罪。
「ああ、約束しよう。この街と私達だけの秘密でいい。」
ノルディはできる限り優しくレピアに微笑む。
「わかった…あなたの妃になり、聖女としてこの国を支えていくわ。だけど私が愛しているのはアールだけだから。」
レピアはノルディを真の夫とする事を拒んだ。
聖女や神殿の権威を地に落としたレピアの後ろ盾が必要な事はレピア自身痛いほどわかっていた。
皇室の後ろ盾が必要。
そして皇室も聖女が必要。
持ちつ持たれつの関係ではあるが、妃という立場はレピアのプラスになるだろう。
心はアールに捧げる。
レピアはそれだけは譲れなかった。
「…そんな事はわかっている。あなたに私の妃としての義務は求めない。聖女でいてくれさえすればそれでいい。」
ノルディはレピアから否定されるのは想定済みだった。
だが、もしかしたら、万が一…
いつか自分の気持ちに応えてくれるかもしれない。
そんな期待が粉々に砕け散った瞬間だった。
レピア様が生きていてくれればいい。
いつか笑ってくれればそれでいい。
その為に自分の全てをかけて守る。
ノルディは自分の想いに蓋をしてそう自分に言い聞かせた。
「レピア様、後からいくらでも罰は受ける。だが、今はこのままでいてくれ。もうこれ以上自分を責めるな。幸せになる権利は民だけではなく、レピア様にだってあるのだから。」
抱きしめながらノルディはレピアの耳元で囁いた。
その言葉にもレピアは首を横に振る。
「結局、私達の言葉はレピア様に届かないのだな…」
抱きしめられて顔は見れないが、ノルディの悲しそうな声が聞こえる。
「だが、もうあなたを一人にはできない。私の妃とし見張らせてもらう。これは命令だ。アールを罪人にしたくはないだろう?真実が皆に知られるとこの街にいる幼馴染はどうなるだろうな。」
レピアは抱きしめられながらも無理やり上を向いてノルディを見た。
「やっと目があった。私の妃になる?アールを罪人にする?好きな方を選んでいい。」
ノルディはレピアの涙を指で拭った。
その時のノルディの悪魔のような笑みにレピアはゾクリとした。
「どうしてそんな事を言うの?ノルディ…様はいつだって優しくて…」
「レピア様に危険がないならいくらでも優しくしよう。だが、今のレピア様は自分を傷つけたがっている。あなたを失うわけにはいかない。今の私ならあなたを全てのものから守れる。」
「聖女だからそんなに必要としているの?」
「どう思われてもいい。どうせ私の言葉などレピア様には届かないのだから。で、どうする?私の妃になる?あなたを絶対に守るよ。ちなみに自分で傷付けるのもなしだから。」
レピアの目からハラハラと涙がこぼれる。
「あなたの妃になれば、このままアールを静かに眠らせてくれるの?」
アールの遺骨は神殿からこの地の家族の元に返されている。
だが、罪人となれば別だ。
死んでいる本人だけではなく家族も罰を受ける。幼馴染もアールの行いの原因となったのだから罰は避けられない。
アールの名は聖女に害を加えた大罪人として永遠に受け継がれてしまう。
それほどの大きな罪。
「ああ、約束しよう。この街と私達だけの秘密でいい。」
ノルディはできる限り優しくレピアに微笑む。
「わかった…あなたの妃になり、聖女としてこの国を支えていくわ。だけど私が愛しているのはアールだけだから。」
レピアはノルディを真の夫とする事を拒んだ。
聖女や神殿の権威を地に落としたレピアの後ろ盾が必要な事はレピア自身痛いほどわかっていた。
皇室の後ろ盾が必要。
そして皇室も聖女が必要。
持ちつ持たれつの関係ではあるが、妃という立場はレピアのプラスになるだろう。
心はアールに捧げる。
レピアはそれだけは譲れなかった。
「…そんな事はわかっている。あなたに私の妃としての義務は求めない。聖女でいてくれさえすればそれでいい。」
ノルディはレピアから否定されるのは想定済みだった。
だが、もしかしたら、万が一…
いつか自分の気持ちに応えてくれるかもしれない。
そんな期待が粉々に砕け散った瞬間だった。
レピア様が生きていてくれればいい。
いつか笑ってくれればそれでいい。
その為に自分の全てをかけて守る。
ノルディは自分の想いに蓋をしてそう自分に言い聞かせた。
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