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王からの呼び出し
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レイシアはベットの上でゴロゴロと動き回る。
落ち着かない‥
でも、いくら考えてもどうしたら良いのか結論なんか出ない。
頭痛くなってきた‥
もう、今日は早く寝よう。
考えても結論は出ないんだし。
現実逃避をする事に決めた。
人間、寝たらいい考えが浮かぶっていうしね。
トントン
部屋のドアがノックされる。
「こんな時間に何?」
と首を傾げながら、「はい」とレイシアは返答する。
扉の向こう側から女性の声が聞こえた。
「王付き侍女のマリアにございます。王がお呼びになっています。ご一緒願います。」
と国王付きの侍女がいきなり来た。
書面なしの呼び出しとは急を要するものであるとわかり、
「すぐに準備します。」
と立ち上がり扉を開いた。
「急な訪問で申し訳ありません。王の自室の方に向かいます。」
表情を変えずにマリアさんは言った。
ん?
今、自室って言った??
なぜ王城の謁見場や執務室ではないのか‥
王城に来て12年、王の初めてプライベートな空間に呼ばれたのは初めてだった。
嫌な予感しかしない‥
宰相や文官に聞かれたらまずい話なんだろうな。
私はもうここにいることができないかもしれない‥
アレンの夢を私も一緒に叶えていきたかった。
アレンの隣に立つ妃が私でなくても、この国を支える臣下としてアレンの側にいたかった。
長い廊下が余計に長く感じた。
このまま、到着しなければ良いのに。
どうして大人になるのだろう?
子どもの頃は何も考えなくてもアレンのそばにいる事ができたのに。
着くなと願っても無駄なことよね。
長い廊下を歩きながらレイシアは覚悟を決めた。
侍女がトントンと王の自室のドアをノックし、中に通された。
陛下の部屋はとてもシンプルね。
落ち著いた家具で整えられ、人柄がよくわかる部屋だった。
こんな機会じゃないと二度と入る事がない部屋に興味深々‥と見渡して後悔した。
王だけでなく、王妃、アレンがいたのだ。
三人はテーブルに座り、お茶を飲んでいた。
無言だ。
親子が三人でお茶を飲み、無言‥
怖い、怖すぎる光景‥
っか何、このメンバー‥
もう最悪な結論しか出てこない‥
嫌な予感しかないし、無言で睨み合う三人に近づきたくもないが、いつまでもそういう訳にはいかない。
よしと心の中でつぶやき、三人の元へ歩き出した。
逃げ出せるものなら逃げてしまいたい‥心の底からそう思うレイシアであった。
落ち着かない‥
でも、いくら考えてもどうしたら良いのか結論なんか出ない。
頭痛くなってきた‥
もう、今日は早く寝よう。
考えても結論は出ないんだし。
現実逃避をする事に決めた。
人間、寝たらいい考えが浮かぶっていうしね。
トントン
部屋のドアがノックされる。
「こんな時間に何?」
と首を傾げながら、「はい」とレイシアは返答する。
扉の向こう側から女性の声が聞こえた。
「王付き侍女のマリアにございます。王がお呼びになっています。ご一緒願います。」
と国王付きの侍女がいきなり来た。
書面なしの呼び出しとは急を要するものであるとわかり、
「すぐに準備します。」
と立ち上がり扉を開いた。
「急な訪問で申し訳ありません。王の自室の方に向かいます。」
表情を変えずにマリアさんは言った。
ん?
今、自室って言った??
なぜ王城の謁見場や執務室ではないのか‥
王城に来て12年、王の初めてプライベートな空間に呼ばれたのは初めてだった。
嫌な予感しかしない‥
宰相や文官に聞かれたらまずい話なんだろうな。
私はもうここにいることができないかもしれない‥
アレンの夢を私も一緒に叶えていきたかった。
アレンの隣に立つ妃が私でなくても、この国を支える臣下としてアレンの側にいたかった。
長い廊下が余計に長く感じた。
このまま、到着しなければ良いのに。
どうして大人になるのだろう?
子どもの頃は何も考えなくてもアレンのそばにいる事ができたのに。
着くなと願っても無駄なことよね。
長い廊下を歩きながらレイシアは覚悟を決めた。
侍女がトントンと王の自室のドアをノックし、中に通された。
陛下の部屋はとてもシンプルね。
落ち著いた家具で整えられ、人柄がよくわかる部屋だった。
こんな機会じゃないと二度と入る事がない部屋に興味深々‥と見渡して後悔した。
王だけでなく、王妃、アレンがいたのだ。
三人はテーブルに座り、お茶を飲んでいた。
無言だ。
親子が三人でお茶を飲み、無言‥
怖い、怖すぎる光景‥
っか何、このメンバー‥
もう最悪な結論しか出てこない‥
嫌な予感しかないし、無言で睨み合う三人に近づきたくもないが、いつまでもそういう訳にはいかない。
よしと心の中でつぶやき、三人の元へ歩き出した。
逃げ出せるものなら逃げてしまいたい‥心の底からそう思うレイシアであった。
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