【完結】愛する者を手に入れる事が皇帝になる条件です

みやちゃん

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これから

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アイルーナが皇帝となった事、フィンデルと婚姻した話は帝国内、属国の間ですぐに広がった。
なぜ皇帝が変わったのか。
その真相は発表されなかった為、いろんな憶測が流れた。

ダーティールの事件とイオマミール帝国前皇帝アレクサンダーがダーティール自治領を治めると発表をされ、アイルーナが皇帝となった事も関係して大騒ぎとなった。
憶測が憶測を呼び、アイルーナのわがまま皇女の噂もそれに結びつき、アイルーナの評判は最悪だった。

ついこの間まで皇帝だったアレクサンダーが自治領の領主などあり得ない。
アイルーナの後ろ盾にマーベランスがおり、アレクサンダーは失脚したのか‥
ただ、アイルーナはアレクサンダー、アリエランダの両親とも笑いながら談笑しているする姿は皇帝争いをした親子の姿ではない。
皆、混乱していた。

マーベランスより「わしより皇帝に向いている。皇帝になるべく生まれてきた。」と言わしめたアイルーナだが、孫可愛さの贔屓目だと思われていた。
真相はわからないが、世界の平和は皇帝にかかっている。
皆、皇帝が賢帝である事を祈るしかなかった。
まだ若い皇帝だが、マーベランスが助けていってくれるだろうと信じた。

そんなアイルーナ自身が皇帝として高く評価されるのは遠い先の話ではない。

アイルーナは独裁という形をとらず、フィンデルと二人三脚で帝国を治めていく。
足りないものを補い合う。
そんな二人だった。
アイルーナは決して恐怖で支配するのではなく、人の心に尽くす政治をした。
わがままな皇女との噂は本当だったのだろうかと皆が思う。

アイルーナが生涯、肌身離さず身につけていたもの。
皇帝がつけるのには見すぼらしすぎるピアス。
周囲の者が何を言ってもそのピアスを外す事はなかった。
そして、唯一の夫フィンデルの耳にも色違いのピアスがあった。
アイルーナは皇帝でありながらアレクサンダーと同じく側室を迎えなかった。
フィンデルだけを愛した。

アイルーナ、フィンデルの業績をたたえるものは多い。
だが、二人は相思相愛でずっと支え合い生きた事でも有名だ。

二人の愛の物語が世界中で流行る事になるのはまだ先の話。






FIN
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