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わがまま王女の嫁入り
名誉挽回
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結婚式の前夜は夜会を行うことが慣例であり、国民の前に貴族たちへのお披露目の意味も兼ねていた。
だからこそ、ルーマンの国中の貴族たちが夜会に参加している。
「やはり噂通りの王女様ね。わがままでみんなに嫌われて。お国から誰もきてくれないなんてね。」
「王太子も可哀想ね。大国の王女を押し付けられて。」
「王太子は何でも隣国の王女の話を聞くらしいぞ。この国は大丈夫か?」
挨拶回りをしているとクスクス笑ったり、ヒソヒソ話したりする声がミルアージュの耳に届く。
やっぱり私の評判の悪さ、こんなとこでもかなり広がってる‥
私は慣れているし、いいけど‥
クリストファーの評判を落とすのは嫌だ。
賢王の器と呼ばれるまでに努力していた彼をミルアージュは知っており、自分のせいで評判を落としたくなかった。
クリストファーをチラッと見上げる。
その視線を感じ、クリストファーはミルアージュを見て微笑んだ。
「気にしてるのか?」
「私は今までと変わらないし、大丈夫だけど、クリスの事まで言われるのは申し訳ないわね。」
「あぁ、そのことか。気にしなくても良い。そんなくだらない噂で私をどうにかできるほど落ちぶれてはいない。」
満面笑みのクリストファー
確かにそうなんだけど‥
わがまま王女の言いなりになるダメ王太子のイメージがつくのも問題だと今後の身の振り方を考えていた。
「何を考えている?」
怪訝そうにクリストファーがミルアージュに聞く。
「今後のことをね、私は表舞台には出ない方がよさそうだと。」
王太子としての彼の足を引っ張るのだけはごめんだ。
「王太子妃として表に出ないなんて無理だろう。結婚もやめにしないぞ。婚約破棄されてからこの日を6年も待ったのだ。ミアは何も気にしなくても良い。」
一息置いてからクリストファーはボソリと
「本当は、その問題も私が解決したかったのだが、ミアの後ろ盾が多すぎてな。無理やりその役割も奪われた。」
拗ねた口調でクリストファーは言う。
???
役割を奪われた?
何のことを言っているのかさっぱりわからない。
「まぁ、見ていろ。面白いことが起こる。」
クククッと笑うクリストファーに嫌な予感がした。
だからこそ、ルーマンの国中の貴族たちが夜会に参加している。
「やはり噂通りの王女様ね。わがままでみんなに嫌われて。お国から誰もきてくれないなんてね。」
「王太子も可哀想ね。大国の王女を押し付けられて。」
「王太子は何でも隣国の王女の話を聞くらしいぞ。この国は大丈夫か?」
挨拶回りをしているとクスクス笑ったり、ヒソヒソ話したりする声がミルアージュの耳に届く。
やっぱり私の評判の悪さ、こんなとこでもかなり広がってる‥
私は慣れているし、いいけど‥
クリストファーの評判を落とすのは嫌だ。
賢王の器と呼ばれるまでに努力していた彼をミルアージュは知っており、自分のせいで評判を落としたくなかった。
クリストファーをチラッと見上げる。
その視線を感じ、クリストファーはミルアージュを見て微笑んだ。
「気にしてるのか?」
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「あぁ、そのことか。気にしなくても良い。そんなくだらない噂で私をどうにかできるほど落ちぶれてはいない。」
満面笑みのクリストファー
確かにそうなんだけど‥
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「何を考えている?」
怪訝そうにクリストファーがミルアージュに聞く。
「今後のことをね、私は表舞台には出ない方がよさそうだと。」
王太子としての彼の足を引っ張るのだけはごめんだ。
「王太子妃として表に出ないなんて無理だろう。結婚もやめにしないぞ。婚約破棄されてからこの日を6年も待ったのだ。ミアは何も気にしなくても良い。」
一息置いてからクリストファーはボソリと
「本当は、その問題も私が解決したかったのだが、ミアの後ろ盾が多すぎてな。無理やりその役割も奪われた。」
拗ねた口調でクリストファーは言う。
???
役割を奪われた?
何のことを言っているのかさっぱりわからない。
「まぁ、見ていろ。面白いことが起こる。」
クククッと笑うクリストファーに嫌な予感がした。
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