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ミチルとの別れ、そして魔王復活。
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こん棒が脳天を直撃して俺の目の前が暗くなる。しまった反応できなかった。
走馬灯を見る余裕さえない。
だが突然場面は代わり、ミチルが空を見上げる。
これがいつものなら上から魔物が降ってくる。
俺は振り返らずに記憶にある魔物がいる場所に大剣を投げつける。
それに反応してミチルはジャンプをしてトドメの技を放つ。
魔物はまっぷたつにされ空中でミチルに選別された体はバラバラと地面に赤い蕾のように落ちる。
ミチルは今手に入れたスキルを確認するようにメガネをクイッとあげる。
「こいつのスキルとあいつのスキル使えばすごい技ができそうですよマサト君」
そう言うと今倒した魔物の棍棒を持ち空高く飛ぶ。
「ミラージュアタック!」
上空で叫ぶミチルのこん棒から大量の棍棒が作られすべての魔物の頭上の落ち押し潰す。
すごい。
もうこれミチルが勇者なんじゃないか? と言うくらいにすごい。
完全に俺はおまけである。
ミチルのステータスを確認するととんでもない数値を叩き出す。すべてが4桁でスキルの数に至っては確認するのも面倒なほどだ。
「ミチル大丈夫なのか?」
「うん? 大丈夫だよマサト君。これで私たち二人でやっていけるね」
「え?」
次の瞬間ミチルから俺の後方へとエネルギー波が発射された。
まるで犬が蹴られたような声がして後ろを振り替えると、そこにはバラバラになった死体が転がっていた。
褐色の肌。
金色の髪。
青い目。
「ああああああああああああああああ!」
俺はいつのまにかミチルに切りかかっていた。だがミチルはそんな俺を見てキョトンとしている。
当たらない。
当たらない。
当たらない。
俺の攻撃はミチルに届かない。
これじゃミチルを殺せない。
殺す? ミチルを? なんで?
守ると約束したのに。
だけど、ミチルはメルリィを殺した。
「マサト君、そんな殺す気の無い剣が当たるわけ無いですよ」
そう言われた俺の身体から力が抜け、俺は剣をその場に落とした。
メルリィの敵を討ちたいと思う心とミチルを守ると言う心がせめぎ剣先を鈍らせているのは分かっていた。
俺はミチルを殺せない。
俺を好きだといったミチルを殺せない。
「ミチル、俺を殺せ」
「嫌ですよ」
「殺してくれよ!」
「絶対に嫌です。せっかく邪魔物がいなくなったのにマサト君を殺したら本末転倒ですよ」
「俺はお前を絶対に愛さない。何があっても絶対」
俺がそう言うとミチルの顔は般若に代わり雄叫びをあげる。
「あいつがぁぁぁっ! あいつが! あんな奴が現れるから! なんで私の邪魔するのよ! せっかく告白できたのにぃぃぃ!!」
ミチルは八つ当たりするように木々をなぎ倒す。
俺はメルリィの死体をミチルの攻撃から守るように立った。
「もういい、そいつが現れる前に殺せばいいんだ。エルフを皆殺しにすれば良い。そうだ、ここじゃなかった。そいつを殺すのはここじゃなかったんだ!」
そう言うとメルリィは掻き消すように消え去った。
”WARNING WARNING”
スマホがけたたましく鳴り響く。
俺はポケットからスマホを投げ捨てる。
地面に投げ捨てたスマホは跳ね返り俺の足元に転がった。その画面には封印されていた魔王が復活したと表示されていた。
その魔王の名は、魔王の名は……ミチル。
走馬灯を見る余裕さえない。
だが突然場面は代わり、ミチルが空を見上げる。
これがいつものなら上から魔物が降ってくる。
俺は振り返らずに記憶にある魔物がいる場所に大剣を投げつける。
それに反応してミチルはジャンプをしてトドメの技を放つ。
魔物はまっぷたつにされ空中でミチルに選別された体はバラバラと地面に赤い蕾のように落ちる。
ミチルは今手に入れたスキルを確認するようにメガネをクイッとあげる。
「こいつのスキルとあいつのスキル使えばすごい技ができそうですよマサト君」
そう言うと今倒した魔物の棍棒を持ち空高く飛ぶ。
「ミラージュアタック!」
上空で叫ぶミチルのこん棒から大量の棍棒が作られすべての魔物の頭上の落ち押し潰す。
すごい。
もうこれミチルが勇者なんじゃないか? と言うくらいにすごい。
完全に俺はおまけである。
ミチルのステータスを確認するととんでもない数値を叩き出す。すべてが4桁でスキルの数に至っては確認するのも面倒なほどだ。
「ミチル大丈夫なのか?」
「うん? 大丈夫だよマサト君。これで私たち二人でやっていけるね」
「え?」
次の瞬間ミチルから俺の後方へとエネルギー波が発射された。
まるで犬が蹴られたような声がして後ろを振り替えると、そこにはバラバラになった死体が転がっていた。
褐色の肌。
金色の髪。
青い目。
「ああああああああああああああああ!」
俺はいつのまにかミチルに切りかかっていた。だがミチルはそんな俺を見てキョトンとしている。
当たらない。
当たらない。
当たらない。
俺の攻撃はミチルに届かない。
これじゃミチルを殺せない。
殺す? ミチルを? なんで?
守ると約束したのに。
だけど、ミチルはメルリィを殺した。
「マサト君、そんな殺す気の無い剣が当たるわけ無いですよ」
そう言われた俺の身体から力が抜け、俺は剣をその場に落とした。
メルリィの敵を討ちたいと思う心とミチルを守ると言う心がせめぎ剣先を鈍らせているのは分かっていた。
俺はミチルを殺せない。
俺を好きだといったミチルを殺せない。
「ミチル、俺を殺せ」
「嫌ですよ」
「殺してくれよ!」
「絶対に嫌です。せっかく邪魔物がいなくなったのにマサト君を殺したら本末転倒ですよ」
「俺はお前を絶対に愛さない。何があっても絶対」
俺がそう言うとミチルの顔は般若に代わり雄叫びをあげる。
「あいつがぁぁぁっ! あいつが! あんな奴が現れるから! なんで私の邪魔するのよ! せっかく告白できたのにぃぃぃ!!」
ミチルは八つ当たりするように木々をなぎ倒す。
俺はメルリィの死体をミチルの攻撃から守るように立った。
「もういい、そいつが現れる前に殺せばいいんだ。エルフを皆殺しにすれば良い。そうだ、ここじゃなかった。そいつを殺すのはここじゃなかったんだ!」
そう言うとメルリィは掻き消すように消え去った。
”WARNING WARNING”
スマホがけたたましく鳴り響く。
俺はポケットからスマホを投げ捨てる。
地面に投げ捨てたスマホは跳ね返り俺の足元に転がった。その画面には封印されていた魔王が復活したと表示されていた。
その魔王の名は、魔王の名は……ミチル。
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この魔王はミチルと同じ能力を持っていますので何でも素材に分解してしまいます
ですので現状誰も勝てません。
復活した魔王は神の時代から生きていますので現状ではマサトに勝ち目はありません。
気絶したのは限界を超えて力を使っているからですね。
マサトが気力の使いすぎで体を動かせなくったヤツの逆バージョンです。
マサトみたいに何日も動けなくならないのは(禁則事項)で(禁則事項)だからです。