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平和ボケと後悔。

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 俺は依頼所タスクからの依頼を受けることにした。依頼は駐屯地に届ける荷物と兵士の護衛だ。

 兵士を護衛すると言うのはなんとも奇妙だが、魔物との戦いで大事な兵力を減らしたくないと言うことなのだ。

 ちなみに俺たちも戦争に兵士として参加もできる、報酬は一般兵よりも遥かに高額だ。
 戦争で稼ぐ気はないし獣人とは言え殺したくないので、参加は見送ろうと思ったのだが。

「マサト君、戦争は――」
「分かった、参加させてもらう」
 理力を使いミチルの口を塞ぎ参加を表明すると、再び依頼所タスク遂行者イグゼキューター達から歓声が上がる。

「受けてくれてありがとう、みんなお前の活躍を期待しているぞ」
 ロメロが俺の肩をバンバンと叩く、それをやめさせ出発時間を聞くと明朝出発すると言うので、俺達は宿屋に行くと言って依頼所タスクを出た。

「むぐぐ」
 ミチルが必死に喋ろうとしているので理力を解く。

「酷いですよマサト君、何でしゃべらせないようにするんですか。しかも戦争に参加するなんて」

「それはミチルのせいだぞ?」
 メルリィがミチルに向かって呆れ顔で言う。

「え、何で私のせいなんですか?」
 自分の何が悪かったのか分からないミチルにメルリィが説明をする。

 戦中の国で戦争は良くないと言えば非国民となり後ろ指を指される。最悪、スパイ容疑をかけられたり、良くて悪い噂を立てられ名前が地に落ちる。そうなれば色々と動きに制約ができる。だから俺が戦争に協力する意思を見せたとメルリィはミチルに懇切丁寧に教えた。

「と言うわけだ理解できたかミチル」
 メルリィが少し怒り顔で言う。

「わたし、またマサト君に迷惑を……」

「気にするな。どちらにせよ、この国を出るのは難しそうだしな」
 俺はそう言うとミチルの頭をポンと叩いた。

「……やり直したい」
 そのミチルの言葉が何を意味しているのか、このときの俺には知るよしもなかった。



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