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遂行者。
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「それでは、私はこれで失礼致します」
サディスは俺たちにお礼を言うと依頼所を出ていった。
俺たちはこれからどうしようかと言う話をすると、待ってましたとばかりに一人の男が俺たちに近寄ってきた。
俺はそいつを睨み付けると「なにか用か?」と訪ねた。先程のやつのように追い返さなかったのは、それなりの身なりをしているからだ。
俺たちを害する気があるのかは分からないが話を聞くくらいならいいだろう。
「うむ、私はこの依頼所を預かっているものでロメロと言う。君たちはどこかの依頼所に所属しているのかな?」
その問いにメルリィを見るがメルリィは首を振る。
「いや、俺たちはフリーだ、どこにも所属していない」
「それだったら、うちに所属しないか?」
なるほどこの男、ゴンザレスたちを倒した俺を勧誘したいと言うわけか。
「お断りだ。あんな連中が所属してるところに所属したくはない」
「まあ、当然だろうな。では、どうだろう俺に紹介状を書かせてくれないか?」
「メリットは?」
「Cクラスの以来から始めることができる」
このCクラスと言うのは遂行者のランクだ。
A、B、C、C、Xの五種類に別れており。通常新規加入はXから始めなければいけない。
Xの仕事は簡単なものしか依頼されないしすることができない。
だが、紹介状を持っていれば、どこの依頼所でもCクラスから始められると言うのだ。
「それのどこに利点がある? お前らの飼い犬になる気はないぞ」
「まてまて、知らんのか? 遂行者のCクラスは国に囚われない。つまり兵役免除だ。更に依頼所で保持する情報にも閲覧可能だ」
兵役免除か、そもそも俺はこの国の者じゃないから兵役等はないが徴兵されたら確かに面倒だな。
あとは情報か、この世界の情報に疎い俺にはちょうどいいかもしれない。サディスよメルリィのやり取りをみてもメルリィが何でも知っているわけではなさそうだしな。
「では、あんたが紹介状を書くメリットはなんだ?」
「鋭いな、まあ、隠すことでもないが有能な遂行者を紹介すると俺の得点になるんだ」
ロメロが言うにはゴンザレスたちはCクラスだそうで、それを危なげ無く倒したことから俺はCクラス以上の能力があると認めたと言うことなのだ。
「ちなみにここでCクラスになったら、この地区で活動しなきゃならないのか?」
「いや、Cクラスは自由だ、どこで活動してもいい」
それなら断る理由はないか、情報も得られるなら平和の女神エレーネの教会がある場所も分かるだろ。
ミチルも魔力欲しいみたいだし、加護を受けるなら早い方がいいだろう。
魔法少女ミチルだしな。
「マサトくん急にニヤケてどうしたんですか?」
「いや、なんでもない」
ミチルの追求を首を振って誤魔化した。
「それでどうする」
ロメロが話がそれそうなのを自分の方へと戻す。
「良いだろう、紹介状はいらない、ここで遂行者になろう」
俺がそう言うと依頼所から歓声が上がった。
サディスは俺たちにお礼を言うと依頼所を出ていった。
俺たちはこれからどうしようかと言う話をすると、待ってましたとばかりに一人の男が俺たちに近寄ってきた。
俺はそいつを睨み付けると「なにか用か?」と訪ねた。先程のやつのように追い返さなかったのは、それなりの身なりをしているからだ。
俺たちを害する気があるのかは分からないが話を聞くくらいならいいだろう。
「うむ、私はこの依頼所を預かっているものでロメロと言う。君たちはどこかの依頼所に所属しているのかな?」
その問いにメルリィを見るがメルリィは首を振る。
「いや、俺たちはフリーだ、どこにも所属していない」
「それだったら、うちに所属しないか?」
なるほどこの男、ゴンザレスたちを倒した俺を勧誘したいと言うわけか。
「お断りだ。あんな連中が所属してるところに所属したくはない」
「まあ、当然だろうな。では、どうだろう俺に紹介状を書かせてくれないか?」
「メリットは?」
「Cクラスの以来から始めることができる」
このCクラスと言うのは遂行者のランクだ。
A、B、C、C、Xの五種類に別れており。通常新規加入はXから始めなければいけない。
Xの仕事は簡単なものしか依頼されないしすることができない。
だが、紹介状を持っていれば、どこの依頼所でもCクラスから始められると言うのだ。
「それのどこに利点がある? お前らの飼い犬になる気はないぞ」
「まてまて、知らんのか? 遂行者のCクラスは国に囚われない。つまり兵役免除だ。更に依頼所で保持する情報にも閲覧可能だ」
兵役免除か、そもそも俺はこの国の者じゃないから兵役等はないが徴兵されたら確かに面倒だな。
あとは情報か、この世界の情報に疎い俺にはちょうどいいかもしれない。サディスよメルリィのやり取りをみてもメルリィが何でも知っているわけではなさそうだしな。
「では、あんたが紹介状を書くメリットはなんだ?」
「鋭いな、まあ、隠すことでもないが有能な遂行者を紹介すると俺の得点になるんだ」
ロメロが言うにはゴンザレスたちはCクラスだそうで、それを危なげ無く倒したことから俺はCクラス以上の能力があると認めたと言うことなのだ。
「ちなみにここでCクラスになったら、この地区で活動しなきゃならないのか?」
「いや、Cクラスは自由だ、どこで活動してもいい」
それなら断る理由はないか、情報も得られるなら平和の女神エレーネの教会がある場所も分かるだろ。
ミチルも魔力欲しいみたいだし、加護を受けるなら早い方がいいだろう。
魔法少女ミチルだしな。
「マサトくん急にニヤケてどうしたんですか?」
「いや、なんでもない」
ミチルの追求を首を振って誤魔化した。
「それでどうする」
ロメロが話がそれそうなのを自分の方へと戻す。
「良いだろう、紹介状はいらない、ここで遂行者になろう」
俺がそう言うと依頼所から歓声が上がった。
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