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古代神ディスグレア。
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「おい、あんたらスゲーな。あのゴンザレスになにもさせないとか」
中肉中背の男が俺に近寄ってくる。
「おい、それ以上こちらに寄れば敵と見なす」
男はウンウンとうなずくと仲間の元へ戻っていった。
「マサト君、今の人は別に敵じゃないんじゃない?」
ミチルが俺の対応に不満な表情を見せる。
「ミチルは本当に平和ボケだな。今のはマサトの対応が正しいぞ。ここはさっきのやつらのテリトリーだ誰が敵か分からないからな」
とメルリィがそう言うとミチルは「そっか~」と言いながら上の空になる。
「どうしたミチル大丈夫か?」
「大丈夫だよ~。ただ、ううん……なんでもない」
そう言うとミチルは押し黙った。
最近メルリィと話してばかりでミチルと意思の疎通ができてないな。
今日、宿をとったら少し話し合うか。
俺たちはテーブルにつくと神官サディスに話の前に好きなものを頼んで良いと伝えた。
「本当によろしいので?」
「ええ、構いませんよ」
助けるなら中途半端はいけない。ちゃんと助けられないなら最初から助けるべきじゃないってばあちゃんが言ってたからな。
俺の許可が降りるとサディスは食事を頼む食い溜めと言わんばかりにテーブルにと料理が並ぶ。
「これ一人で食べるんですか?」
「すみません、痩せの大食いなもので。本当に死ぬかと思いました」
いつもは道に生えている食べられる草を食べて飢えをしのいでいるのだとか。
聖職者って言うのは存外大変なものなのだな。
「それでお話と言うのは」
あらかた料理を食べ尽くしたサディスに俺は用件を聞いた。
「はい、あなた方お二人は神のご加護がないですよね?」
サディスはミチルと俺を指差し言う。
「良く分かりますね。私たちはまだ神の加護を得られていません」
サディスの説明では神官にはその人間が何の神の加護を受けているのか見ただけで分かるそうなのだ。
この世界は改宗が禁忌とされており。改宗させたものも罪に問われるからだそうだ。
「それで、もしよろしければ我が神ディスグレアの加護を受けてはと思ったのです」
「ディスグレア? そんな神聞いたことがないぞ」
メルリィが神の名前を聞いて訝しむ。
「ええ、女神ディスグレア様は古代神ですから、一般にはその名前は伝えられてません」
古代神、俺の心がワキワキしだす。
「それで、その神の武器はなんなのですか?」
「武器は大剣と長剣の二刀流で戦神です」
そう言うと懐から神像を取りだし俺たちの前に置く。
「かっこいい……」
神様に対してかっこいいなんて言葉は不敬だが、大剣と長剣を持ち身体には龍が巻き付いていて背中には炎を纏っているその姿はそう形容するしかなかった。
「さらに――」
「入ります! 信徒にさせてください!」
俺はサディスの言葉を遮り入信の決意の言葉を口にした。
「本当ですか!?」
「ええ、こんなにも素晴らしい神の信徒にならない訳ないじゃないですか」
そう姿形が美しい以外に武器が長剣と大剣なのだ。まるで俺の為にいる神だ。これを逃したら俺はたぶん加護無しのままだ。
「すみませんディスグレア様の像を作ってもいいでしょうか?」
「これから作るのですか?」
「はい、お時間は取らせません、一瞬で作れますから」
「何をするのかわかりませんが、一瞬でしたら構いませんよ」
俺は整理棚から出した鉄のインゴットをバッグから出したように見せ、テーブルの上に置くと鉄のインゴットに製作を使いディスグレア像を作り出した。
もちろん大きさは元の大きさの四分の一だ。
「「すばらしい」」
俺とサディスの声が重なる。
鉄で作られたディスグレア像はサディスの持つ木の神像よりも神々しく美しかった。
俺たちはその素晴らしさに握手をした。
意味は分からないが握手せずにはいられなかった。
中肉中背の男が俺に近寄ってくる。
「おい、それ以上こちらに寄れば敵と見なす」
男はウンウンとうなずくと仲間の元へ戻っていった。
「マサト君、今の人は別に敵じゃないんじゃない?」
ミチルが俺の対応に不満な表情を見せる。
「ミチルは本当に平和ボケだな。今のはマサトの対応が正しいぞ。ここはさっきのやつらのテリトリーだ誰が敵か分からないからな」
とメルリィがそう言うとミチルは「そっか~」と言いながら上の空になる。
「どうしたミチル大丈夫か?」
「大丈夫だよ~。ただ、ううん……なんでもない」
そう言うとミチルは押し黙った。
最近メルリィと話してばかりでミチルと意思の疎通ができてないな。
今日、宿をとったら少し話し合うか。
俺たちはテーブルにつくと神官サディスに話の前に好きなものを頼んで良いと伝えた。
「本当によろしいので?」
「ええ、構いませんよ」
助けるなら中途半端はいけない。ちゃんと助けられないなら最初から助けるべきじゃないってばあちゃんが言ってたからな。
俺の許可が降りるとサディスは食事を頼む食い溜めと言わんばかりにテーブルにと料理が並ぶ。
「これ一人で食べるんですか?」
「すみません、痩せの大食いなもので。本当に死ぬかと思いました」
いつもは道に生えている食べられる草を食べて飢えをしのいでいるのだとか。
聖職者って言うのは存外大変なものなのだな。
「それでお話と言うのは」
あらかた料理を食べ尽くしたサディスに俺は用件を聞いた。
「はい、あなた方お二人は神のご加護がないですよね?」
サディスはミチルと俺を指差し言う。
「良く分かりますね。私たちはまだ神の加護を得られていません」
サディスの説明では神官にはその人間が何の神の加護を受けているのか見ただけで分かるそうなのだ。
この世界は改宗が禁忌とされており。改宗させたものも罪に問われるからだそうだ。
「それで、もしよろしければ我が神ディスグレアの加護を受けてはと思ったのです」
「ディスグレア? そんな神聞いたことがないぞ」
メルリィが神の名前を聞いて訝しむ。
「ええ、女神ディスグレア様は古代神ですから、一般にはその名前は伝えられてません」
古代神、俺の心がワキワキしだす。
「それで、その神の武器はなんなのですか?」
「武器は大剣と長剣の二刀流で戦神です」
そう言うと懐から神像を取りだし俺たちの前に置く。
「かっこいい……」
神様に対してかっこいいなんて言葉は不敬だが、大剣と長剣を持ち身体には龍が巻き付いていて背中には炎を纏っているその姿はそう形容するしかなかった。
「さらに――」
「入ります! 信徒にさせてください!」
俺はサディスの言葉を遮り入信の決意の言葉を口にした。
「本当ですか!?」
「ええ、こんなにも素晴らしい神の信徒にならない訳ないじゃないですか」
そう姿形が美しい以外に武器が長剣と大剣なのだ。まるで俺の為にいる神だ。これを逃したら俺はたぶん加護無しのままだ。
「すみませんディスグレア様の像を作ってもいいでしょうか?」
「これから作るのですか?」
「はい、お時間は取らせません、一瞬で作れますから」
「何をするのかわかりませんが、一瞬でしたら構いませんよ」
俺は整理棚から出した鉄のインゴットをバッグから出したように見せ、テーブルの上に置くと鉄のインゴットに製作を使いディスグレア像を作り出した。
もちろん大きさは元の大きさの四分の一だ。
「「すばらしい」」
俺とサディスの声が重なる。
鉄で作られたディスグレア像はサディスの持つ木の神像よりも神々しく美しかった。
俺たちはその素晴らしさに握手をした。
意味は分からないが握手せずにはいられなかった。
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