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18話
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殺した男達の荷物を回収すると一つも素材を回収していなかったので最初から低ランクの探索者を襲うのが目的だったようだ。
「ねえ、この階段ってもしかして安全地帯?」
「そうです、階段は安全地帯になってます」
ロルカは私に対し敬語で話すようになった。今まで通りの言葉使いで良いと言っても強いものには敬意を払うのは回収屋の掟だからと言って今まで通りには話してくれない。
ホォスは私が男達に襲われたせいで言葉を失ったままだ。
「ホォス大丈夫?」
「う、うん、ボク大丈夫だよ」
震えるホォスの頭を撫でてあげると落ち着きを取り戻し笑顔を見せる。
帰り際、回収した男達の皮袋を開けて硬貨の枚数を数えると金貨3枚分にはなった。
「何か自分が盗賊になった気分ね」
「そうですね、返り討ちにしたら良い稼ぎになって殺しがやめられなくなる人もいるそうですよ」
「だから……」
私はロルカを見て大きくため息をつく。
未だに私が自分を殺すと思っているのだろう。距離感が先ほどまでよりも遠い。
人を殺すのが良くないことと言うロルカの気持ちはわかる。だけど相手は悪意を持っているのだ悪意を持つものに善意を求めるのは間違っている。
だけどロルカが戦わないで最初から体を許す気になっていたのはそういう経験を幾度となくして助かっているからだろう。
だから殺さなくても助かるのにという考えで私を非難しているのだ。
私は金貨を一枚取り出すとロルカに渡す。
「回収屋は依頼者から金銭をもらうこと許されてません」
「口止め料よ」
私は金貨をロルカに無理矢理握らせ受け取らせるとダンジョンから脱出した。
七剣教会で素材を引き取ってもらうと金貨1枚銀貨3枚銅貨4枚で買い取ってもらえた。
ソロでここまで稼げるなら上級の探索者になれますよと買い取りの人に太鼓判を押してもらえた。
「だからなんで銀貨5枚なんだよ!」
「ですから、素材が痛んでるんですよ。素直に回収屋を雇われた方が良いですよ」
男が受付の台を叩きながら買い取り価格が安いと抗議の声をあげている。それを見たロルカが素材を見てダメなところを指摘する。
「なんだお前は! 獣人ごときが俺に指図するんじゃねぇ!」
「あたしはAクラスの回収屋だ」
ロルカは意外と余計なことに首を突っ込むタイプなのかもしれない、ホォスの研修も頼まれてもいないのにしてくれたしね。
「獣臭いと言ってるんだよ!」
男が拳を振り上げロルカ殴ろうとする。私はその振り上げた手をつかみ男を睨み付けた。
「私が雇っている回収屋にてを出さないでくれる?」
私は男の腕を強く握るギリギリと締め上げられる手に男は苦悶の表情を浮かべる。
男の動きは非常にゆっくりで全ての行動が手に取るようにわかる。
腰の短剣にてをかけている。抜かせないことも可能だけど私はあえて短剣を抜かせた。
短剣を抜いた手をとるとそのまま力で投げ捨てた。
やっぱり、あり得ない程の力が湧いてくる。身体を燃やすと言うのは火をうまく扱えるだけじゃなく身体まで強化してくれるのね。
起き上がろうとする男を足で踏みつけ押さえつける。
「面倒ね、さっさとお金受け取って帰りなさいよ」
「うるせぇ! お前の知ったこっちゃねぇだろ!」
「そうね、私には関係のないことだわ。でもね私の回収屋に手をだそうとした、それだけであなたには罪があるのよ」
男の鳩尾にパンチを入れると男は呻いてその場でうずくまる。私は受付からこの男の買い取り金を取ると口の中にねじ込み外に放り出した。
「ねえ、この階段ってもしかして安全地帯?」
「そうです、階段は安全地帯になってます」
ロルカは私に対し敬語で話すようになった。今まで通りの言葉使いで良いと言っても強いものには敬意を払うのは回収屋の掟だからと言って今まで通りには話してくれない。
ホォスは私が男達に襲われたせいで言葉を失ったままだ。
「ホォス大丈夫?」
「う、うん、ボク大丈夫だよ」
震えるホォスの頭を撫でてあげると落ち着きを取り戻し笑顔を見せる。
帰り際、回収した男達の皮袋を開けて硬貨の枚数を数えると金貨3枚分にはなった。
「何か自分が盗賊になった気分ね」
「そうですね、返り討ちにしたら良い稼ぎになって殺しがやめられなくなる人もいるそうですよ」
「だから……」
私はロルカを見て大きくため息をつく。
未だに私が自分を殺すと思っているのだろう。距離感が先ほどまでよりも遠い。
人を殺すのが良くないことと言うロルカの気持ちはわかる。だけど相手は悪意を持っているのだ悪意を持つものに善意を求めるのは間違っている。
だけどロルカが戦わないで最初から体を許す気になっていたのはそういう経験を幾度となくして助かっているからだろう。
だから殺さなくても助かるのにという考えで私を非難しているのだ。
私は金貨を一枚取り出すとロルカに渡す。
「回収屋は依頼者から金銭をもらうこと許されてません」
「口止め料よ」
私は金貨をロルカに無理矢理握らせ受け取らせるとダンジョンから脱出した。
七剣教会で素材を引き取ってもらうと金貨1枚銀貨3枚銅貨4枚で買い取ってもらえた。
ソロでここまで稼げるなら上級の探索者になれますよと買い取りの人に太鼓判を押してもらえた。
「だからなんで銀貨5枚なんだよ!」
「ですから、素材が痛んでるんですよ。素直に回収屋を雇われた方が良いですよ」
男が受付の台を叩きながら買い取り価格が安いと抗議の声をあげている。それを見たロルカが素材を見てダメなところを指摘する。
「なんだお前は! 獣人ごときが俺に指図するんじゃねぇ!」
「あたしはAクラスの回収屋だ」
ロルカは意外と余計なことに首を突っ込むタイプなのかもしれない、ホォスの研修も頼まれてもいないのにしてくれたしね。
「獣臭いと言ってるんだよ!」
男が拳を振り上げロルカ殴ろうとする。私はその振り上げた手をつかみ男を睨み付けた。
「私が雇っている回収屋にてを出さないでくれる?」
私は男の腕を強く握るギリギリと締め上げられる手に男は苦悶の表情を浮かべる。
男の動きは非常にゆっくりで全ての行動が手に取るようにわかる。
腰の短剣にてをかけている。抜かせないことも可能だけど私はあえて短剣を抜かせた。
短剣を抜いた手をとるとそのまま力で投げ捨てた。
やっぱり、あり得ない程の力が湧いてくる。身体を燃やすと言うのは火をうまく扱えるだけじゃなく身体まで強化してくれるのね。
起き上がろうとする男を足で踏みつけ押さえつける。
「面倒ね、さっさとお金受け取って帰りなさいよ」
「うるせぇ! お前の知ったこっちゃねぇだろ!」
「そうね、私には関係のないことだわ。でもね私の回収屋に手をだそうとした、それだけであなたには罪があるのよ」
男の鳩尾にパンチを入れると男は呻いてその場でうずくまる。私は受付からこの男の買い取り金を取ると口の中にねじ込み外に放り出した。
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