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第78話 伝説の三忍の影

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スイーツアイランドの光の中に足を踏み入れたタカシとユウジ。目の前に広がるのは、美しい砂糖菓子の森。しかし、そこにはただならぬ雰囲気が漂っていた。

「なんだここ…すごい甘い匂いだな。」タカシが鼻をひくひくさせる。

「おい、これ全部砂糖でできてるのか?」ユウジは近くの木を触りながら言うと、木の幹を舐めた。「うわ、ほんとに砂糖だ!」

「お前、何やってんだよ!」タカシが叱る。

すると、突然森の奥から重々しい声が響いた。

「ここは甘さだけでは生き抜けないぞ…」

謎の声

声の主を探していると、目の前の砂糖菓子の地面が突如盛り上がり、三つの影が浮かび上がった。だが、よく見るとそれらは実体ではなく、甘い香りのする幻影のようだった。

「なんだ、こいつら!?」タカシが警戒する。

「名乗るがよい!」幻影の一人が叫ぶと、三人が次々にポーズを取りながら名乗り始めた。

第一の影
「私はサルトビイチスケ!伝説の空忍だ!忍術『そよ風スウィリケーション』で空を制する!」

その瞬間、サルトビイチスケの幻影がくるりと宙を舞い、風を巻き起こした。しかし、風の勢いで砂糖菓子の木々が倒れ、タカシとユウジは粉砂糖まみれになった。

「おい、なんだこれ!」ユウジが粉砂糖を払う。

「少なくとも、甘い風ではないな…」タカシが呟いた。

第二の影
「私はハットリゼンゾウ!伝説の影忍だ!忍術『影のチョコレート・カカオバースト』で敵を闇に包む!」

彼の周囲に影が広がると、そこから無数のチョコレートの塊が飛び出してきた。しかし、タカシとユウジが驚く間もなく、そのチョコがすべて幻影だったと気づく。

「え、これ全部偽物じゃねぇか!」タカシが呆れる。

「影だからって、ちょっと手抜きすぎだろ!」ユウジが文句を言った。

第三の影
「私はフウマオオタロウ!伝説の巨忍だ!忍術『巨人のマカロンストライク』で全てを粉砕する!」

オオタロウの幻影が大きなマカロンを持ち上げ、地面に叩きつける仕草をした。しかし、当然ながら幻影なので何も壊れない。

「いやいや、なんでマカロンなの!?もっと強そうなものにしろよ!」ユウジがツッコむ。

「この伝説の三忍、大丈夫なのか…?」タカシは心配そうに呟いた。

出会えない三忍

三人が自己紹介を終えたあと、タカシとユウジが質問しようとすると、三忍の幻影が再び動き出した。

「お前たちが我らに会えるのはまだ先だ。」
「伝説の試練を乗り越えたとき、初めて我らのもとにたどり着く。」
「それまで甘い考えを捨てるのだ!」

三忍が一斉に話すが、その内容はどこか曖昧でわかりにくい。

「ちょっと待ってくれ!お前ら、具体的にどこにいるんだ!?」タカシが食い下がる。

「スイーツアイランドの奥深く…しかし、それ以上は秘密だ。」
「甘い心では近づけぬ場所にいる。」
「心を鍛えるのだ!甘さに耐えろ!」

そう言い残すと、三忍の幻影はふわっと消えてしまった。

「結局、どこにいるのか全然わからねぇじゃねぇか!」タカシが叫ぶ。

「ていうか、甘さに耐えろって何なんだよ!今も十分甘いんだけど!」ユウジが叫び返す。

甘さの試練

三忍のヒントを頼りに進んでいくと、今度は巨大なケーキの山が立ちはだかる。

「どうやらこれを越えなきゃいけないみたいだな。」タカシがケーキを見上げる。

「おい、これ食べていいのか?」ユウジがフォークを取り出す。

「食べたらまた動けなくなるだろ!」タカシが止める。

ケーキをどう攻略するか悩む二人の前に、再びジュンバ・ジュンバが現れた。

「ケーキの山か…これは『甘さの試練』の一部だな!」

「お前、また出てきたのかよ!」タカシが呆れる。

「ここを越えるには、甘さを完全に無視する精神力が必要だ。」ジュンバ・ジュンバが真面目な顔で言う。

「無視って、それどうやるんだよ!」ユウジが叫ぶ。

「簡単だ。」ジュンバ・ジュンバはキャンディ棒を振り回しながら踊る。「私の踊りを見ながら進むのだ!そうすれば甘さに気を取られずに済む!」

地獄の光景
ジュンバ・ジュンバの踊りは、想像を絶する奇妙さだった。全身をぐねぐねと動かしながら、何とも言えない不気味な歌を歌う。

「無理だ!こいつの踊りのほうが気になりすぎる!」タカシが叫ぶ。

「甘さどころじゃねぇよ!」ユウジも頭を抱える。

結局、ジュンバ・ジュンバの助けを受けず、二人は自力でケーキの山を土と水の力で削りながら進むことに成功した。

次なる謎

ケーキの山を越えると、二人はスイーツアイランドの中心部にたどり着いた。そこには不思議な扉があり、扉の上には文字が刻まれていた。

「『甘さを超えし者のみ、伝説の三忍にたどり着く』…だってさ。」ユウジが読み上げる。

「まだまだ試練は続くみたいだな。」タカシが呟く。

「でも、あの三忍、本当に伝説なんだろうな?」ユウジが不安げに尋ねる。

「会ってみないとわからないけど、あいつらに会えたらきっとスーパー忍者に近づけるはずだ!」タカシは拳を握り締めた。

「それまでジュンバ・ジュンバには会いたくねぇな…」ユウジが小声で呟いた。

こうして、二人の冒険はさらに続く――伝説の三忍との出会いを目指して。
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