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外伝 錬金術師が悪い死霊術士と戦うお話
外伝8 ジェリー
しおりを挟むリッチ討伐のあと、一応遺跡の奥を調査することになった。
驚くことに奥へ進むと現代的な見た目の廊下が続いていた。スケルトンが何体かいたので倒して、複数ある部屋を調べると、リッチの住居兼書斎になっているようで、本棚が並ぶ書斎や書庫、リビングらしき部屋があった。
さらに奥に進むと、機械的な様相になり、奥には研究室らしき広い部屋があった。研究室には工作機械や実験機材など、明らかに科学の産物が多数あった。次々と詳細鑑定で見ていったが、冷蔵庫や冷凍庫もある。さらに奥には魔導炉という動力源もあり稼働していた。
リッチは、元日本人の技術者か何かだったのだろうか?
他の隊員に聞くと、古代遺跡では稀にこのようなよく分からない機械が発見されることがあり、鑑定しても意味が分からない物が多く、一部使用できそうな物だけ持ち出すそうだ。しかしここのように動力が生きている遺跡は非常に珍しいそうで、リッチは古代遺跡の研究をしていたのではないかということだった。
私は詳細鑑定と日本の知識で何なのか分かるが、この世界の人が普通の鑑定をしても分からない物が多いだろう。これらはこの場所にある設備を使えば作れるかもしれないが、他の場所では作れない。これらの設備を作るためのワンランク下の設備の作り方は詳細鑑定でも分からないし、この世界の技術はさらに何ランクも下なので、技術的隔絶を解消して有効活用することは難しいだろう。中世の人にスマホとスマホを作れる工場を渡しても、教える人がいなければ何もできない。ほとんどの日本人も同じだろう。
まあ調査はこの世界の人にまかせるとして、私は何か使えそうな物がないか探した。
そして目についたのは、故障した機械式魔導精霊という物だった。
人間の顔サイズの丸い目覚まし時計のような形で、中心に大きな真珠のような球体が嵌っていてその周囲に機械的な幾何学文様のラインが入っている。
詳細鑑定によると、機械式魔導精霊は、戦闘サポート用のドローンのような物で、宙に浮いて移動し、知能があり喋ることもできて、無属性魔法のビーム攻撃、バリア、HP回復、色々な属性の初級魔法が使え、通信機能や撮影機能もあるらしい。動力はMPで最大10万MPまで充填できるとある。非常に高性能だ。
修理しようとしていたらしく、修理用の素材は用意されていて、修復のスキルを使えば、素材とここの設備で修理できそうだ。
修復スキルは錬金とほぼ同じ条件で使うことができるスキルで、壊れ具合によっては錬金で作るよりも必要素材、設備、MPが少なくて済むというものだ。
さっそく修復スキルを使ってみた。消費MPの少ないはずの修復スキルなのにMPがほとんど持っていかれてしまった。錬金では作れなさそうだ。材料に精霊が必要らしいので、MPが足りても無理だろう。
修理は成功したので、MPを込めれば動くはずだ。修復でMPがほとんど無くなってしまったので上級MPポーションを飲んでMPを1000回復し、500を機械式魔導精霊に込めた。
シュイーン ピー
音を立てて魔導精霊が機動し、宙に浮いた。
「起動完了。マスターヲ確認。魔力情報ヲ登録シマシタ。光学情報ヲ登録シマシタ。マスターノ名前ヲ登録シテクダサイ。」 子供の声を機械音声にしたような声で喋った。
私がマスターになったのだろうか? 修復スキルのせいかもしれない。セキュリティーに問題がある気がするが、私には都合が良い。勝手に登録していいか少し迷ったが、すでにマスターになっているようなので登録することにした。会話で登録できるようだ。
「私がマスターのアスカよ。」
「ピー。マスター名アスカ、音声情報ヲ登録シマシタ。」
「ピー。本機ノ名称ヲ設定シテクダサイ。」
名前をつけるのか。まあ適当でいいだろう。
「あなたの名前はジェリーよ。」 トムよりジェリーの方が好きだ。
「ピー。本機ノ名称ヲジェリーニ設定シマシタ。初期設定ヲ完了シマシタ。待機モードニ移行シマス。」
初期設定ができたようだ。スマホより簡単だ。
「おい、何だよそいつは。」 ガオルが話しかけてきた。
「その辺にあった物を私のスキルで修理してみたの。精霊が使われているみたいだから聖女案件ね。」 聖女権限で私の物にしてもらうつもりだ。
「・・・何だそりゃ? 役に立ちそうなのか?」
「今のところは喋るだけね。」 性能は秘密にした方が良いだろう。
「そうか。意味不明だな。まあ喋るだけでも凄い気もするが。」
変に調べられる前にしまってしまおう。
「ジェリー。スリープモード。」 適当に指示してみた。
「スリープモードニ移行シマス。」 ジェリーが台の上に着地して動かなくなった。
私はジェリーをマジックバッグにしまった。
「・・・おまえ色々隠してねえか?」 ガオルが聞いてくる。
「当たり前でしょ。」 当然隠している。
「・・・そうか。・・・そうだな。」
釈然としない顔をしているが、一応納得したようだ。
ジェリー以外には私が使えそうな物は無かったので、こっそり鑑定だけして他の隊員にまかせた。銃などがあれば良かったが武器の類はリッチ用の杖とスケルトン用の剣くらいだった。
他の機械類は魔道炉が無いと使えないし、魔導炉は持ち出せる大きさではないので、あきらめた。
他の隊員は杖、ローブ、魔導書、呪いのアクセサリーなどを持ち出すようだ。
記録をつけているようだったので、一応ジェリーもまとめ役の騎士に見せて、聖女直属隊員の権限で私が預かることを了承させた。
帰りは何事もなく、無事に首都に帰還した。
帰還後、さっそくガオルにユージとギルバーンについて説明した。
ユージとギルバーンはこの国でも指名手配されているので、手配書と一般には公開されていないユージのステータスとユニークスキルの詳細を記載した紙も渡した。
「というわけで、これが私が追っている死霊術士の情報よ。討伐隊に参加してくれるなら聖女に掛け合ってもいいわ。」
「・・・なるほどな。確かにこれは強敵だぜ。しかし見ただけで即死っていうのは回避はできるのか?」
「私が見た時は、何の予備動作も予兆もなく人が消えていたわ。回避は難しいでしょうね。」
「・・・そうか。しかし近づけないとなると俺にできることは少ないな。もちろん協力はするが・・・」
「あなたは、大量にいるであろうアンデッドとギルバーンを倒すのに協力してもらえればいいわ。ユージには近づかなくていい。ユージは私が遠距離攻撃で仕留める予定よ。」
「あの必殺技だな。確かに殺れそうだ。分かった俺も参加する。俺にもできることがあるなら問題ない。戦うぜ。」
「ありがとう。じゃあ、さっそく今回の討伐のことを報告するついでに、聖女に掛け合ってみるわ。うまくいけばあなたにも魔法武器が回ってくると思うわ。」
「おう!頼んだぜ!」
ガオルとの話が終わったあと、私は聖女セイラに今回のリッチ討伐の件を報告するために連絡をとった。セイラにはすぐに会うことができた。
さっそく今回のリッチ討伐の概要と特に遺跡の奥にあった機械類について報告することにした。機械類は日本人でないと理解できない部分が多いため、この世界の人からの報告では不十分だろう。
機械類の鑑定結果を記載した書類も用意した。過去の鑑定結果も鑑定士のスキルで書類に記載することができるので手間はあまりかからない。
「・・・というわけで、遺跡の奥に高度な科学技術が使われた機械類があったわ。鑑定結果の書類がこれよ。」
「・・・遺跡で機械類が見つかることがあるとは聞いていたけれど、これほど高度な物だとは思っていなかったわね。」 書類を見てセイラがつぶやく。
「私も驚いたわ。」
「これらの機械類をアスカのスキルでこの町に作ることはできるのかしら?」
「それは無理。作るには遺跡の設備を使わなければいけないし、遺跡に材料を持ち込めたとしても、大きさと複雑さからして、ほとんどの機械はMPが足りなくて作れないわ。特に魔導炉は今後も錬金で作れる可能性はほぼゼロね。」
「そう・・・それは残念だわ。便利になると思ったのだけれど。」
「この鑑定結果を技術者に見せて研究させるしかないんじゃない? 難しいとは思うけど。」
「そうね。検討してみましょう。報告ありがとう。」
「報告はまだあって、その遺跡でこれを見つけて私の判断で確保したの。壊れていたけどスキルで修理したわ。使いたいから許可をお願い。」 機械式魔導精霊のジェリーの鑑定結果を見せた。
「・・・知能があるドローンがあったの? 本当に?」
「見せていいなら出すわ。」
セイラが横にいた騎士に目くばせすると、護衛の女性騎士1名を残して全員退室した。ちなみに聖女の側近たちは私に対して非常に好意的だ。私の能力を知って、私を聖女に次ぐ特別な存在として扱っているようだ。
「出していいわよ。この子は護衛騎士のマリー。信用できるから大丈夫よ。」
護衛騎士のマリーは、聖女のお気に入りと言われていて、聖女の権力で周囲に協力させてレベル上げを行い高レベルに至ったらしい。私が作った装備も優先的に回されている。珍しい女性騎士で、おそらくガオルが因縁をつけてきた理由になった人だ。レベル上げに協力させられたのかもしれない。とはいえ実力は確からしく、周囲が協力がしたとしても体力的に不利な女性の騎士が高レベルになったことがそもそも凄いことらしい。それに男女関係なく権力があっても高レベル者を育てるのは結構難しいそうだ。失敗して死んだり大怪我して戦えなくなったりすることが多いらしい。
マジックバッグからジェリーを出してテーブルに置く。
「ジェリー。起動して。」
シュイーン ピー
音を立ててジェリーが機動して宙に浮いた。この数日間寝る前にMPを込めていたので充填MPは増えている。
「起動完了。」 セイラとマリーは驚いている。
「二人に自己紹介して。」
「ワタシハ機械式魔導精霊ノジェリーデス。」 子供っぽい機械音声で挨拶した。
「・・・驚いたわね。どのくらいの性能があるのかしら?」
「まだ性能の確認はできていないわ。」
「そう。できれば私も欲しいけれど・・・材料を用意するのは難しそうね。」
書類に書かれている材料を見ている。やはり精霊は用意できないのだろう。
「ほとんど壊れていなかったのに修理に大量のMPを消費したから、材料があっても多分MPが足りなくて作れないわ。」
「そう。残念だわ。じゃあもし不要になったら譲ってちょうだいね。」
「わかったわ。」 まあ弱かったら譲ってもいいか。
「マスター権限ノ譲渡ヲ行ウ場合ハ、クルセイド社ノ窓口マデ本機ヲオモチクダサイ。」
話の流れを読み取ったのか、指示していないのに喋り出した。マスター権限の譲渡はすぐにはできないようだ。確かに戦闘用ならおかしくはない。でもクルセイド社は今でも存在しているのだろうか。
「・・・クルセイド社はどこにあるの?」 セイラが質問した。
「ピー。情報ヲ取得デキマセンデシタ。ネットワークニ接続デキマセンデシタ。ネットワーク環境ノ良イ場所ニ移動シテクダサイ。」
「・・・・・」 私達は沈黙した。
その後、修復スキルを使ったら勝手にマスターになっていたことを伝え、使用許可をとった。ガオルの事も伝えて、部屋を出た。
報告を終えたあと、ジェリーのテストを近場の魔物が出る森で行った。あまり期待できない気がするが、魔物相手に戦闘力を確認するためだ。
ジェリーのビーム攻撃は、仕様上魔法攻撃600相当の無属性魔法で1分間に45発発射できて1発あたりの消費MPは50だそうだ。試しにゴブリンに撃つと1発で倒すことができた。オークもヘッドショットなら1発だ。命中精度も良い。オークのお腹に当てた場合は2~3発で倒せた。結構強いが、連射しているとすぐMPがなくなりそうだ。
バリアはかなり頑丈だった。MPがあれば壊される可能性は低そうだ。ただ攻撃を受けると吹き飛んで行ってしまった。吹き飛ぶことで衝撃を逃がしてダメージやバリア貫通を防ぐ仕様だそうだ。私にバリアを張る場合は、ジェリーが私の頭の真上にきて私を中心に球状のバリアが張られた。試しにオークに殴らせてみると、私もバリアごと吹き飛ばされてしまった。しかし、私はバリアの内側にぶつかることはなく、見えないエアバッグで押されている感じでバリア内で立ったまま吹き飛んだ。バリアが転がっても私が回転することはなく、揺れるが私は立っていられた。木にぶつかったりしながら転がっている最中は、まるで立ったままジェットコースターに乗っているような感じだった。安全なのは良いが酔いそうだ。MP消費も多いので緊急用だろう。
回復は1MPあたりHPを1回復できるそうだ。これも緊急用だろう。
色々な属性の初級魔法も使えるが、初級魔法は念力で軽い物を持って動かせたり着火したり水を出したりどれも戦闘用ではなく便利魔法程度だ。唯一ライトがアンデッド戦で多少役に立つくらいだろう。
そして通信撮影機能は使えなかった。当然カメラやマイクはついているが、撮影した映像は、対応したタブレットなどに接続しないと見れないようだ。タブレットなどがあれば遠方にいても映像をリアルタイムで見たり会話したりできるらしい。無いので意味が無い。唯一音声の録音再生はできるが偵察や連絡用としては微妙だ。
総合的に評価すると戦闘用としては結構強いがMP消費が多い。ザコ相手に使っているとMPがすぐ無くなりそうだ。戦闘以外には野営に便利なくらいであまり使い道はない。基本は緊急用や強敵相手の支援用だろう。
戦闘では燃費が悪いが、移動と会話だけなら常時起動していても1日500MPくらいしか消費しないらしいので、普段は背中の左肩あたりに張り付いて背後を警戒しておいてもらうことにした。少し怪しいが、宙に浮いていなければそこまで目立たないだろう。
性能確認を終え、自室に戻り休むことにした。
食事をとった後、体を拭いて着替えてベッドに入ろうとして、ジェリーを見る。一人の部屋が少し寂しくなくなった気がする。
「ジェリー、前の持ち主はどんな人だったの?」 ふと気になったので聞いてみた。
「以前ノマスターノ情報ハアリマセン。マスターガ変更ニナッタ場合ハ、情報ガ自動的ニ消去サレマス。」
一応セキュリティ機能はあるのか。これなら色々教えても問題ないだろう。
ジェリーの知能がどのくらいあるのかいまいち分からないが、ジェリーに私の目的も教えておくことにした。
「ジェリー私の目的は、ユージという死霊術士を殺すことよ。これがユージの情報だから覚えておいて。」
ジェリーにユージの情報が記載された書類を見せる。
「了解シマシタ。任務設定完了。任務達成支援ヲ行イマス。」
任務設定というのができるようだ。まああまり期待しないでおこう。
ジェリーには寝ている間の警戒も頼むことにしよう。
「寝ている間の警戒をお願いね。おやすみジェリー。」
「了解シマシタ。オヤスミナサイマスター。」
私はジェリーにMPの補充を行い眠りについた。
窓から差し込む月明りに照らされて、ジェリーは美しく輝いていた。
季節は夏になり、私のレベルは、37になっていた。
ーーーーー
名前 アスカ
種族 人間Lv37
年齢 19
職業 錬金術師Lv37 鑑定士Lv35 槍士Lv34 戦士Lv24
HP 7688/7688
MP 11265/11265
身体能力 56+7
物理攻撃 1536+300
物理防御 941
魔法攻撃 749+450
魔法防御 676
ユニークスキル
詳細鑑定
スキル
錬金
錬金レシピ
修復
付与
合成
複製
大量錬金
錬金術魔導書作成
鑑定
鑑定結果記載
鑑定記録
偽装解除
鑑定妨害
鑑定魔導書作成
槍術
パワースラスト
ハードチャージ
スマッシュジャベリン
ブロウスイング
ポールハイジャンプ
フォーリングアサルト
身体強化
物理攻撃強化
物理防御強化
魔法防御強化
威圧
ーーーーー
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