Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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母の暴走

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 そういえば…2人ともお城を離れる訳には行かないじゃない?と言っていたけど、父に送ってもらったという事はやっぱり2人ともお城から離れてるじゃないのか?という突っ込みは飲み込んでおこう。

「さぁさ、ともかく今日は疲れたでしょう?爺、お願いね。」

 畏まりました、と1階へ降りていく。爺の事だから夕食作ってくれたんだろうな~。と思っていたらそれはそれは凄いご馳走が並んだ。

「何?どうしたの?この料理。」

「番が見つかったと聞いたのでお祝いのつもりだったのよ?でもね~……。」

「お気持ちが嬉しいですお母様。」

 色々と突っ込みたいけど理想的回答を返しておこう。確かに凄く疲れた。

「今日は全てノエル様の好物で揃えておりますよ。」

 どこかの好好爺のようにホッホッホと笑いながら給仕を始めた。
 今日はローストビーフにコーンスープ、赤カブとサーモンのマリネ、生春巻きの餡掛けと鯛茶漬け。
…最後のがメニューにあって無いと言われるかも知れないし、スープがあるのに茶漬けというご指摘もあるだろうが、敢えて無かったことに。


 爺のお風呂のご用意が整っておりますよ、の言葉に (ああ。爺はあのお風呂知らないよな)と思いながら入りに行く。

「うそ!?爺?…解ったんだ?」

ホカホカになって2階へ上がるとお母様のお肌チェックが入った。

「まぁ、ノエルの肌スベスベね。モチモチして気持ち良い触りごこち…お城にいる時より肌が綺麗だわ!ノエル、秘訣は何かしら?」

 お母様、目が笑ってません。怖いです!

「王妃様、恐らくノエル様の特殊なお風呂ではないかと推察致します。」


 そして母は…今日お泊まりが決定しました。
更に、その夜パックをした母はパック後の肌を気に入り…暫く滞在するそうです。
 王妃業はどうするのかと聞いたら…「愛する王子を奪われたショックで寝込んでおりますよ」という返事でした。
 この先が大変です。

 因みに寝る場所は僕のベッド。昔のベッドがまだ組み立てて無かったのだけど、爺がいつの間にか組み上げてベッドメイクまで終わらせていた。

 


 母の暴走はまだ続いた。花祭りも終盤になり昨日より早めに店を閉めてダンスを見に行こうとしたところへまたもやアーノルドがやってきた。

「家の子に何か?!」

 僕が対応するより速く母がアーノルドに向かって行ってしまった。しかも家の子って言っちゃったよ母親は居ないって設定なのに…。まぁ言ってはいないからなんとかなるけど。

「家の子と言われたな?貴女はαのようだが…それもかなり優位のαですね?」

 僕に対する態度と全く違う!母だって花祭りに参加すると言うので街人のお洒落をしているから一般人に見えるのに、α至上主義者か?

「…貴女は…どこかでお見かけしてますね?そう…城の中で。ではあのオメ…彼も貴族か?」

「ええ!私の大事な息子ですよ?昨日様子を見に来てみれば貴方との遣り取り……。αにとってΩが必要な事は知っているでしょう?何故あのような態度をとるのですか?」

 さぁちょっとおいでなさい、と手を引いて休憩所の方へ入ってしまった。

「ノエル、貴方もおいでなさい。片付けは任せて良いから。ああ、お茶は欲しいわね?」

 母様…僕は嫌な予感しかしません。



















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