Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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花祭り前日

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 ほとんど用意は終わってる。あまり布で作ってる【しおり】も沢山あるからもう良いかな?
 飾りの花も付けた。商会のレナードさんに休憩所の事を話したらガーデンテーブルや椅子、ベンチを貸してくれたので今日はその配置とテーブルに置く飾りを作ろう。

 実はこの休憩所、レナードさんの店の引き換え券を置いた。提案したら凄く乗り気でさっさと引き換え券を作って持ってきた。

 引き換え券の表側には 〈ゴーゴン商会協力の元休憩所をご用意〉と書かれていて裏側に〈ゴーゴン商会 噴水広場本店にてお買い求めの際此方をお渡し下さい。プレゼントがございます。〉とある。
 協力って…確かにテーブルや椅子を貸してもらってるけど、他は僕がやってるんですけどね!

 
 …どこからだろう?花とは違うのに甘くて爽やかな香。…これは、駄目だね。番がいる!とっさに判断出来たのはやはり教育かな?

 慌てて店に入って戸締まり。まだ僕が発情期を迎えるようになって無くてよかった。ちょっと発育が悪いのがコンプレックスだったけど今日はそれに感謝します。
 一般的にαがΩを見つける事が多いらしいので、僕のことも悟られたかも知れないけど今日はもう外に出る事は………あったよ。ポニ太とポニ子が裏庭で日向ぼっこ中だよー。まぁまだ日暮れまで2刻ほどあるから何処かに行ってしまうだろう。

 そんな甘い考えしてました。どうしよう。今、僕の目の前にギラギラした目のαが居ます。家も知られたから逃げられない。それに普通番を見つけた人の目はキラキラであって、ギラギラではないはず。
どういう事でしょう?

「お前の名前は?」

 最初の一言目がそれですか?失格。やり直し。って喉まで出てた。この香りは確かに番なのだろうけど、恋物語にある甘い雰囲気や戸惑いなどは無い。向こうもその様で反対の意味で戸惑う。

「あなたこそ、どちら様ですか?」

数秒お見合い状態が続いて…去って行った。
あれ?拍子抜けしちゃう。でも良くない気がする。
花祭りは明日だし逃げられないし……爺!助けて!


 緊急連絡用のポニ子を走らせた。
行き先は城だけどポニ子は爺のポニ朗とよく似ていて爺の街の家と連絡役をしていた。今は引退したけどそれを知ってる人間は居ないのでばれる事はない

 ん?ポニ朗の名前誰がつけたのか?僕だよ。

そんなのはどうでも良い話で、ポニ子に持たせた手紙は爺の孫を装って予め決めていた文で送った。

《おじいちゃんへ   今度帰って来るときのお土産は鳥の番がいいです。ちっちゃい鳥ね。》

という手紙だ。決めていたのはキーとなる言葉と重要度。重要度が高いほど小さくするとしていた。
…ポニ子頑張って届けてね~。

 それにしてもあの顔、どこかで見た事あるよ。隅々まで思い出そう…まずあの様子から貴族、それもかなり高位の貴族だろう。ならば城の中で顔を知ってる程度の人達…大臣の年齢じゃない。もっと若いから…弟の教育係?いや、全員知ってるはずだ。

 本当に誰だろう?





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