Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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まったりタイム

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 この国のお風呂は盥にお湯を張ってジャブジャブ洗うだけ。今日の昼までは王族だった僕が言うんだから間違いないよ。城ですらお湯で流して擦られてまた流して香油つけて刷り込んでまたさっと流して終わり。
 でも僕は肩までお湯に浸かる気持ち良さを知ってしまっているから物足りない。

 でも今日からは違うよ!特注品だよ!この家には僕が望むお風呂を用意した。お風呂のスペースはちゃんとあるから水はけも問題ない…訳じゃ無いけど、まぁ目を瞑ろうかな。
 大変なのは風呂桶だよ。しかも足を延ばしたいから一生懸命考えた。考えて考え抜いたら……馬用の水おけになった。
 ちゃんと新しいから!!特注品だし!
 特注品っていうのは、城にいるとき作ってもらったから。「僕の為に馬用の水おけ作ってください」って言ったもの。間違ってないよ?サイズも水はけ用の穴もちゃんと指示通り出来上がった物を此処に運び込んだわけ。

 大変だったよー。ポニ太とポニ子が頑張って引っ張ってくれたからお風呂に入れる。
 お風呂の水は噴水から樽に入れて樽からは木製のバケツで入れてる。そのうちもっと楽にしよう。
後はこれまた城で作ってもらった金属の筒に焼けた炭を入れていくとその熱で水が温まるという昔のお風呂の様式にした。なんか名前があったけどそこまでは覚えて無い。

 お風呂の水は洗濯にも使うから無駄にはならないし燃料の薪はこの街ではとても安い。子ども達の良い小遣い稼ぎになってるようだ。

 お湯がいい感じになってきた。先に体を洗って…髪も洗って…お湯に浸かると「う”あ”-」とおっさんのお風呂になってしまったが、至福!


 そんな至福を十分堪能してさぁ寝ましょ~と思っていた時、店に方のドアが乱暴にノックされた。
 …あ、忘れてた。

「はいはい、そんなに乱暴に叩かないで。ここはそんな店じゃないよ。」

「開けろ!見回りだ。」

「は?見回り?聞いたことないよ。」

「良いから開けろ!行方不明の人を探してる。」

 ドアの上の方にあるのぞき窓を開けると兵士のようだが、個人に雇われた私兵のようだ。だが一般人には見分けなどつかないだろう。

「兵隊さん?」とわからない風を装って開ける。

「今晩は、こんな時間になんですか?」

「今晩は、夜分に失礼。行方不明の人を探している。特徴は」

「ああ、門のとこで聞いた人?」

「なんだ、聞いたのか?」

「ええ、金髪で肩までの長さで目は碧眼だったかな?昼頃居なくなったって聞いたけど。」

「そうだ。あー聞きにくいが…この家には1人か?…いや、誤解するな!職務上の質問だ。」

「ご覧の通りここは店ですよ。その格好で入らないで下さいね?入るなら靴脱いで埃を払って…。」

 ランプに火を入れて店を明るくしながら兵士に言う。ちょっと言い過ぎかな?まぁ大人しく靴脱いでズボンの埃払ってるからいいか。

「なんだ?お嬢さん達の店か?」

 さぁどうやって早く帰ってもらおう?

 















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