12 / 685
準備は順調
しおりを挟む
結局、大臣達3人は僕を見て話をする事は無かった。ずっと「一般人になったら無関係」という返答だったため、その返答を最大限に解釈した。
「一般人になったら」ならば王子の今は良いと考えた。まぁ今までとやることは変わりないのだが、やることを増やした。
あの噴水通りの店は知られないように細心の注意をはらっている。何の為か?一般人になったとはいえ本当は第一王子で王位継承権がありましたなんて知れたら陰謀に使われるから。そんなの嫌だもの。
そして、今後について不安に感じている王子が何もリアクションを起こさないのはおかしいでしょ?だから世間知らずの王子は今後の為に王様にお願いした。
〈追い出される可哀想な王子に、家とお金を大臣達には内緒で用意してください〉って。
父様も自分を王様と呼ぶ僕に何かを感じたらしく〈甘えた考えの可哀想な王子〉の僕に〈可哀想な王子を溺愛した王様〉を演じてくれた。フリだけで十分だったのに父はせっかく甘えてくれたのだからと本当に小さな家と金貨50枚を渡してくれた。
……ありがたい。有効に使わせていただきます。
翌日また本来の姿で街に行った。ちょこちょこ荷物を運び込んでいたのでもう僕の城の部屋にはそんなに荷物は無い。昨日の事もあるしそろそろ潮時なのだと思うがやはり少しでも父母弟の側に居たいから踏ん切りがつかない。
気分転換しようと店の外に出ると、道を歩いていた2人の女性と目が合った。
「こんにちは」と挨拶をして通り抜けようとしたとき、40才くらいの女性の方に声をかけられた。何処かの良いお家の奥さんかな?
「こんにちは、あなたここの人?」
「はい、そうです」
「まぁ、ねぇここはお店になるのよね?何のお店になるのかしら?」
狙い道理だ。興味津々のようだね。お店が出来るよ~って雰囲気を出しながら改装をしていたし、入り口付近もまだ看板が無いだけで可愛らしく仕上がっている。
「このお店は小物を売るお店です。まだ開店出来ないのですが、こういう物を売ります。」
と僕が持っていた刺繍のハンカチを見せた。
「まぁ!とても綺麗な模様ね?見たこと無いわ。あなたのお店はいつ開くの?」
若い女性の方が少し興奮気味で訪ねてきた。
珍しい模様ってアーガイルなんだけど。
「こんにちは、ありがとうございます。この刺繍は僕がしたものです。お店の開店は父が戻ったらと思っていたのですが…戻りが遅いので少し心配してます。」
「まぁ、そうなのね。お店が開くのを楽しみに待ってるわ。」
ウフフと笑い手をふって去って行く2人を見てちょっと自信が沸いてきた。そうだ!思いついた物がある。アレなら端切れで作れて色々な形でも可愛いし値段も抑えられる。早速作ってみようとルンルン気分で店に戻った。
気分が変わりすっきりした所で明日はレナードの所に行ってみようと思う。もう城を出た方が良いと思うのだ。荷物は粗方運び終わってるし此方は裏庭も含めて快適な環境になった。それにもう少しで金貨2枚の家賃期間が終わる。父様に貰った金貨はできるだけ使わないでいきたいからね。
「一般人になったら」ならば王子の今は良いと考えた。まぁ今までとやることは変わりないのだが、やることを増やした。
あの噴水通りの店は知られないように細心の注意をはらっている。何の為か?一般人になったとはいえ本当は第一王子で王位継承権がありましたなんて知れたら陰謀に使われるから。そんなの嫌だもの。
そして、今後について不安に感じている王子が何もリアクションを起こさないのはおかしいでしょ?だから世間知らずの王子は今後の為に王様にお願いした。
〈追い出される可哀想な王子に、家とお金を大臣達には内緒で用意してください〉って。
父様も自分を王様と呼ぶ僕に何かを感じたらしく〈甘えた考えの可哀想な王子〉の僕に〈可哀想な王子を溺愛した王様〉を演じてくれた。フリだけで十分だったのに父はせっかく甘えてくれたのだからと本当に小さな家と金貨50枚を渡してくれた。
……ありがたい。有効に使わせていただきます。
翌日また本来の姿で街に行った。ちょこちょこ荷物を運び込んでいたのでもう僕の城の部屋にはそんなに荷物は無い。昨日の事もあるしそろそろ潮時なのだと思うがやはり少しでも父母弟の側に居たいから踏ん切りがつかない。
気分転換しようと店の外に出ると、道を歩いていた2人の女性と目が合った。
「こんにちは」と挨拶をして通り抜けようとしたとき、40才くらいの女性の方に声をかけられた。何処かの良いお家の奥さんかな?
「こんにちは、あなたここの人?」
「はい、そうです」
「まぁ、ねぇここはお店になるのよね?何のお店になるのかしら?」
狙い道理だ。興味津々のようだね。お店が出来るよ~って雰囲気を出しながら改装をしていたし、入り口付近もまだ看板が無いだけで可愛らしく仕上がっている。
「このお店は小物を売るお店です。まだ開店出来ないのですが、こういう物を売ります。」
と僕が持っていた刺繍のハンカチを見せた。
「まぁ!とても綺麗な模様ね?見たこと無いわ。あなたのお店はいつ開くの?」
若い女性の方が少し興奮気味で訪ねてきた。
珍しい模様ってアーガイルなんだけど。
「こんにちは、ありがとうございます。この刺繍は僕がしたものです。お店の開店は父が戻ったらと思っていたのですが…戻りが遅いので少し心配してます。」
「まぁ、そうなのね。お店が開くのを楽しみに待ってるわ。」
ウフフと笑い手をふって去って行く2人を見てちょっと自信が沸いてきた。そうだ!思いついた物がある。アレなら端切れで作れて色々な形でも可愛いし値段も抑えられる。早速作ってみようとルンルン気分で店に戻った。
気分が変わりすっきりした所で明日はレナードの所に行ってみようと思う。もう城を出た方が良いと思うのだ。荷物は粗方運び終わってるし此方は裏庭も含めて快適な環境になった。それにもう少しで金貨2枚の家賃期間が終わる。父様に貰った金貨はできるだけ使わないでいきたいからね。
92
お気に入りに追加
2,676
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。


ある少年の体調不良について
雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。
BLもしくはブロマンス小説。
体調不良描写があります。

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです
おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの)
BDSM要素はほぼ無し。
甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。
順次スケベパートも追加していきます

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる