Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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準備は順調

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 結局、大臣達3人は僕を見て話をする事は無かった。ずっと「一般人になったら無関係」という返答だったため、その返答を最大限に解釈した。
 「一般人になったら」ならば王子の今は良いと考えた。まぁ今までとやることは変わりないのだが、やることを増やした。

 あの噴水通りの店は知られないように細心の注意をはらっている。何の為か?一般人になったとはいえ本当は第一王子で王位継承権がありましたなんて知れたら陰謀に使われるから。そんなの嫌だもの。

 そして、今後について不安に感じている王子が何もリアクションを起こさないのはおかしいでしょ?だから世間知らずの王子は今後の為に王様にお願いした。
〈追い出される可哀想な王子に、家とお金を大臣達には内緒で用意してください〉って。

 父様も自分を王様と呼ぶ僕に何かを感じたらしく〈甘えた考えの可哀想な王子〉の僕に〈可哀想な王子を溺愛した王様〉を演じてくれた。フリだけで十分だったのに父はせっかく甘えてくれたのだからと本当に小さな家と金貨50枚を渡してくれた。
……ありがたい。有効に使わせていただきます。


 翌日また本来の姿で街に行った。ちょこちょこ荷物を運び込んでいたのでもう僕の城の部屋にはそんなに荷物は無い。昨日の事もあるしそろそろ潮時なのだと思うがやはり少しでも父母弟の側に居たいから踏ん切りがつかない。
 気分転換しようと店の外に出ると、道を歩いていた2人の女性と目が合った。

「こんにちは」と挨拶をして通り抜けようとしたとき、40才くらいの女性の方に声をかけられた。何処かの良いお家の奥さんかな?

「こんにちは、あなたここの人?」

「はい、そうです」

「まぁ、ねぇここはお店になるのよね?何のお店になるのかしら?」

狙い道理だ。興味津々のようだね。お店が出来るよ~って雰囲気を出しながら改装をしていたし、入り口付近もまだ看板が無いだけで可愛らしく仕上がっている。

「このお店は小物を売るお店です。まだ開店出来ないのですが、こういう物を売ります。」

と僕が持っていた刺繍のハンカチを見せた。


「まぁ!とても綺麗な模様ね?見たこと無いわ。あなたのお店はいつ開くの?」

 若い女性の方が少し興奮気味で訪ねてきた。
珍しい模様ってアーガイルなんだけど。

「こんにちは、ありがとうございます。この刺繍は僕がしたものです。お店の開店は父が戻ったらと思っていたのですが…戻りが遅いので少し心配してます。」

「まぁ、そうなのね。お店が開くのを楽しみに待ってるわ。」 

 ウフフと笑い手をふって去って行く2人を見てちょっと自信が沸いてきた。そうだ!思いついた物がある。アレなら端切れで作れて色々な形でも可愛いし値段も抑えられる。早速作ってみようとルンルン気分で店に戻った。
 
 気分が変わりすっきりした所で明日はレナードの所に行ってみようと思う。もう城を出た方が良いと思うのだ。荷物は粗方運び終わってるし此方は裏庭も含めて快適な環境になった。それにもう少しで金貨2枚の家賃期間が終わる。父様に貰った金貨はできるだけ使わないでいきたいからね。





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