Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

文字の大きさ
上 下
5 / 685

始動

しおりを挟む
 最近僕はある計画を立てている。
手元には銅貨、銀貨、大銀貨、金貨があり合計すると金貨12枚ぶんくらいある。街へ出るようになって、本当の見習い小間使いのように城のお使い(僕に頼んだ人は王子って知らない)に行った駄賃や試しに僕が作った手芸品を売って稼いだ。
 
 僕はもう11才にとっくになり、12才の誕生日まであと半年となっていたからこの計画を進める事にした。協力者は最近無理が効かなくなってきた爺に代わり爺の末の弟だ。

 爺は城の側仕えとして名が街でも知られている為(顔は知られてないんだよ。)紹介状を書いて貰う。
王族の側に仕えてるという信用がとても大事だ。

そして爺の弟を僕の父ということにした。
 街で店を借りて商売するためだ。売り物が結構良い品が多い為、店を出す場所も良く考えないといけない。
 狙い目は一般人でもお金を多くもつ、富豪や大商人が住む中央付近だろう。これも爺の紹介状があれば良い条件で探し出せる筈だ。


 爺の弟さんは良くも悪くも貴族だった。
下級貴族なので頼んだ事は何も詮索せずいてくれるのだが、【貴族】が隠せない。

 もう1つ設定を加えて再度計画を練った。
そして、僕のこの後の設定が決まった。
僕は 【落ちぶれた下級貴族の息子。父はまだ落ちぶれた事を理解しない下級貴族。
 しっかり者の息子は事態を理解し昔の栄光を忘れられない父に代わり生活のために商売を始めようとする。
 父は昔の伝手を辿り商品の買い付けに出るが店を借りて半年で死亡。息子は父が買い付けた品物で店を切り盛りし始める】

 これならば、王族の下賜品の生地で品物が売られていても伝手を頼りに下賜品を手に入れたと思ってもらえる。だって、どんな富豪でも一般人が下賜品を手に入れるにはとんでもなく無理があるからだ。

 さて、爺が紹介状を書いてくれた人はどんな人かな~?


 ノッカーをコンコンっとして扉が開くのを待つ。
父役のターダが待つ馬車は少し離れた所だ。
ギィと木の扉が開く音がして小間使いらしい子供が顔を出す。
 紹介状を渡し、面会を求める。没落貴族らしく少々世間ズレして突然の面会だ。

 まだ没落貴族といっても称号は残っていることになっているので、腐っても貴族。門前払いは無いと思うがドキドキする。

 紹介状の裏書きを見た子供は取り敢えずと中に入れてくれる。ターダを呼び一緒に中に入ると、思ってもいなかった行動をターダがしだした。

「ノエル、これを見なさい。この絵は400年ほど前のカットラの絵だ。彼は大変な浪費家で………………。
ああ。此方の壺は東洋の○○焼きという。さして珍しい焼き物ではないがこの形が素晴らしい!」

なんだろう。懐かしさを感じる蘊蓄だな……いや違うそんな場合では無い。
 確かに、その鑑定眼は正しい。僕もわかったよ。でもお願いだからこれから世話になる人の家の物を勝手に鑑定しないでほしい。






しおりを挟む
感想 194

あなたにおすすめの小説

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです

おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの) BDSM要素はほぼ無し。 甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。 順次スケベパートも追加していきます

無名の三流テイマーは王都のはずれでのんびり暮らす~でも、国家の要職に就く弟子たちがなぜか頼ってきます~

鈴木竜一
ファンタジー
※本作の書籍化が決定いたしました!  詳細は近況ボードに載せていきます! 「もうおまえたちに教えることは何もない――いや、マジで!」 特にこれといった功績を挙げず、ダラダラと冒険者生活を続けてきた無名冒険者兼テイマーのバーツ。今日も危険とは無縁の安全な採集クエストをこなして飯代を稼げたことを喜ぶ彼の前に、自分を「師匠」と呼ぶ若い女性・ノエリ―が現れる。弟子をとった記憶のないバーツだったが、十年ほど前に当時惚れていた女性にいいところを見せようと、彼女が運営する施設の子どもたちにテイマーとしての心得を説いたことを思い出す。ノエリ―はその時にいた子どものひとりだったのだ。彼女曰く、師匠であるバーツの教えを守って修行を続けた結果、あの時の弟子たちはみんな国にとって欠かせない重要な役職に就いて繁栄に貢献しているという。すべては師匠であるバーツのおかげだと信じるノエリ―は、彼に王都へと移り住んでもらい、その教えを広めてほしいとお願いに来たのだ。 しかし、自身をただのしがない無名の三流冒険者だと思っているバーツは、そんな指導力はないと語る――が、そう思っているのは本人のみで、実はバーツはテイマーとしてだけでなく、【育成者】としてもとんでもない資質を持っていた。 バーツはノエリ―に押し切られる形で王都へと出向くことになるのだが、そこで立派に成長した弟子たちと再会。さらに、かつてテイムしていたが、諸事情で契約を解除した魔獣たちも、いつかバーツに再会することを夢見て自主的に鍛錬を続けており、気がつけばSランクを越える神獣へと進化していて―― こうして、無名のテイマー・バーツは慕ってくれる可愛い弟子や懐いている神獣たちとともにさまざまな国家絡みのトラブルを解決していき、気づけば国家の重要ポストの候補にまで名を連ねるが、当人は「勘弁してくれ」と困惑気味。そんなバーツは今日も王都のはずれにある運河のほとりに建てられた小屋を拠点に畑をしたり釣りをしたり、今日ものんびり暮らしつつ、弟子たちからの依頼をこなすのだった。

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

処理中です...