Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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追及、追及

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 流石にペシン!ペシン!と叩かれてるのを黙って見てるのは嫌で席から 「ローランド。」と声をかけるとようやくローランドは兵士に夫人を止めさせた。
 誰が見ても元侯爵はペロッと罪を認めそう。訳が分からない言い訳をしたり小芝居を挟んでくる夫人よりずっと楽に証言を出せそうだ。

 「元侯爵、このままだと王族侮辱罪だけで一生を鉱山で終わらせることになる。なにせ今現在、Ω性の王族は3人もいてその誰もが重要な人物だ。……反省と後悔を示した方が良いのではないですか?」

 イエイガー老が静かに諭すと元侯爵は激しく首を縦に振って「反省してます!反省してます!」何でも話しますと約束した。そこへすかさずローランドが では、と口を挟む。

 「では、王都のタウンハウス……これだけで貴方は何を話すべきか解るはずだ。」

 ローランドがタウンハウスという単語を出した途端、元侯爵の顔色が変わった。それはそれはもう大丈夫?と僕が聞きたくなるくらい顔色が無くなったのだ。
 そしてガタガタの震えだして「ヴァ…バ…バババババ…」という奇っ怪な声を出し始めた。
ガクンと崩れ落ち、跪きながら涙を流し首を横に振りつつ両手をローランドに向けてもがくような仕草。まるで『私じゃない、助けてくれ』とでも言ってるかのようだ。
 正直、僕に向けられたら速攻で走って爺の後ろヘ逃げる自信がある。ローランドはよく平然と真顔で見てられるねよね、本当に。

 「……なるほど、ご自分の意思ではない。と?」

 これに元侯爵は激しく首を縦に。

 「しかし色々なサインには貴方の物が使われていますよ?」

 何故か土下座で首を横に。
 ……なんだか態度でわかるけどちゃんと言葉に出してほしいよね。

 「元侯爵、きちんと言葉にして下さい。記録に残りませんよ?」

 ああ、ローランドが言ってくれた。そうか記録もあるのだから必要だよね。
 すると元侯爵はブルブル震えながらもなんとか声に出し始めたのだけれど言葉にも聞こえにくいしパニックになってるせいか順序立てての説明も出来て無いようで、牢の監視役の1人が通訳になった。

 どうやら元から説明等の順序立て話す事は苦手なようで日頃からそうだったという。

 「え~と、『タウンハウスの私兵は初めは本当にただの私兵だった。人数も30人程の小規模だったが領の中で仕事に溢れる者が多くなり取り敢えず倍にした。送った王都で仕事を見つけて辞める者が多くなったのでその補充でまた送った。それが4年程続いた。』と言ってます。」

 たっぷり時間をかけて聞き出した理由は本当に普通の理由で始まったという事が解っただけだった。
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