Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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白狐の威を借る皇太子

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 乗り込む寸前に兵士に逮捕理由と証拠を示して行動に移した。
 連れてきた兵士は約100名、それに護衛専用の騎士を8名影の者おそらく2名。それらを前にして馬車の御者台に立ち声をあげた。本来はお祖母様が招待に応じて入ると同時に忍込み、被害者を確保したあとで取り囲み御用の予定だったが…まぁ予定とはそんなものだろう。と急の予定変更に強がってみせた。……だってここでアタフタしてたら爺から兄上に伝わるから。
 実際は眼の前の騒ぎにアタフタしたローランドはバンっとシグルーン女公爵に背中を思いっきり叩かれて背筋をのばしたのだけど。

 ようやく落ち着きと協力を見せ始めた被害者達は体の弱っていたものから次々に馬車で街に連れて行かれている。

 「にーちゃん達、本当に助けに来たんだ。」

 と1番騒いでいた子がやって来た。
聞けばΩだというこの子は外見からは想像もつかないが町ではガキ大将で有名らしい。可愛い顔してるし小柄なんだが交戦の仕方はエグい。見てたら引っ掻く噛みつく何でもありだった。

 「あいつ等いつも飯でオレ等に言う事聞かそうとするんだ。でもさ、あいつ等が持ってくる飯、時々変になる。だからなるべく我慢してたけどどーしても腹減って喰っちゃうんだよね。」

 次々に縄をかけられていく加害者側の様子見ながらローランドに呟いた。

 「……キミは色々と知ってる?」との問にウンと頷くので話せる?と聞けば又ウンと頷いた。


 「……オレはさぁ母ちゃんがこういう仕事してるから平気だけど……他の子は普通の家の子もいて。  そんな奴らが答えるのって……かわいそうじゃん?」

 話しを聞きたいが逮捕理由が理由なので証言をとろうとすれば否応なしにソコに触れる事になる。私も聞き出すのも仕事のうちとはいえ聞きにくい。
 この子は名前をラクと名乗った。本当はなんだかもっと長い名前だと言うが本人も忘れたらしいので今はラクで通す。

 ラクを仮の捜索本部にした部屋に連れていきテーブルに付かせた。

 「あ、さっきのバアちゃんだ。 さっきはゴメン。アイツ等の仲間と勘違いして髪引っ張った。」

 窓辺で爺に髪を結い直して貰ってるお祖母様を見つけたラクは素直にも頭を下げて謝った。

 「あら良いのよ。それだけ私は偉そうに見えたと言うことよ?」

 お祖母様はケラケラと笑いながらラクの頭を撫で気にしてないようだ。ラクの方も良いのか?とこっちを見るので頷いておいた。
 さっきもお祖母様はラクの事を『見処のある坊や』と呼んでいた。

 あの暴れ坊主はお祖母様にかかれば『見処のある坊や』になるらしい。それで良いのか?女公爵様が。
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