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これもお仕事
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頭を振り絞って考えても僕の頭ではこれが精一杯だった。
でも言ってから思ったけど結構良い考えだと思わない?王族の領地だし、王都から半日…最近では半日以下か。どっかの直轄地の離宮なんて馬で2日の距離だぞ?そんな所より遥かに近くて気軽に(本当は気軽じゃ困るんだけど)往き来できる場所なんだから。住まいだってあの池の奥ならまだ土地が十分に空いてるから離宮を建てるなり、今の館を建て増しするなり庭園を作るなり出来る。
「そう……ですな。では…このご返答を持ち帰り致しましょう。」
なんとなくだけど更に凹んだ感じで答えた客人に今日はお疲れだろうから泊るように言って侍女さんに案内を頼んだ。
客人が去って僕は爺を見ると爺は追加の情報を手に入れたらしく「お話が」といって部屋を変えるように促された。
「何かあったの爺?」
爺の様子で秘密の話が出来る僕の部屋へと移動。
僕の部屋は何かの時に避難部屋になれるように壁が2重にも3重にもなっている。更にΩの為、発情期の事も考えて作られてるので外から伺う事も不可能な仕組み。こんな安心な部屋はない!
(実際は壁の間に侍女さん通路及び侍女さん覗き場所があり常に当番で2人が存在していから壁の厚みはもう壁とは言いきれないし知らないから“安心な部屋”だが実際を知る爺としては複雑だ。)
「このサミュエル様のお住まいの件はフィエット侯爵から提案された物でした。」
フィエット侯爵とは前王の代前まではゴリゴリのα至上主義だったが父様の代で僕が居たこともあり公言はしなくなった……言わないだけでα至上主義は変わらないと思われる。領地は王都から馬で2日程南へ行った観光地。平地は少ないが高原地帯という程でもなく湖、温泉、高原野菜がウリの古くからある観光地だ。
「侯爵領は7年ほど前から温泉が枯れはじめたためいくつかの温泉を閉めましたが湯量の回復がなく、観光地としての人気が下がりつつあります。その為、王都での発言力を持とうとしたのかローランド様に末娘を側室にあげようとしましたがこの度のサミュエル様とのご成婚で話は流れております。」
フンフン。つまり簡単に言っちゃうと、『αの王族しかいない時代にはα至上主義で威張り、僕を溺愛する父様の代ではおとなしくしていたけど地方では、大観光地の領主として威張っていた。でも人気が無くなってきて威張れなくなってきたから、側室に娘を出して“王家と親戚”になって威張たい。あわよくば口出ししたかったのにダメになった!全部僕のせいだ!』ということね?だから『Ω(僕)なんて追い出してやる!』と。そう思っての提案か~。
爺のおかげで裏事情も解った事ですし僕としては自分で自分を守らないと、子供達の事を守れないので……やっちゃう?と爺をチロンと見ると爺はどこから見ても好好爺の笑みで「ご存分に」と答えた。
でも言ってから思ったけど結構良い考えだと思わない?王族の領地だし、王都から半日…最近では半日以下か。どっかの直轄地の離宮なんて馬で2日の距離だぞ?そんな所より遥かに近くて気軽に(本当は気軽じゃ困るんだけど)往き来できる場所なんだから。住まいだってあの池の奥ならまだ土地が十分に空いてるから離宮を建てるなり、今の館を建て増しするなり庭園を作るなり出来る。
「そう……ですな。では…このご返答を持ち帰り致しましょう。」
なんとなくだけど更に凹んだ感じで答えた客人に今日はお疲れだろうから泊るように言って侍女さんに案内を頼んだ。
客人が去って僕は爺を見ると爺は追加の情報を手に入れたらしく「お話が」といって部屋を変えるように促された。
「何かあったの爺?」
爺の様子で秘密の話が出来る僕の部屋へと移動。
僕の部屋は何かの時に避難部屋になれるように壁が2重にも3重にもなっている。更にΩの為、発情期の事も考えて作られてるので外から伺う事も不可能な仕組み。こんな安心な部屋はない!
(実際は壁の間に侍女さん通路及び侍女さん覗き場所があり常に当番で2人が存在していから壁の厚みはもう壁とは言いきれないし知らないから“安心な部屋”だが実際を知る爺としては複雑だ。)
「このサミュエル様のお住まいの件はフィエット侯爵から提案された物でした。」
フィエット侯爵とは前王の代前まではゴリゴリのα至上主義だったが父様の代で僕が居たこともあり公言はしなくなった……言わないだけでα至上主義は変わらないと思われる。領地は王都から馬で2日程南へ行った観光地。平地は少ないが高原地帯という程でもなく湖、温泉、高原野菜がウリの古くからある観光地だ。
「侯爵領は7年ほど前から温泉が枯れはじめたためいくつかの温泉を閉めましたが湯量の回復がなく、観光地としての人気が下がりつつあります。その為、王都での発言力を持とうとしたのかローランド様に末娘を側室にあげようとしましたがこの度のサミュエル様とのご成婚で話は流れております。」
フンフン。つまり簡単に言っちゃうと、『αの王族しかいない時代にはα至上主義で威張り、僕を溺愛する父様の代ではおとなしくしていたけど地方では、大観光地の領主として威張っていた。でも人気が無くなってきて威張れなくなってきたから、側室に娘を出して“王家と親戚”になって威張たい。あわよくば口出ししたかったのにダメになった!全部僕のせいだ!』ということね?だから『Ω(僕)なんて追い出してやる!』と。そう思っての提案か~。
爺のおかげで裏事情も解った事ですし僕としては自分で自分を守らないと、子供達の事を守れないので……やっちゃう?と爺をチロンと見ると爺はどこから見ても好好爺の笑みで「ご存分に」と答えた。
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