Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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飛行船

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 要するにデジレ様は陛下の協力要請を受けた提督によって長い時間ラブラブで過ごし、腰が立たない程されてなんとか仕事をしようとしたら目を疑う物が空にあって急いで砦に行ったら既に元凶は空で満足げにしていたと。

 僕が納得するとデジレ様は目をそらして「ら…ラブラブなど…」と呟いていたけどまるっと無視。しかし、その飛行船が今ここに在るということは……?!!!

 「思い当たっていただけたようだ。」

 デジレ様はもうこの先は言いたくないらしくフイッと知らんぷりの姿勢になったけど!いやちょっとやめて下さい!僕、Ω!パニックに弱いΩ!
 とΩ性を強調して逃げようとしていた。しかしデジレ様も逃げた。

 「今さら普通のΩ面しないで下さい。いいからもう対処お願いします。」

 あ、デジレ様が色々捨てたらしい。僕を執務室から追い出そうとしてるけどここ僕の部屋だからね!

 「もう疲れてるんです!ちょっと休ませていただきます。ここのソファーで結構、お願いしました!」

 かなりキレ気味のデジレ様に執務室を追い出された僕は爺によって連れ去られた。
 爺も何処からか情報を仕入れたのだろう「全てが予想外の事です」と珍しくも全身で“困った”と現していた。

 「私の方の情報ですと、この飛行船は既に一度……いえ海を往復で越えております。」

 「うん、僕もそう聞いたよ。父様と陛下の間だけでやり取りがあったって。それで今日、ここにこれがあるということはこれがお迎えの船って事でしょ……うね?」

 言いながらもどんだけ大事かを今更思い知る。近い位置とはいえ海を越えられるようになった飛行船は周りの国々にとっては大脅威だよね。空からの作戦は既に一度実戦もあったし…それが今度はフールフーガにも渡ったとなれば……いや待て、もう仕掛けてこられないと思えば?

 「ノエル様、過ぎたるは及ばざるが如しともいいます。脅威が招く不幸もあります。」

 珍しく2人揃って溜め息をついたがなんにせよもう飛行船は渡ってしまっている。もう遅い。こうなっては開き直るしかないか?

 「……ノエル様のその前向きが羨ましいです。」

 爺は苦労性だもんね。あ、今執務室で休んでいるデジレ様もそうか。


 ともかく荷物はグリフウッドに運んでしまっている為、人間のみを飛行船で送るか…と思った時、違和感に気づいた。

 「ねぇ爺、飛行船って荷物を積む場所少ないよね?って事は本当に人だけの運搬で来たのかな?」

 僕の言葉に爺は少し考えると直ぐに影を呼んで何かを頼んでいた。
 よかった意味を読み取ってくれたらしい。

 ……こんな急に飛行船送って、提督がそれに乗って来るっておかしいもの!提督はここで旗艦オブティシアンはフールフーガにあるの?オブティシアンの留守を任せられるデジレ様もコウもこっちにいるのに?何かあるんじゃない?
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