Ωの僕がお偉いさん

入学希望者

　やっとスサエナに戻ってきた～。今日明日はゴロゴロクテクテして子供達とお庭ピクニックでもしようかしら～ルンルン。
　と思っていたのに汽車から降りたとたん校長が迎えにきていた。

　「お帰りなさい皆さん。王都はどうでしたか？つい寂しくてお迎えに来てしまいましたよ。」

　なんて生徒達を迎えていた。確かに今は卒業間近の生徒が卒業後の生活をする場を整えたり、これからの家族に挨拶に行ったりと結構な人数が行って帰ってを繰り返してるので学校にも寄宿舎にも人は少なくなってると感じるね。
　と本気にしていたのに、一緒の馬車に乗り込んできたと思ったら真剣な顔で「問題発生です。」と言ってきた。

　「入学希望者なのですがちょっとした問題がありまして考えものです。」
　
　えーと？入学希望者なんだよね？いつものように校長の采配じゃダメなの？僕は大抵の事は校長を信頼して任せてある。校長自信も貴族だし保健室に番も勤めてるので大方の事は対処可能なはずですが？

　「ええ、まず入学希望者は国がなく…」

　ちょっと待った。最初から大きな問題発言だね。さっき“ちょっとした問題”って言わなかった？

　「それは…海からの密航者？」

　以前実際にあった事だ。提督の船に乗っていた集団を引き取りに行った覚えがある。

　「いいえ、陸伝いに来たようです。馬車に乗って連れて来られました。」

　えーと、じゃあ劇団とか大道芸とかの人達の関係者なのかな？え、違う？

　「言葉は大陸用語なので通じますがアクセントから遠く西の端からだと思われます。」

　頭の中で地図を広げる。西の端の国とは間にいくつの国があったかな？幸い山脈は無いけど広大な乾燥地帯があったね？

　「ええ、本人達の話では国は存在して居ないというのでその乾燥地帯の奥のへバール地域かと。入学希望者は2人なのですが家族も近くに定住を希望しておりまして。」

　……あ、解った！その家族の人数も問題なんでしょ！そうでしょ！

　「ええ流石ですね。話が早いので助かります。」

　老人8人、成人26人、子供4人の大所帯は斯くしてスサエナの定住が決まった。
　そして僕の中でアルパカ牧場が決まった！
前からアルパカの毛が欲しいと思ってたんだよね～。でも意外と牧場って人手が必要なうえに重労働でしょ？だから労働を軽くするためにはもっと人手が必要で、でも団体生活って大人になればなるほど大変なわけ。それこそ家族でもなけりゃムリって思ってたの。
　あ、もちろん面接はするよ？Ωの入学希望者も含めて全員ね。その上で条件や仕事内容にこの家族が納得すれば受け入れる。まぁイヤだと言われればそれまででサヨウナラなんだけどね。