Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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お泊まりの夜といえば?

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 部屋割りは4人1組だった。30人なので2人部屋もあったが最年長が2人部屋になっていた。しかしこういうお泊まりの時に部屋割りがあって無いものなのは何処でも同じらしい。寄宿学校なんだから場所が違うだけで顔ぶれが変わらないのに何故?とも思うが“お泊まり”がそうさせるのだろうか?

 今、僕の目の前には6人が正座している。因みに6人とも生徒だがちょっと離れた向こうにも8人正座中だ。

 「先生は何て言いましたか?」

 『旅先だからといって羽目をはずさず、いつものように過ごしてください。食事時間や消灯時間等も学校と同じです。』

 「そうですよね。今はどの時間ですか?」

 『消灯をだいぶ過ぎてます。』

 「そうです。皆、違う部屋の子ですね?同じ部屋の子は寝ても子もいますよ?そういう子の睡眠の邪魔だとは思いませんでしたか?」

 ここの6人はなんと番さんの部屋に行こうと自分の部屋を抜け出していた子達だ。そしてあちらの離れた場所の8人も同じように抜け出していた番さん達と呼ばれた番さんだ。あちらのお説教は爺だけど。
 なぜあちらが8人なのか?それはね、生徒達は番さんのお部屋に向かうと約束などはしておらずちょっとしたイタズラのつもりだった。だから“寝顔を見たい”と思い忍び込もうとした番さん側とすれ違いをおこしていたんだ。
 つまり、あちらの番さん達と生徒達は決してペア同士ではない。aの生徒とaの番さんではなくdの生徒の番さんがあっちにいるという事。でもaの番さんは気づいて部屋から出てきてなぜか一緒に怒られていると…。

 「良いですか?遊びで来てる訳じゃないんですよ?将来の不安を少なくするために……ウンタラカンタラ」

 と…偉そうに言ってる僕ですが、ちょっと眠くなってきた。どうせこの子達も“会いたかったから”なんていうよく考えもしない理由で抜け出してるだろうからもぅいいかな~?なんて思いながら爺を見るとあちらはガッチリ怒られている様子。なのでとりあえず生徒達を部屋に戻して本来怒られる事の無い2人を迎えにいった。

 「あなた方は責任ある立場なのです!私達が守らなければウンタラカンタラ」

 どうやら爺は今は亡き番さんと暮らしていた時の使命感を説いているらしい。

 「それでなくてもΩの方々というのは思いもよらない事を致すのです。思い付きで行動するのは当たり前ですし、その行動が大事になり……」
 
 あ、コレ嫌な予感。この辺りは絶対僕の事だ。
だんだんと爺の説教は愚痴に聞こえ、番さん達の目は真剣なものから同情がみえはじめた。そろそろ立場的に止めてほしいので爺に終わりを告げる。

……なんだか最後は僕が反省して終わったような…釈然としないぞ。
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