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言いたいこと言っちゃえ
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「……あー、……ノエルから謁見の申し出があり……この事態となっているのだが……。」
いつになく歯切れの悪い父様は明らかに僕を見て困ったとアピールしている。それもそのはずだろう。この場には予想通り役職のない、いつもは来る事のない貴族がごったがえしていた。
ええ、それはもういっぱい。思わず『満員御礼』の垂れ幕を思い浮かべるくらいには。え?僕の頭の中の垂れ幕?そりゃもう相撲……ジャパニーズ・SUMOUの会場にさがる緞帳のような垂れ幕ですよ。
ああ、いけない。つい変な方向に意識が……。思わずニンマリとしてしまったほっぺを慌てて引き締めた。
そんな間も相変わらず父様が歯切れ悪く話を続けていたが最前列にいた1人によって僕を呼び寄せることになった。
「王様、諦めてシチュワート王子をお呼びなされぃ。」
その声の主はお久しぶりのイエイガー老だった。お元気そうだけど、なんか違和感?あ、前歯が……まぁだいぶお久しぶりだもんねぇ。歯もなくなるか。
あ、また意識が違う方に……。引き締めないと!
イエイガー老のおかげか父様は渋々と僕を呼び寄せた。……ちょっと待って。謁見というのは王様は玉座で臣下は離れた場所だ。横に呼んで手を握って『どうした?』じゃない。イエイガー老も笑ってないで注意して!
玉座横でちょっとした問題があったが僕がその場で膝をつくことでなんとか落ち着いた。……なんか、おねだりしてるように見えなくもないがもうしょうがない。諦めよう。
そして僕が口を開こうとした時、出鼻を思いっきり挫いたのはイエイガー老だった。
「……ときにノエル様、この老人に時間をお与え下さらんか?」
……ええ~今?と不満いっぱいに見るとイエイガー老は満面の笑みを浮かべて僕を手招いている。父様に黙礼で許可をとりイエイガー老の元へ行った。
「ノエル様、我等は貴方に誠心誠意心を込めて謝罪しなければならない。」
……え、ちょっと!?
「ノエル様はあの日、この城から出た日からずっと我等にお怒りじゃ。」
……先手打たれた!
「皆、考えてみると良い。どこの世界になんの保証もなく生きてきた場を追い出した人間を許す人間がおるか?成人もしていないいたいけな子供を親兄弟から引き離した者を好ましく思うか?
あの日、ノエル様は仰った。『もう自分は国の為にはなにもしない。自分の好きなようにする』と。……汽車を王都に繋げた事で考え違いをしていないか?フールフーガと友好を深めた事もノエル様の街が発展しより便利になった事も。
全ては、ノエル様の『希望』だったからだ。
ノエル様はあの日から、爺であるグレフ殿以外の貴族にお怒りじゃ。
我等の望みを通そう等……失笑ものだろうて。」
……あーあ、言っちゃった。と不満を隠さずイエイガー老をみるとイエイガー老は僕の手をとって「それでも協力はしてくださった。優しい方よ。」と笑う。……だからこのイエイガー老は“喰えない人”って言われるんだよ。
いつになく歯切れの悪い父様は明らかに僕を見て困ったとアピールしている。それもそのはずだろう。この場には予想通り役職のない、いつもは来る事のない貴族がごったがえしていた。
ええ、それはもういっぱい。思わず『満員御礼』の垂れ幕を思い浮かべるくらいには。え?僕の頭の中の垂れ幕?そりゃもう相撲……ジャパニーズ・SUMOUの会場にさがる緞帳のような垂れ幕ですよ。
ああ、いけない。つい変な方向に意識が……。思わずニンマリとしてしまったほっぺを慌てて引き締めた。
そんな間も相変わらず父様が歯切れ悪く話を続けていたが最前列にいた1人によって僕を呼び寄せることになった。
「王様、諦めてシチュワート王子をお呼びなされぃ。」
その声の主はお久しぶりのイエイガー老だった。お元気そうだけど、なんか違和感?あ、前歯が……まぁだいぶお久しぶりだもんねぇ。歯もなくなるか。
あ、また意識が違う方に……。引き締めないと!
イエイガー老のおかげか父様は渋々と僕を呼び寄せた。……ちょっと待って。謁見というのは王様は玉座で臣下は離れた場所だ。横に呼んで手を握って『どうした?』じゃない。イエイガー老も笑ってないで注意して!
玉座横でちょっとした問題があったが僕がその場で膝をつくことでなんとか落ち着いた。……なんか、おねだりしてるように見えなくもないがもうしょうがない。諦めよう。
そして僕が口を開こうとした時、出鼻を思いっきり挫いたのはイエイガー老だった。
「……ときにノエル様、この老人に時間をお与え下さらんか?」
……ええ~今?と不満いっぱいに見るとイエイガー老は満面の笑みを浮かべて僕を手招いている。父様に黙礼で許可をとりイエイガー老の元へ行った。
「ノエル様、我等は貴方に誠心誠意心を込めて謝罪しなければならない。」
……え、ちょっと!?
「ノエル様はあの日、この城から出た日からずっと我等にお怒りじゃ。」
……先手打たれた!
「皆、考えてみると良い。どこの世界になんの保証もなく生きてきた場を追い出した人間を許す人間がおるか?成人もしていないいたいけな子供を親兄弟から引き離した者を好ましく思うか?
あの日、ノエル様は仰った。『もう自分は国の為にはなにもしない。自分の好きなようにする』と。……汽車を王都に繋げた事で考え違いをしていないか?フールフーガと友好を深めた事もノエル様の街が発展しより便利になった事も。
全ては、ノエル様の『希望』だったからだ。
ノエル様はあの日から、爺であるグレフ殿以外の貴族にお怒りじゃ。
我等の望みを通そう等……失笑ものだろうて。」
……あーあ、言っちゃった。と不満を隠さずイエイガー老をみるとイエイガー老は僕の手をとって「それでも協力はしてくださった。優しい方よ。」と笑う。……だからこのイエイガー老は“喰えない人”って言われるんだよ。
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