Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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明日が楽しみ

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 一番に挨拶に来た侯爵夫人は本当に素直な方だった。何の探りもなしに……いや、本人は探ってるつもりかもしれないけど『ノエル様、どうですの?どうですの?』と好奇心丸出しのキラキラ目で訪ねて来た。
 うーん、こうも丸出しだと僕も意地悪しにくい。侯爵夫人には笑って『後のお楽しみですよ』とだけ答えておいた。
 因みに周りにいた何人もの貴族はお耳をダンボのようにさせているのがわかるくらい薄っっい会話しかしていなかった。……お天気は曇りなのに「ピクニックにでも行きたいですな」「良いですな~」って思わず僕が空見ちゃったもん。



 「ねぇ爺、改めて思ったんだけどさ。この国の貴族って大丈夫?」

 部屋でお茶を飲み寛いだ僕は思った事を素直に口にした。だってこの王子宮は一応、父様母様によって友好貴族に認定された人しか入れないしある程度地位もある人達のはずだったからだ。

 「……そうは仰いますな。あれでも一応国の事を考えていたようですよ?」

 そう。あの母様のお気に入りの夫人の後に来た人達は全員が婚約式の事を聞きたがった。でも僕は言ったはずだよ?『やらない』って。なのになんでこうも詰め寄るかな?
 僕も王族だし立場上は無理強いを迫られる覚えはないんだけど。

 「……お人が悪いですよ。解っているでしょう?」

 うん、知ってるよ。フールフーガと超友好国だという事がこの近辺ではどれだけ大きい事かとか、婚約式ともなれば大金が動き、経済の動きが出て良くなるとか、近隣諸国からの注目が出て他の事柄でも注目してもらいやすくなるとか。色々あるよね?解ってるよそんなこと。

 爺はこの後の僕の行動が解っているようだ。ため息で『もうハッキリと言ってあげなさい』と僕を宥めるように見るものの明日の準備を整えてくれている。

 ……言うよ?明日。その為にわざわざここまで来たんじゃない。ウフフ~。
 僕がこの忙しい中、来たのにはもういい加減色々言うのを止めてほしいと思ったからだ。だから正式に父様に謁見の申し込みをしてその場でハッキリ言おうと思っている。
 謁見を申し入れたのは朝の報告の場とでもいうか…昨日あった出来事の口頭での報告と、王としての父様の意見、指示をする会議みたいな処だ。もちろん大臣をはじめ大勢がいる。なんなら役職がない人でも聞くだけなら居られる。その場に僕から正式な申し入れがあったと知ったら興味津々で来るでしょうねぇ~。

 そんな僕を横目に爺はもう1回ため息をついて「私も用意をいたしましょう。」と部屋を出て行った。
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