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緊急家族会議
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グリフウッドースサエナ間で影と隼、鷹が飛び交う。グリフウッドに居るアーノルド、僕。スサエナに居るシモン、アンリ、リリーで家族会議をしているためだ。本当なら一時的にグリフウッドに子供達を呼び寄せて会議をしたいところだがお婆様が居る今、呼び寄せたら騒ぎが大きくなるだけだ。だからといって僕らがスサエナに戻るにはココの問題が大きすぎて離れられないという理由で面倒とかなりの時間のロスだがこうなったのだ。
グリフウッド
「大型軍艦4隻分の積載量の結納品を納める場所の確保を。女公爵の住まい候補のリストアップ。」
スサエナ
「フールフーガ皇太子の帰国準備、番4人分の荷物搬送、見送りを。」
これが最初のやり取りだった。これに対し双方は『コレ、地獄じゃない?』という感想が浮かんだ。どっちを先にしてもまず荷物保管場所も輸送手段もパンクしてしまう。
「もぅぅぅ!!やだぁぁ!!」
「ノエル、落ち着け。キレても怒っても変わらない。疲れるだけだから。」
早くも悟りを開いたアーノルドに宥められて少し落ち着いた僕は影が持ってきてくれたスサエナの地図を何枚も見ていた。もちろんお婆様の住まいを決めるためだ。もうこうなったら新しく館を建ててしまおうと決めたのだ。
『兄妹で話し合った結果、リリーが女公爵様とお婆様を王都へご案内、お話相手として参ります。20日は王都へお泊まりしていただきたいです。』
スサエナからの幾つめかの手紙にこうあった。一時的ではあるが四隻の船から降ろされた結納品は保管できる場所が見つかった。いや、押し込める事にしたという方が正しい。
「悪いなノエル……あそこは倉庫代わりに使える場所じゃ無いのに。」
「大丈夫でしょ。離宮扱いにしてあるけど本当に離宮にしてる訳じゃないし、それに元々はデジレ様が産まれた館じゃない。」
そう、あの大量の荷物は貴重品等も多いため普通の積み荷積載所を用意すれば良いという訳にもいかなかった。それで悩んだ挙げ句、現在は王や王妃等のロイヤルファミリーを滞在させるために改装したデジレ様が生まれ育った旧領主館に入れてしまう事にしたのだ。
改装の際にアーノルドは旧領主館を国に王族に利用してもらうための場所として届け出ており、国もそれを受けて離宮扱いにした。今回はこの“王族に利用”という部分を過大解釈して“僕が荷物を置く場所として利用”としたんだ。
このごり押しのような利用方法に管理を任せている場所はなんとも言えないような渋面になっていたが状況が状況なので知らんぷりをして運び入れている。(現在進行中)
「でもこれで一旦は落ち着く!」
「いやノエル忘れてるよ。“嫁入り道具”を送ってくるんだろ?」
……忘れてた。いや、でも汽車で着いた端からもう船に積み込んじゃえば良いよ。え?重さの割り振り?運び入れ先の分別?……知らんし。
グリフウッド
「大型軍艦4隻分の積載量の結納品を納める場所の確保を。女公爵の住まい候補のリストアップ。」
スサエナ
「フールフーガ皇太子の帰国準備、番4人分の荷物搬送、見送りを。」
これが最初のやり取りだった。これに対し双方は『コレ、地獄じゃない?』という感想が浮かんだ。どっちを先にしてもまず荷物保管場所も輸送手段もパンクしてしまう。
「もぅぅぅ!!やだぁぁ!!」
「ノエル、落ち着け。キレても怒っても変わらない。疲れるだけだから。」
早くも悟りを開いたアーノルドに宥められて少し落ち着いた僕は影が持ってきてくれたスサエナの地図を何枚も見ていた。もちろんお婆様の住まいを決めるためだ。もうこうなったら新しく館を建ててしまおうと決めたのだ。
『兄妹で話し合った結果、リリーが女公爵様とお婆様を王都へご案内、お話相手として参ります。20日は王都へお泊まりしていただきたいです。』
スサエナからの幾つめかの手紙にこうあった。一時的ではあるが四隻の船から降ろされた結納品は保管できる場所が見つかった。いや、押し込める事にしたという方が正しい。
「悪いなノエル……あそこは倉庫代わりに使える場所じゃ無いのに。」
「大丈夫でしょ。離宮扱いにしてあるけど本当に離宮にしてる訳じゃないし、それに元々はデジレ様が産まれた館じゃない。」
そう、あの大量の荷物は貴重品等も多いため普通の積み荷積載所を用意すれば良いという訳にもいかなかった。それで悩んだ挙げ句、現在は王や王妃等のロイヤルファミリーを滞在させるために改装したデジレ様が生まれ育った旧領主館に入れてしまう事にしたのだ。
改装の際にアーノルドは旧領主館を国に王族に利用してもらうための場所として届け出ており、国もそれを受けて離宮扱いにした。今回はこの“王族に利用”という部分を過大解釈して“僕が荷物を置く場所として利用”としたんだ。
このごり押しのような利用方法に管理を任せている場所はなんとも言えないような渋面になっていたが状況が状況なので知らんぷりをして運び入れている。(現在進行中)
「でもこれで一旦は落ち着く!」
「いやノエル忘れてるよ。“嫁入り道具”を送ってくるんだろ?」
……忘れてた。いや、でも汽車で着いた端からもう船に積み込んじゃえば良いよ。え?重さの割り振り?運び入れ先の分別?……知らんし。
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