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閑話:もしもバレンタインがあったなら
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バレンタインを二日後に控えてノエルの部屋には妖しい箱が運び込まれ、夕方になると人払いがされた。部屋にはトータ、サミュエル、僕といういつもの顔ぶれ。
「準備は?」
「後1つ。マオが持ってくる。」
「そのマオはいつ?」
決め手となると物をマオが手に入れて来る事になっているのだが、そのマオがまだ来ていない。
「あのマオがまだいないなんて……何かあったんじゃ?」
短いながらも濃い内容の付き合いですっかりマオの性格を掴んだサミュエルが心配そうな声を出す。
「大丈夫!安心して。マオには今回絶対に失敗させられないから爺を付けたんだもん!」
そう、僕は今回の為にあの爺をマオに付けたんだ。当然ながら爺は渋るしマオは『絶対ヤダ!』と駄々を捏ねたがなんとか説得した。
……犠牲は甚大だったがそれだけ大事な事だったんだ。サヨナラ僕のホワホワ大型ウサギぬいぐるみさん。
そんな心配をしていたときバタバタと音がして「ただいま~!」とマオが入ってきた。
マオ?ここは君の家じゃないよ?まぁほぼ家みたいになってるからいいか?
「!マオ、おかえりなさい?どうだった!?」
マオの『ただいま』にトータの食い気味の返し。サミュエルもマオをじぃーっと見て気になっているようだ。うん、僕も爺がいるからまさかとは思うけど、気になってマオを見た。
「安心して!ちゃんと持って帰ってきたよ!」
グッとサムアップで答えるマオはとても満足そうだ。どうやら気に入った物が仕入れられたらしい。
ドキドキしながら箱を開ける。
これを運び入れてくれた爺は僕にくれぐれもムチャをしないようにと言い含め大きなため息をついて出ていった。
「「「……ぉおおお!」」」
マオが手に入れてくれたのは例のフールフーガのΩ専門店で『これで貴方の番を釘付け☆』と煽り文句付きで限定販売されたバレンタイン攻略セットだ。
え?なんでβのマオがΩ専門店で買えたかって?それはサミュエルの紹介状があったからだ。いや勿論堂々とサミュエルの名前は出していない。でもアレからサミュエルは度々使いの人に買い物をさせていたらしく大、大、大お得意様として記憶された。なので数ヶ月前に限定販売が決まると『是非とも』とご案内が来たという。
そんな訳で僕らは5人分のセットを買えたのだけど受け取りをどうしようかと思っていたらマオがなんとか出来るかもと請け負ってくれたのだ。
サミュエルはラベンダー色の清楚な足首まであるロング。トータは元気なオレンジ色でハーフ丈。マオは意外にも白の超ミニ。僕は黒のハーフ。其々自分のネグリジェを取り出してチェックをした。
揃いの際どい下着やリボン等の小物には綺麗な刺繍が入り手の込んだものだった。
「さて、みんな用意はいい?各自の部屋に爺がお酒とチョコレートを準備してる!抜かりなく!番に日頃のお礼をしよう!!」
そう言うと僕らは各自の部屋に戻った。今夜はアーノルドに日頃のお礼を込めて労うんだ!
翌日、ノエル等は誰一人部屋から出てこなかった。そして、別棟では濃い紫色の薄布のロングドレスを着た麗人が居たとか居ないとか。
「準備は?」
「後1つ。マオが持ってくる。」
「そのマオはいつ?」
決め手となると物をマオが手に入れて来る事になっているのだが、そのマオがまだ来ていない。
「あのマオがまだいないなんて……何かあったんじゃ?」
短いながらも濃い内容の付き合いですっかりマオの性格を掴んだサミュエルが心配そうな声を出す。
「大丈夫!安心して。マオには今回絶対に失敗させられないから爺を付けたんだもん!」
そう、僕は今回の為にあの爺をマオに付けたんだ。当然ながら爺は渋るしマオは『絶対ヤダ!』と駄々を捏ねたがなんとか説得した。
……犠牲は甚大だったがそれだけ大事な事だったんだ。サヨナラ僕のホワホワ大型ウサギぬいぐるみさん。
そんな心配をしていたときバタバタと音がして「ただいま~!」とマオが入ってきた。
マオ?ここは君の家じゃないよ?まぁほぼ家みたいになってるからいいか?
「!マオ、おかえりなさい?どうだった!?」
マオの『ただいま』にトータの食い気味の返し。サミュエルもマオをじぃーっと見て気になっているようだ。うん、僕も爺がいるからまさかとは思うけど、気になってマオを見た。
「安心して!ちゃんと持って帰ってきたよ!」
グッとサムアップで答えるマオはとても満足そうだ。どうやら気に入った物が仕入れられたらしい。
ドキドキしながら箱を開ける。
これを運び入れてくれた爺は僕にくれぐれもムチャをしないようにと言い含め大きなため息をついて出ていった。
「「「……ぉおおお!」」」
マオが手に入れてくれたのは例のフールフーガのΩ専門店で『これで貴方の番を釘付け☆』と煽り文句付きで限定販売されたバレンタイン攻略セットだ。
え?なんでβのマオがΩ専門店で買えたかって?それはサミュエルの紹介状があったからだ。いや勿論堂々とサミュエルの名前は出していない。でもアレからサミュエルは度々使いの人に買い物をさせていたらしく大、大、大お得意様として記憶された。なので数ヶ月前に限定販売が決まると『是非とも』とご案内が来たという。
そんな訳で僕らは5人分のセットを買えたのだけど受け取りをどうしようかと思っていたらマオがなんとか出来るかもと請け負ってくれたのだ。
サミュエルはラベンダー色の清楚な足首まであるロング。トータは元気なオレンジ色でハーフ丈。マオは意外にも白の超ミニ。僕は黒のハーフ。其々自分のネグリジェを取り出してチェックをした。
揃いの際どい下着やリボン等の小物には綺麗な刺繍が入り手の込んだものだった。
「さて、みんな用意はいい?各自の部屋に爺がお酒とチョコレートを準備してる!抜かりなく!番に日頃のお礼をしよう!!」
そう言うと僕らは各自の部屋に戻った。今夜はアーノルドに日頃のお礼を込めて労うんだ!
翌日、ノエル等は誰一人部屋から出てこなかった。そして、別棟では濃い紫色の薄布のロングドレスを着た麗人が居たとか居ないとか。
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