Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

文字の大きさ
上 下
549 / 685

お話しましょ

しおりを挟む
 本当は番になる生徒も一緒に呼んだ方がいいのだろうけど今回ばかりは僕がいつ爆発するかわからないのでトータに預けた。そして様子は伺えるものの声は聞こえないという絶妙な離れた場所で僕と皇太子は席についた。

 お茶を飲みつつ話す順番を考える。これはとっても大事なことで、順番を間違えれば招待状1つで大騒ぎを巻き起こしたこの皇太子は浮かれてどんな行動をとるか解ったもんじゃない。戦々恐々とはこういうことだろうか?

 「まず、女公爵様がこちらに移住というお知らせがあったのですが何かご存知でしょうか?」

 そう、まずはこういった皇太子や番とは関係無い内容の情報から聞き出す。案の定、皇太子は落ち着いた様子で考えている。

 「皇太子はシグルーン女公爵様のことは?」

 敢えて、とは聞かない。どう捉えてもらうこともできる問いかけだけど、皇太子なのだから当然例のヤヤコシイ親戚関係を知ってるはずだがどうなのかを知るための問いかけだったのだが
皇太子の方も僕が本当に知って言ってるのかカマかけしてなのか、偶然の問いなのかを見定めたいらしく「シグルーン女公爵様はその地位名通り公爵位に有りますが自由も許されますので。」という肩透かし答えが返ってきた。

 うーん、僕の方の感じでは皇太子は本当の血縁関係図を知らされているとみている。だってこの皇太子は王が外遊してる間の留守を任されたのだから、裏事情も把握してるということだろう。
 となれば、僕の方がもう少し情報を出しておくべきか?

 「シグルーン女公爵様には本当にお世話になりまた。とても良くしていただいて私事わたくしごとですが家の子供達ともに『お婆様』とお呼びさせていただいているくらいなんです。
 ですから、こちらに移住というご希望はとても嬉しい事なので詳しくお聞きしたいと。」

 「『お婆様』と?……………そうですか。
わかりました。ええ、そうですね……シグルーン女公爵様は殿下方をお気に召されたのでしょう。」

 ……はい、わかりました。つまり[我慢してたけど、なんとかなりそうだから会いに行こう!でも距離的に度々行くのは無理だから移住ということにしちゃいましょう!]って感じかな?と読みとく。
 問題なさそうと判断されて向こうの王様も許可したんだからまぁ良いんでしょう。じゃ、次。

 「では次の質問なのですが、貴方の番になる生徒の親族の事は何処まで聞かされていますか?」

 皇太子が答えたのは学校の正式な書類に書かれている内容だった。来たのは4才の時で母親が連れてきた。父親はΩの子を毛嫌いしていたため守る為だった。その後、母親は遠くに移住し絶縁状態で父親は噂でここの事を聞いたらしく問い合わせがあったが不明で通している。
 ……うん、特に訂正場所は無さそうだ。

 「では、今後のこちらの対応をお知らせします。今後も此方から父親、母親共に敢えて連絡をとったり情報を渡すことはしません。これは入学時に母親と決めた事です。問い合わせがあった場合はこれまで通り、該当者不明で通す予定です。」
しおりを挟む
感想 194

あなたにおすすめの小説

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

無名の三流テイマーは王都のはずれでのんびり暮らす~でも、国家の要職に就く弟子たちがなぜか頼ってきます~

鈴木竜一
ファンタジー
※本作の書籍化が決定いたしました!  詳細は近況ボードに載せていきます! 「もうおまえたちに教えることは何もない――いや、マジで!」 特にこれといった功績を挙げず、ダラダラと冒険者生活を続けてきた無名冒険者兼テイマーのバーツ。今日も危険とは無縁の安全な採集クエストをこなして飯代を稼げたことを喜ぶ彼の前に、自分を「師匠」と呼ぶ若い女性・ノエリ―が現れる。弟子をとった記憶のないバーツだったが、十年ほど前に当時惚れていた女性にいいところを見せようと、彼女が運営する施設の子どもたちにテイマーとしての心得を説いたことを思い出す。ノエリ―はその時にいた子どものひとりだったのだ。彼女曰く、師匠であるバーツの教えを守って修行を続けた結果、あの時の弟子たちはみんな国にとって欠かせない重要な役職に就いて繁栄に貢献しているという。すべては師匠であるバーツのおかげだと信じるノエリ―は、彼に王都へと移り住んでもらい、その教えを広めてほしいとお願いに来たのだ。 しかし、自身をただのしがない無名の三流冒険者だと思っているバーツは、そんな指導力はないと語る――が、そう思っているのは本人のみで、実はバーツはテイマーとしてだけでなく、【育成者】としてもとんでもない資質を持っていた。 バーツはノエリ―に押し切られる形で王都へと出向くことになるのだが、そこで立派に成長した弟子たちと再会。さらに、かつてテイムしていたが、諸事情で契約を解除した魔獣たちも、いつかバーツに再会することを夢見て自主的に鍛錬を続けており、気がつけばSランクを越える神獣へと進化していて―― こうして、無名のテイマー・バーツは慕ってくれる可愛い弟子や懐いている神獣たちとともにさまざまな国家絡みのトラブルを解決していき、気づけば国家の重要ポストの候補にまで名を連ねるが、当人は「勘弁してくれ」と困惑気味。そんなバーツは今日も王都のはずれにある運河のほとりに建てられた小屋を拠点に畑をしたり釣りをしたり、今日ものんびり暮らしつつ、弟子たちからの依頼をこなすのだった。

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです

おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの) BDSM要素はほぼ無し。 甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。 順次スケベパートも追加していきます

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

処理中です...