Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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引き剥がされました

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 フンフン、スリスリ、ナデナデ、ピットリ。とシモンを堪能していたけど爺によって引き剥がされた。心なしか離れたとたんシモンが脱走したような気がしたけど気にしない。今日は添い寝してあげるから良いんだ。

 「やめなさい」
 「やめてあげて下さい」
 「兄上逃げて」

 とあちこちから聞こえてくる声にロープを探しだそうとした僕をまたもや爺が捕まえた。

 「貴方はお子様方が関わると常識を無くし過ぎます!いくら血縁者にはαもΩもないと言えども、もうプライベートが必要なお年頃の子供にそれはいけません!」

 「大丈夫だよ!子供達も成人していることくらいわかってるもの。」

 「…………では、添い寝に行ったりなんかは?」

 「今日は行くよ。」

 『全然ダメだ!』なんて突っ込みが余所から入るけど無視していたら強制的にアーノルド預けになってしまった。まぁアーノルドが一緒にいたいと言うなら仕方ないね。

 『ホントに時々ポンコツ』なんて聞こえたけど聞こえないふりをした。


 「さて、ノエル殿。そろそろ良いだろうか?」

 フールフーガの陛下の声に今日のこれからの日程を思い出した。今日はこれから寄宿学校の説明を模型を使って説明する約束だったね。
 サミュエルがこのスサエナに住む理由の1つにスサエナがΩの為の街だからという事もあるので、僕が取り組んだ領制での中でもはじめの頃から積極的に動いたこの寄宿学校を先ず知ってほしかった。

 お見合いの時も利用した迎賓館には寄宿学校の資料館も備えているのでそこに移動すれば説明は簡単だ。勿論、見取り図や細かい所等は用心のため置いてないからその資料は追加で爺に運んでもらい好きに眺めてもらう。

 「ノエル殿、見学通路というのは?」

 かってに見てもらい質問があればその都度答えていく方法をとったのは全部の説明が面倒だからなんて思ってないよ。

 「見学通路というのは寄宿学校の敷地内にフェンスで覆った通路を用意してあるのでそこから回ってもらうのです。大事な生徒達ですから念には念を入れて。でも僕個人が信用した人は見学通路外の見学コースへご案内してます。」

 陛下やカドラさんに説明してると微かに向こうから『ポンコツからの切り替えが…』とか聞こえてくるのがホントにうるさい。

 「ノエルー、こんな場所あったっけ?」

 マオが指差すのは子育て棟だ。

 「ここはまだ建設中。この間のお見合いで年長組が番の申し込みあったでしょう?この先必要になるかも知れないから5組くらいのつもりで用意してあるの。防音防汚で親子で居られる設計していて申請あれば番さんも入居可能の予定。今は長屋だけど様子見てもっと必要になれば寄宿学校の敷地内でも、もっと外れに作るかも。」

 「番になっても学生でいられると?」

 カドラさんが不思議そうに聞いてくるから答えるけど、あまり現実になってはほしくない理由もある。

 「あまり現実に起きてほしくはないんですけど、場合によっては番と別れるΩもいます。そうなった場合、今までは先の生活に絶望する事もあったのでせめて一通りの学業を終えて卒業してほしいと思ってます。あとは……不幸にもここに来た時点で妊娠していた場合もこの先ないとは言えないかと。」

 
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