Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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王族の風呂なんてこんなもの

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 「ノエル様、こちらをどうぞ」

 はーい、と受け取って顔を洗う。ふぅ~と顔を上げればフカフカタオルを手渡された。

 ええ、そうです。爺がいます。離れたスペースのサミュエルも同じ様にいつものお付きの人が世話をしている。

 「ノエル様、先ずはぬるま湯からですよ。」と僕を湯船に入れて傷が出来ていないか、沁みないかを爺がチェックしている。
 僕らが普通にお風呂に向かうと爺とお付きの人も来たのでΩ専用だから大丈夫と断ったんだけど、
「お世話するのが当たり前」「今日は施設内貸し切りだから大丈夫」と。それでもいらないと突っぱねたんだけど……その必要ができた。

 「では、皆様はサウナに入られないのですね?」

 え?いやいや入りますよ?整いますよ?

 「しかしここの水風呂はβ成人男性の立姿勢で肩まである深さらしいのですが?」

 サミュエルのお付きの人が持ってきた施設案内を見ると注意でしっかりと書いてある!……アンリ君、減点ですよ。
 というわけでお世話をやいてもらうことに。まぁ普通に日頃からお世話されなれてるサミュエルと僕だもの、なんの違和感もなくいたのだがマオは珍しいんだろうね?ガン見してたけど。

 
 ガチャンと重いドアを開くと熱い熱気を感じる。
体を洗い準備を整えた僕らは漸くサウナに入るのを許された。…とはいっても中にはサミュエルのお付きの人が入るし、すぐ外では爺が待機している。時間は爺が知らせるし温度も調節されていてたぶん低温サウナといわれるような温度だろう。それでも全身から汗が染みだし良い頃合いで爺がドアを開けた。
 サウナに入る時の約束通りマオも静かだからなんかちょっと拍子抜けだがお風呂にいる条件が大人しく、静かにすることだったのでそれをちゃんと守っているだけ。目は好奇心ありまくりで口元はウズウズしてるし見てると面白い。

 さぁ~いよいよ水風呂。中では爺が待機……え?なんで?

 「ちょっとちょっと、爺!爺はサウナ入って無いんだから寒くて凍えちゃうよ!出て出て!」

 「いえ全く寒くなどございませんよ?爺は毎日朝夜と冷水を浴びておりますのでこのくらいの水の冷たさは気になりませんぞ?」

 ああ、確かに爺の肌色は悪くないけど…。
そうはいっても爺も年が年だし……。ちょっと心配。

 「さぁノエル様入ってらして下さい。入口は階段ですので気を付けて。」

 誘導されて足をつけると火照った体にちょうど良い冷たさ。階段を3段も降りれば水深は腰くらいになった。僕に続いてマオがトータの手をつないで入ってくる。マオはこういう本当は危険な場所っていうところではちゃんとするからトータを任せても安心。サミュエルも先にお付きの人が入ってから慎重に入って来ている。

 階段は5段あった。ここまでなら首まで水があるけど大丈夫。でもこの3歩程先に後2段あってそこにいくともう潜ってしまう。でも今日は爺が居るので連れていってもらってプカプカと浮遊感を楽しんだ。
 そして熱が引いた頃合いで爺が「出ますよ」と言うので皆で出てカウチで横になりゴロゴロ。
 あー、気持ちいい!

 「さぁ、そのままで構いませんがお着替えだけしますね。」と爺の声を聞いてはいたけど睡魔に勝てず……おやすみなさい。
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