Ωの僕がお偉いさん

バレた

　父様からお呼びだしを受けた。近いうちに来ると思っていたけどデジレ様とお話が終わって直ぐだったのでちょっと早い？いや、それともデジレ様とお話終わるまで待っていてくれた？まぁどちらにしても早いな。

　「お呼びと伺い、参りました。」

　たぶんフールフーガの陛下もいるだろうと思ったので略式正装で臣下の挨拶だ。顔を向ければやっぱり居るものの普通で良いと言われたので戻る。

　「聞いているよ。」

　との一言と説明を求められた。軽く時系列にサミュエルに起こった事とやらかした女の子達の事を話す。そして僕が下した罰と今後の事でデジレ様とお話した事と引き渡しの事を話せば陛下は納得してくれた。でも父様の方が許せないらしい。原因はやっぱりΩ蔑視の態度だ。

　「でも父様、Ωへの考え方が変わったのは父様の代からだもの。そこ前から言われてはいても本格的に動き出したのはそれこそ30年経って無いんだよ？お年寄りの中には蔑視が当たり前の社会で生きてきて年をとりすぎて頭を切り換えられない人もいる。それを考えればかなり順調じゃない？」

　「いや、ノエル。貴族たるもの常に時の情勢を察知し機敏に舵をきらねばならない。年を取ってそれが出来ないというならば引退するしか無いのだ。
しかも今回は下級貴族を巻き込んだ中級貴族の仕業だとか。」

　あ、不味い！と思った。これ長くなる。しかもお仕事増えるタイプ。
　そして案の定、『責任能力の確認を中級貴族全体に～～～。』とお仕事命令だ。下級貴族はほぼ貴族とは名ばかりになってる家が多くて、商家の方がよっぽど影響が有るんじゃ無いかという家もあるから対象としないらしいけど、けっこうあるよ？

　お仕事増えた後は陛下から労いをうけた。迅速に処理してくれたおかげでサミュエルが楽に動けるって。それって庭で箱に入れられてた2人を指してます？やっぱり見せしめってバレてます？でもコウに聞いて知ってるよ……たぶんフールフーガ流で罰したら裸で宙吊りだって。いや、けっこう宙吊りってよく見るけど？誰とは言わないけど特にマオ。

　だけどマオの宙吊りはちょっと違うんだって。えーと？愛情のある宙吊り？って聞いたら、マオは縄脱けが得意で比較的罰として成立するのが宙吊りだけなのでよくプラーンとなってるんだって。でもすぐ縄脱けしてるよ？
　まぁ色々とデジレ様と話した事や、残りの人の罰なんかを確認された後、陛下からは同じような事が起きないように徹底して取り締まりを約束させられた。ええ、当然もうあってはいけないでしょう。これで再発なんて事があればこの僕自信を馬鹿にしてると受け取れるので普通ならあり得ないと思う。だって僕だけならいざ知らず国王、王妃、皇太子、トップから溺愛されてる僕だもの。え、誰？『虎の威を借る狐』って言ったのは。狐に失礼だよ？僕は自分じゃ牙も持たないんだから。僕は『虎の威を借るウサギ』ですよ。