Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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そこまでは……

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 ……そのような仕事?と暫く考える。あ、えーと?つまり春をひさぐという事ですか。

 「全員をそこまでの罰にとは思ってないよ。でも国賓を侮辱する事は許されない。まぁ国賓でなくてもダメだけどね。」

 この2人は自国と隣国と2つの国の王族を侮辱した訳だからその罪状もわかるけど。と呟くと重い空気が流れる。僕ってΩだって事をよく忘れられるのよ。だから目の前でΩ批判される事あるんだけどそれに対しての再教育という名の服役内容は厳しいとある筋では有名です。……主に父様が関わると酷い事になる。

 そんなこんなしていたら例の2人が帰されてきた。すでに箱に入れられて運ばれて来たのでそんなに五月蝿くなくて助かる。

 「2人には解りやすく言っておこうか。2人の罪は重い。王族侮辱、国賓への侮辱、失礼、暴言、その他も余罪があるようだからそっちも追加するけど、今のところは……そうだね、その姿で庭で許しを乞いなさい。女性の立場だともう社交界復帰や嫁入りは出来ないらしいからその後は修道院へ。何年か牛や羊、豚のお世話すれば少しは人の心情も解る様になるでしょう。」

 ……父様に裁かれれば一族揃って財産没収、炭鉱労働に決まってるからそれよりかなり良いでしょ。……余罪追加でそうならないとも限らないけど。

 「畏れ入りますが」と子爵から遠慮がちな声があがった。聞いてみれば隣国から引き渡し要請の可能性だという。うーん、あり得る。まぁそうしたらしょうがない。逝きな…間違えた、行きなさい。
 それから隣室で回復させていた2人を呼び戻すと改めて処罰を決めた。まぁ他の女の子は脅されていた事もあり城への出入り禁止で済ませる。元々下級貴族の彼女等は城への出入りなんて無い。ある期間下級貴族同士のお茶会で白い目を向けられるかも知れないから罰はその程度で充分。

 問題なのは彼女らの親だ。聞いてる限りだと今回の事に対しても色々暴言を吐きそうだ。これ以上の隣国への侮辱が聞こえることはあってはならない。だから……爺に任せよう。絶対に父様の“影”を使うと思うけど、構わないよ。
 

 一段落させた僕はデジレ様の部屋に急いだ。今回の事を事細かに背景まで話してフールフーガ側の意見を聞くつもりだ。デジレ様はこっちの貴族にも詳しいしフールフーガ側にももちろん詳しいので先ず意見を求めるのは間違いじゃないと思う。

 「なるほど。この十数年で彼らもだいぶ調子に乗った様ですね。5代前の戦の功績で伯爵位を賜ったくらいで……。それでは主犯2名とその両親を引き渡していただければ残りは不問にしますよ?」

 よし乗った!どうせ父様に知られるだろうから国内の知り合いがいる場所で労働者になるより知る人のいない外国の方がまだ精神的にマシだろうから。

 「…ノエル様は慈悲深い甘いですね。」


 『私は多大な不敬を犯しました。』と書いた看板と『私は下級貴族の子を脅していけない事を強要しました。』という看板を背景に城の庭で箱に入れられて数時間の土下座をした2人は翌日、両親と共に王立の裁判所で正式に罰を言い渡された。この時は箱から出していたんだけど、なんでコルセットをとった姿を見せないのかという本当の意味を僕は初めて知った。
 まさか三段腹があんなに目立つとは……。


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