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髭さん可哀想
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驚愕の様子を見せた髭男性……もう面倒だから髭さんでいいや。その髭さんは次第にぶるぶると肩を怒らせはじめたが僕の前ということでどうにか抑えているように見えた。だから僕は『この人の好きにさせる時間を与えればそれを見てるだけでこの人達の関係性とか背後とか解るな~』なんて考えた。
そこで爺に目で『あの人の怒り利用しよう』といえば爺も『了解しました』と返して来た。
「伯爵、貴殿方の間でも意見が食い違っているようですな。お許しが出ましたのでどうぞお話会いを。」
爺が髭さんに向かい促した。…髭さんは伯爵位の人だったのか。
「何をしてるんだ!全員で頭を下げるんだ!床にぶつけようがその上から踏まれようが、平頭低身してお願いしなければ!」
許しが出たとたん、そう後ろの突っ立っている人に叫んだ。だが突っ立っている人は何も解っていないようで、むすっとした顔でいた。
「おじ様、私だって貴族の娘ですわ。その私に虫のように床に這えとおっしゃいますの?」
ピンクドレスの小柄な女の子が不満げに嫌だと言う。自分の可愛らしさを解ってやっているようでちょっと頬を膨らませ『私、嫌よ!』って演出だ。
「そうですわおじ様、だって私達は案内して差上げようとしただけですもの?」
「ええ、そうですわよね?」
ピンクドレスの横の水色ドレスの子も同じように不満らしい。その2人に対して髭さんは「馬鹿者が!」と一喝した。ビクッと体を揺らした2人は慌てて一番後ろでずっと土下座したままだったクリーム色ドレスの子を指差して「そ、そうだ、マリア。マリアが言いましたのよ!」と言った。
……この子、今「そ、そうだ、」って言ったよね?『今思いつきました』って言ってるようなもんじゃないか。名指しされた子は顔をはねあげて涙流しながら首をふってる。この子の様子を見るとこの女の子達グループの中で一番格下で虐げられる事も多いんじゃなかろうか?というかこの子、土下座が板についてるように見える?謝りなれてるの?
「マリアが追いかけようって言いましたのよ。Ωの王子様なんですもの。私達だってお相手としては十分でしょう!?」
……あーあ、言っちゃった。『Ωの王子様』って言っちゃった。目の前にも1人居るのに言っちゃったねぇ。
「『Ωの王子』ならば中級、下級の者が声をかけて良いと?」
僕が静かに優しく聞くとピンクドレスの子は悪びれもなく「ええ。」と肯定し水色ドレスの子も「だってΩの方ですもの。」と笑う。
チロンっと髭さんを見れば真っ青になって息が『ヒッヒッヒッ』とひきつってしまっていた。反応を見ると震えたり青くなったりと状況を理解している人は半数くらい。クリーム色ドレスの子なんかもう気を失いそうだ。
「そう。」と僕が薄く笑って話そうとしたところを髭さんの声が僕の声を消した。
「大馬鹿者が!!お前達の親の教育は間違っていると散々教えて来ただろう!この2年、何を聞いてきた!おま、おま……」
大声で叱りつけ……途中で失神してしまった髭さん。うん、なんとなく理由も魂胆も背景も想像ついたよ。
そこで爺に目で『あの人の怒り利用しよう』といえば爺も『了解しました』と返して来た。
「伯爵、貴殿方の間でも意見が食い違っているようですな。お許しが出ましたのでどうぞお話会いを。」
爺が髭さんに向かい促した。…髭さんは伯爵位の人だったのか。
「何をしてるんだ!全員で頭を下げるんだ!床にぶつけようがその上から踏まれようが、平頭低身してお願いしなければ!」
許しが出たとたん、そう後ろの突っ立っている人に叫んだ。だが突っ立っている人は何も解っていないようで、むすっとした顔でいた。
「おじ様、私だって貴族の娘ですわ。その私に虫のように床に這えとおっしゃいますの?」
ピンクドレスの小柄な女の子が不満げに嫌だと言う。自分の可愛らしさを解ってやっているようでちょっと頬を膨らませ『私、嫌よ!』って演出だ。
「そうですわおじ様、だって私達は案内して差上げようとしただけですもの?」
「ええ、そうですわよね?」
ピンクドレスの横の水色ドレスの子も同じように不満らしい。その2人に対して髭さんは「馬鹿者が!」と一喝した。ビクッと体を揺らした2人は慌てて一番後ろでずっと土下座したままだったクリーム色ドレスの子を指差して「そ、そうだ、マリア。マリアが言いましたのよ!」と言った。
……この子、今「そ、そうだ、」って言ったよね?『今思いつきました』って言ってるようなもんじゃないか。名指しされた子は顔をはねあげて涙流しながら首をふってる。この子の様子を見るとこの女の子達グループの中で一番格下で虐げられる事も多いんじゃなかろうか?というかこの子、土下座が板についてるように見える?謝りなれてるの?
「マリアが追いかけようって言いましたのよ。Ωの王子様なんですもの。私達だってお相手としては十分でしょう!?」
……あーあ、言っちゃった。『Ωの王子様』って言っちゃった。目の前にも1人居るのに言っちゃったねぇ。
「『Ωの王子』ならば中級、下級の者が声をかけて良いと?」
僕が静かに優しく聞くとピンクドレスの子は悪びれもなく「ええ。」と肯定し水色ドレスの子も「だってΩの方ですもの。」と笑う。
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「そう。」と僕が薄く笑って話そうとしたところを髭さんの声が僕の声を消した。
「大馬鹿者が!!お前達の親の教育は間違っていると散々教えて来ただろう!この2年、何を聞いてきた!おま、おま……」
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