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勘違い令嬢たち
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僕に言わせればそこはカオスだよ。
もう30才は越してるだろうご婦人が『お嬢様』と呼ばれ躊躇いもなく振り向くし、アーノルド2人分はあろうかと思われるお嬢様が『足を挫いちゃって…運んでくださる?』って言ってたり、どう見ても骨が浮き出るほど痩せてるお嬢様が胸と背中がばっくり開いてるドレス着てたりと……。
まだ謁見の間にたどり着く前なんですけど?
そしてこれが一番怖い事なんだけど、ターゲットにされてるのは提督!!
ええ……提督がターゲットなら30過ぎのお嬢様もアーノルド2人分のお嬢様も有りなんだろうけど。
あー、背中が寒い。早く通りすぎたいなぁと僕は急ぎ足で移動した。
さすがに謁見の間付近では勘違いお嬢様は居なかった。皆さん品よく落ち着いた装い、お化粧でやっと一息つけた感じ。
「ねぇ爺、さっきのお嬢様方はなんだったの?」
「そうですねぇ、ノエル様にはご縁が無いような方々ばかりです。特にお家柄がというわけでも無いのですよ。実際、押されて転んでしまったというご令嬢は伯爵家の方ですね。ただあまり好ましくないのでこちらへの列席が許可されなかったのですよ。ですのであちらにはその様な方々が集まってしまったのであのような見苦し ゴホン……失礼。華やかな場になってしまったのです。」
爺……見苦しいって言っちゃってる。一応隠したけど本気で隠す気無いでしょ?
「正直申し上げますと今回は滞在が長いので隠すよりもお客様方には知っておいていただきたいですね。」
はい、来た。本音は『厄介事は自分等で対処しろ』だね。この国にも勘違い貴族はまだまだ存在するからねぇ。……サミュエル無事でいられるかな?
「サミュエル様はおそらくライバルとして敵意を向けられると危惧しております。」
ターゲットじゃなくてライバル?Ωだから?
「それもありますが、外見はお美しい方ですから嫉妬されるかと。」
……そうだね。中身知らなきゃまるで妖精。中身知ってると極度の人見知り。そして新婚さん。
じゃあ、サミュエルは僕が守らないとなぁなんて呑気に考えていたら謁見の間正面に到着。
中では父様と陛下が椅子を並べて待っていた。仲良く喋っていたのだろう雰囲気が柔らかい。
一通りの挨拶と紹介をすれば僕のお役目、案内役はこれにて終了。……あ、そう……やっぱり国内の案内役として?いやそれは皇太子の役目じゃ?ああ、サミュエルたっての願いになっちゃった。それじゃしょうがない。
という訳で案内役続行となりました。……あのカオスの住人にまた会うの?嫌だな。
「ノエル様、あのご令嬢方の狙いは提督ですがデジレ様、サミュエル様を狙っている者もございます。」
ほらやっぱり。あのデジレ様が嫁いだ一件を両国友好の為と思った貴族は多い。だって僕も義父にあたるし、ここ数年の関係を見るとわだかまり抱えた人間関係はみられないだろうから。
「左様です。最近では血縁関係を持たせた友好国とするためデジレ様が“嫁いだ”と言われているほどです。」
もう30才は越してるだろうご婦人が『お嬢様』と呼ばれ躊躇いもなく振り向くし、アーノルド2人分はあろうかと思われるお嬢様が『足を挫いちゃって…運んでくださる?』って言ってたり、どう見ても骨が浮き出るほど痩せてるお嬢様が胸と背中がばっくり開いてるドレス着てたりと……。
まだ謁見の間にたどり着く前なんですけど?
そしてこれが一番怖い事なんだけど、ターゲットにされてるのは提督!!
ええ……提督がターゲットなら30過ぎのお嬢様もアーノルド2人分のお嬢様も有りなんだろうけど。
あー、背中が寒い。早く通りすぎたいなぁと僕は急ぎ足で移動した。
さすがに謁見の間付近では勘違いお嬢様は居なかった。皆さん品よく落ち着いた装い、お化粧でやっと一息つけた感じ。
「ねぇ爺、さっきのお嬢様方はなんだったの?」
「そうですねぇ、ノエル様にはご縁が無いような方々ばかりです。特にお家柄がというわけでも無いのですよ。実際、押されて転んでしまったというご令嬢は伯爵家の方ですね。ただあまり好ましくないのでこちらへの列席が許可されなかったのですよ。ですのであちらにはその様な方々が集まってしまったのであのような見苦し ゴホン……失礼。華やかな場になってしまったのです。」
爺……見苦しいって言っちゃってる。一応隠したけど本気で隠す気無いでしょ?
「正直申し上げますと今回は滞在が長いので隠すよりもお客様方には知っておいていただきたいですね。」
はい、来た。本音は『厄介事は自分等で対処しろ』だね。この国にも勘違い貴族はまだまだ存在するからねぇ。……サミュエル無事でいられるかな?
「サミュエル様はおそらくライバルとして敵意を向けられると危惧しております。」
ターゲットじゃなくてライバル?Ωだから?
「それもありますが、外見はお美しい方ですから嫉妬されるかと。」
……そうだね。中身知らなきゃまるで妖精。中身知ってると極度の人見知り。そして新婚さん。
じゃあ、サミュエルは僕が守らないとなぁなんて呑気に考えていたら謁見の間正面に到着。
中では父様と陛下が椅子を並べて待っていた。仲良く喋っていたのだろう雰囲気が柔らかい。
一通りの挨拶と紹介をすれば僕のお役目、案内役はこれにて終了。……あ、そう……やっぱり国内の案内役として?いやそれは皇太子の役目じゃ?ああ、サミュエルたっての願いになっちゃった。それじゃしょうがない。
という訳で案内役続行となりました。……あのカオスの住人にまた会うの?嫌だな。
「ノエル様、あのご令嬢方の狙いは提督ですがデジレ様、サミュエル様を狙っている者もございます。」
ほらやっぱり。あのデジレ様が嫁いだ一件を両国友好の為と思った貴族は多い。だって僕も義父にあたるし、ここ数年の関係を見るとわだかまり抱えた人間関係はみられないだろうから。
「左様です。最近では血縁関係を持たせた友好国とするためデジレ様が“嫁いだ”と言われているほどです。」
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